隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

オープニングはあの曲~スピッツ宇都宮ライブ①

2010年04月16日 21時34分57秒 | ライブリポート(スピッツ)
■宇都宮市文化会館 (2010年4月12日 18:30開演)■
  SPITZ JAMBOREE TOUR 2010 より


 待ちに待った私にとってのライブ初日は「みごとに終日雨」。一緒に行った友人は自他共に認める「雨女」なんですが、こんなにみごとに…という感じです。
 思えば宇都宮は、さざなみツアーでもお邪魔したんでしたっけ。ココに書いてありました。
 早いもので、あれから2年以上たっているわけで、ちょっと怖くなる。
 ま、そんなことはさておいて…。
 以下はセットリスト。間違っているかもしれないので、確認してください。オフィシャルに発表されていますので。


●セットリスト●
 01 初恋クレイジー
 02 8823
 03 君は太陽
 04 新曲(ビギナー or Beginner ?)
 05 愛のしるし
 06 旅人
 07 新曲(つぐみ or ツグミ?)
 08 日なたの窓に憧れて
 09 さわって変わって
 10 スターゲイザー
 11 新曲(しろくま or 白クマ or 白熊)
 12 ナイフ
 13 愛のことば
 14 新曲(恋する凡人)
 15 チェリー
 16 スパイダー
 17 放浪カモメはどこまでも
 18 メモリーズ・カスタム
 19 俺のすべて
 20 ヒバリのこころ

 Encore
 01 春の歌
 02 青い車
 03 僕のギター



◆40代の彼らで「こんな曲」たちが聴けるなんて…
 のっけから、こんな曲が…。「初恋クレイジー」。
 だって、「軽いベーゼ」で満たされて「遠吠え」しちゃうような男の子の歌ですよ。
 「おじさん」発言が多い昨今のメンバーだけど、あの声、あの演奏、あのたたずまいは「遠吠え」しちゃう男の子の頼りなさや青さを会場に響かせてくれた。
 草野が演奏の途中でお尻のポケットあたりに手をやってハーモニカを取り出したとき(もちろん最初からハーモニカ吹くことはわかっていたけれど)、ちょっと不安になったファンもいたはず。いつのライブでだったかは忘れたけど、たしか「ホタル」で、メタメタのハーモニカを聴かせてくれちゃったんですよね(笑)。今回はなかなか力強い音が響いていたけど。
 それにしてもいい歌詞だなあ。何も直接的に言わなくても、あやうい少年の心の中が見えてくる。詩人です。歌詞を忘れてしまった方、ぜひぜひ今一度、確認してみてください。
 表情は見えなかったけれど、会場を見まわしていた田村君はきっと笑顔だったんだろう。
 そして「旅人」。ボーカルの積年の思いがかなったというわけか。
 ハプニングについてはあとで触れるとして、懐かしい曲。「渚」のカップリングだったって。
 同じ時期に(1996年夏)にミスチルがリリースした「マシンガンをぶっ放せ」のカップリングも「旅人」。この歌詞を比べてみてください。おかしくなるくらいに真逆な内容、言葉えらび。ちょっと笑える。
 スカスカな音も、今となってはいとしいくらい懐かしい。
 そして、サードアルバム『惑星のかけら』からの「日なたの窓に憧れて」も心許ない若者のせつない願いを、ちょっとどっしりした演奏で聴かせてくれた。さすが安定感はあるけれど、弾む趣が決して音を風化させない感じ。やっぱり若いのだ。
 この曲も世界観もちょっと不思議で妖しい。優しい歌詞のように見えて、非常に+かなり「おかしな」妄想だか欲望を隠しもっているんだろう。何を憧れているんだよっ!って。私たちは「メリ~ゴ~ランド♪」なんてかわいいリフレインにごまかされちゃいかんのです。
 ボーカルの声がとてものびやか。
 「愛のことば」は『ハチミツ』リリースからしばらくの間、すごく人気のあった曲。ポップできれいなメロディーと当時の草野にしてはわかりやすい歌詞。シングル候補だったときいたこともあるような。CDに忠実になぞるように演奏してくれて、ブレイクの頃を思い出した人も多いんだろうな。
 そしてそして、まさかの「ナイフ」。DVD「スピッツ ジャンボリー デラックス」の中の「EARLY TIMES」に貴重な映像が収録されている。ボーカルが雰囲気たっぷりに、なんだかどこかに入り込んじゃっているかのような表情を見せている。この路線で進んでいたら、違う種類の人気がついたかも?なんて思うけど。
 あんまりお客の入っていない会場で「ナイフ」を聴いて、もったいないなあ、悔しいなあ、というような気持ちになったのだけは覚えている。ただ、うまく言えないけれど、インディーズの頃とは違うバンドの匂いを感じて、こっちも戸惑ってしまったんだよなあ。あれはなんだったんだろうね。
 今回の「ナイフ」は今の草野らしく、入り込みすぎずに、どこかでちゃんと自身を観察しているような歌唱を聴かせてくれた。どっちがいいかじゃなく、ね。
 今回はバックの映像にときどきメンバーが映しだされるんだけど、この「ナイフ」のときのメンバーのそれぞれの表情や演奏する様子がとてもすてきだった。ハチの巣みたいな五角形だか六角形だかの小さな太めの枠があって、それでメンバーの映像が微妙に見にくいんだけど、それがちょっといい(「マサムネくんがちゃんと見えないよ!」って不満なファンもいるかもしれないけど(笑))。
 この歌詞もいい! 好きな女の子へのSっぽい感情と、サビのサバンナや猿からヒトへの枝分かれのイメージ。その究極のアンバランスが不思議にちゃんと釣り合う。「ナイフ」自体は人によっていろんなものを想像されるだろう。私たちは結局、「勝手にしなよ」と放り出される。その冷たさがこのバンドの隠し味。甘くて優しいだけじゃ、20年はもちませぬ。

