隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

爆裂ですっ!吉井和哉~THANK YOU YOSHII KAZUYA in 武道館(12月27日)

2007年01月04日 15時23分07秒 | ライブリポート(音楽)
■吉井さん、金髪になっていました
 THE YELLOW MONKEY 時代は何度もライブに通ったし、ドームでのラストライブも泣きたいような思いでその場にいた記憶が鮮明。
 ソロになってからは昨年、Zepp Tokyoでの YOSHII LOBINSONのライブを一度見ただけ。バンド好きの私としては、吉井和哉のアーティストとしての魅力を十分わかってはいても、ソロになってからの彼をどこかで認めたくない、というか、そういう思いがあったことが事実。いまさら、と言われても、もうしかたないのです。
 「(自分にも)地味な時代があったけれど」という吉井和哉の言葉どおりに受けとれば、たしかにYOSHII LOBINSONのときはパフォーマンスにはみ出しそうな空気感が感じられなかったけれど、今回のライブはパフォーマンスもセットリストも含めて、「覚悟の大暴れ」があったような。それは40歳を迎えた彼の再出発の決意があったのかなあと勝手に思っている。
 このツアー関しては事前にどのサイトものぞいていないので、情報ゼロで臨んだライブ。MCでは何度も「40歳」にこだわった言葉が選ばれたが、金髪(金髪ですよ! 正直ちょっとびっくりした。笑)とラメの光るジャケット、スパッツとも見まがうような細~い青のパンツ、ひらひらもついた白いシャツ…。それがふつうに似合ってしまうのだから、恐れ多し40歳だな。
 母親から「もういい年なのだから、そろそろそういう格好は…」とはじめて言われ、「そんなこと言ってもね、この業界広しと言えど、これが似合うのは俺くらいしかいないんだよ」と主張してみたが、母親は最後まで聞かずにキッチンに立ってしまったという話や、「40のじじい」を枕詞にした自虐的な発言がかなりあったけど、本人も十分にわかっているのでしょう、キンキラがこんなにかっこよく決まってしまう40歳がいるなんて。
 それほどパワーあふれるライブだったことを最初に記しておきます。

■最強エンターテイナー!
 オープニングで大画面に現れたには、ビックリ、KREVAでした。この映像は出演だけじゃなく制作もKREVAの手によるとか? 9月2日の「ロックロックこんにちは in 大阪」(よかったら、ここここ、みてください)のイベントで一緒になった二人が打ち上げですっかり意気投合していたという話を主催者であるスピッツが語っていたなあ。あれがきっかけでこの映像の制作が実現したんだろうか。そういえばスピッツもKREVAのことをたびたび話題にだしているところをみると、KREBAってきっといいやつなんだろう(笑)。ラジオや雑誌での発言をきくと、すっごく理屈っぽくてマジメ、という印象だな。
 ライブのほうは、オープニングの「I WANT YOU I NEED YOU」からすでにステージを降りて警備の人を振り切るようにしてアリーナの中央だけでなく左右にも走って、ファンを煽っていたなあ。最初からこんなで大丈夫? こっちはそんな心配までしちゃうくらい。声が出なくなって公演を3つくらい延期したらしいけど、ちょっと高音がつらそうなところはあったけど、よく出ていたと思います。
 私は2F東側のステージ真横(笑)だったので、ステージで転がるようすも、倒れこむようすも、走るようすもよく見えたんだけど、あのサービス精神、ロックな色気、一人ですべてを引き受ける力強さと覚悟(スピッツ・マサムネ、見習え!。笑)はすごい。左右の隅っこにいる私たちの存在にも絶えず気を配ってくれました。エンターテイナーなんだよなあと改めて実感。

