■冬至
静かな時の積み重ねで
たぶん この夕暮れがあるのだろう
途切れた記憶の先にも
見覚えのある景色が続き
家々の窓からは
懐かしい匂いが漂う
夢に逃げ込んだ日々は
まだ鮮やかに 居座っているけれど
ふつうの あたりまえの今日が
こうして穏やかに暮れ
キミの足音を待ちながら
いつのまにか眠ってしまう
短い光の時間はあっけなく過ぎ
夜の静寂は 出口を隠したまま
恋心の果ての漆黒ならば
こうして 時がゆくのを見ていよう
優しさと残酷をないまぜにして
キミの足音が 季節を越えて遠ざかる