■やばいでしょ、「PAINT IT BLACK」(笑)
 セットリストは10月リリースのニューアルバム「39108」からの楽曲が主。それに合わせて、サイケな(笑)映像が流れ、吉井さんが舞う。
 「黄金バッド」と「WEEkENDER」は夏のイベントで聴いたときより、さらに鋭く激しくなっていたような。「39108」からはほかに、「人それぞれのマイウエイ」「LIVING TIME」「HOLD ME TIGHT」「LONELY」「ALL BY LOVE」「BEAUTIFUL」「恋の花」(アンコール)だったかな。アリーナも1階席も2階席もすべてが乗りまくっていた。そしてアンコールの3曲目、ラストが「BELEIVE」でした。走り回る吉井さんもいいけど、もともとはギタリストだったというし、ギターをもってシャウトする姿はかっこいい。
 ソロのファースト「at the BLACK HOLE」からは「20 GO」(アンニュイな感じもいい)、「BLACK COCK'S HORSE」、そしてアコギバージョンの「TALI」(これって、不思議にポップな曲ですよねえ)かな。
 セカンドの「WHITE ROOM」からは本編最後の「FINAL COUNT DOWN」の熱さが心地よかったし、「いろいろ考えているときに作った曲」というMCのあとの「CALL ME」がいろんなものを想像させて秀逸でした。この人の声のみだらでアンバランスな特徴がすごく生かされている作品、というのが私の勝手な評価です。
 そしてかる~いノリでビートルズやストーンズをカバーしちゃうのも良かったのですが、「PAINT IT BLACK」には心かきむしられました(笑)。これって、これってこのツアーでお初なんですか? あれは吉井さんの訳詩っていうか作詞?
 耳に残っている限りで(会場を出てすぐに記憶を頼りにメモったのですが…。バカだ)

  「神経質だよ もちっこ(?)ないよ ロックスターにはなれないだろう」
  「明日からバイブは使わないわ ケータイじゃないわよ 大人のアレよ」
  「しかたがない 捨てたくない(?) 死ぬしかない」
  「あたしはね ただの淫乱じゃないのよ 愛と平和がほしいのよ」
  「黒く塗れ あたしをね PAINT PAINT PAINT IT BLACK」

 もともとある訳詩なのかなあ。どっちにしても吉井さんの口から出ると、こういう歌詞がヘンに説得力っていうか、存在感っていうか…、うーん、そんなかっこつけの言葉じゃなく、もうね、いいんだよなあ(なんだ! なにが言いたいんだ!)。最後の「あたしをね 黒く塗れ PAINT PAINT PAINT IT BLACK」のリフレインがものすごくかわいくてセクシーでみだらでした(って、それが言いたかったのか?)。

■イエモンの曲に…
 夏の「ロックロック」で聴いた「LOVE LOVE SHOW」(ROCK IN JAPAN FESでは「渋谷陽一にささげます」と言って「バラ色の日々」も歌ったらしいけど)は感動的だったし、会場の盛り上がりもハンパじゃなかったけど、今回は「LOVE LOVE SHOW」「バラ色の日々」以外にも「太陽が燃えている」「SPARK」(これを聴ける日が来るとは思わなかった)、「パール」を聴くことができた。涙でした。エマのかっこいいギターソロを真横上方から眺めて、時間の経緯を感じたりしたけど、誰もが最後まで歌えるんだろうなと思うほど、会場は揺れていました。
 実は「パール」、ものすごく好きなんです。たくさんの数え切れない好きな曲の1つなんですよ。今回はアンコールの2曲目で、男性ボーカリストのMCのものまねをして(キムタク? 不明だったんですけど。笑)、それから頭上のミラーボールが回ってドーム状の星空のもと、壮大なバラード風に歌い上げて、彼の歌唱のうまさを再確認できたことはできたんだけど…、でもね、わがままをここで言わせていただけるなら、私はただただイエモンの「パール」のコピーでよかったんです。

  「愛情の庭に種はまいたが 雨は降るのに 花はなかなか」
  「俺はクズだし 確信はないけど…」
  「夜よ 負けんなよ 朝に負けんなよ 何も答えはでてないじゃないか」

 このような歌詞や疾走感のあるバンドアレンジを聴くと(特に、夜に)、胸の中に何かがあふれて泣きたくなります(マジで)。追いつめられた切なさを吉井さんの声がどんどん純化させていくような。
 いつか聴きたいですね、イエモンで。10年後、20年後でもいいです。ただ、「これからは好きなところで好きな歌を歌っていきたい」という意欲的なMCや、ファイナルのアンコールで「JAM」を弾き語りでやったという事実から、もうイエモンの復活は彼の頭にはないんだろうなあ、イエモンの呪縛(あったとしたら、だけど)から解き放たれて自由になれたんだろうなあ、ということも想像できる。
 だから、イエモンを求めたり夢みたりするのは自分の胸の中だけにして、これからは吉井和哉だけを「おお、かっこいいね!」と追っていくべきなんだろうなということもわかる。
 そういうことなんだろう。

 あらら、最後が湿っぽくなったけど、ライブは本当にすばらしかったです。それは100%事実。寂しさをかかえつつも、きっとこれからの彼の進む道をドキドキしながら見ていけるでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 優しい光 | トップ | 暗闇の向こうに »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。