◆シングルかカップリング
 今気がついたけど、本編20曲から新曲を除いた16曲のうち12曲がシングル+カップリングなんだな。
 新しいところでは「君は太陽」、古いところでは「日なたの窓に憧れて」。
 「さわって変わって」のちょいハードな音に感動。このPVでの演奏シーンを思い出す。ロックバンドな雰囲気でメンバーの表情もかっこよかったし。
 CDではサビの「さわ~って(さわ~って) 変わ~って(変わ~って)」というふうに( )内のコーラスがあったように記憶してるんだけど(違う?)、会場では聴こえなかったなあ。ナシにしたのかしら。ボーカルの声の余韻がきれいだったけど、私はコーラス入ってるほうが好きかな。
 ちょっと久しぶりだった「放浪カモメはどこまでも」。演奏がメチャクチャかっこよかったです。この曲はCDで聴くよりライブでのほうが格段「ロック」。
 最後、暗転のあとに一瞬明るくなったときのメンバーの決めのポーズ(というほどでもないんだけど)、ストップモーションみたいでグッときました。
 「愛のしるし」は印象的なイントロで始まり、やっぱりPVを思い出す。スピッツのコスプレ好きは、あれで味をしめちゃったからか(だって、カレンダーとかコスプレ多いですよね。ロックか~??)。


◆定番の盛り上げ曲へ
 2曲目に「8823」はちょっとビックリ。「初恋クレイジー」で「懐かし~」と盛り上がった会場がこの曲で一気に高みに行った感じ。
 若い友人からのメールにも書いてあったけど、ボーカルがいつにもまして腰を落としてギターをかきならす様子がなかなかよかった。
 最後は、「放浪カモメはどこまでも」~「メモリーズ・カスタム」~「俺のすべて」~「ヒバリのこころ」へと一気に。わかっていても盛り上がる会場です。
 テツヤ君がステージ前面に出て演奏する姿は、いつ見ても感動する。おお!って。田村君のパフォーマンスとうれしそうな様子(表情が見える距離ではないんだけど)も伝わっててくる。崎ちゃんのスティックさばきにみとれたシーンもありました。
 個人的な希望としては、ここに「甘ったれクリーチャー」を加えていただけないかと(笑)。好きなんだけどなあ。
 本編ラストのデビュー曲「ヒバリのこころ」。いつも、「この曲がデビュー曲でよかったなあ」と思う。ポップだしロックだし、でもこのバンドにしてはかなりストレートだし、でも歌詞にひねりもあるし。
 いくつも重なる「行く手を阻む壁」を乗り越えて「強く生きていこう」を誓っているのが、若い二人じゃなくメンバー4人に思えて、妙にしんみりしてしまうのだ。考えすぎだけど。
 この疾走感は、20代のときと変わりなく、はじけるように伝わってくる。
 ステージを右に左に移動して、前列のファンに軽くタッチするボーカル、暴れるベーシスト、腰を入れて演奏するギタリスト、スティックを頭上に掲げるドラマー。
 絶対にいつまでも続きますように…、そういう思いで胸が熱くなる。
 アンコールの3曲は、意外性はないけど、どれも個人的には印象的な曲。思いがけず「僕のギター」はこの番バンドにとって大事な曲となったようだ。
 静かに始まって、徐々に激しくなり(ここの演奏は秀逸)、最後はボーカルとアコギで終わるところ、いいです。
 

◆強いメロディーの新曲たち
 新曲を4つもお披露目。
 2曲くらいだと、ライブ後もAメロかサビくらいはちょっと思い出せたりするけど、4曲となると、もう…(ぜいたくなこと言ってますが)。
 どの曲もメロディーが立っていました。曖昧じゃなく、ちゃんとスッと入ってくる感じ。
 「ビギナー」がいいな、という声を何人かから。うーん、私はどれも印象的だったかな(覚えてないけど、聴いたときはそう思った)。
 「ビギナー」か「つぐみ」のとき、バックの映像に草原?の風景が映し出されて、それがなんとも言えなくステキだったな。
 どの曲だったか忘れたけれど、歌いだしの歌詞が「愛してる」、そして「しろくま」の歌詞に「しろくま」が入っていた(笑)、これはたぶん確か(って、アルバム聴いたら全然違っていたりする可能性も大)。
 それから、「つぐみ」では、「明日はもう命尽きているかもしれないから、今日…」というような内容の歌詞があったような。
 「恋する凡人」ははじめて聴いてもノレる曲だった。短めだけど、一気に盛り上がる感じ。
 演奏前に草野が手首を回したり肩を回したりして準備運動?してたけれど、この「ぶりっ子許す」というくらいかっこいいタイトな演奏だった(そういえば、草野の新しいブルーのギター、淡い色できれいでした)。
 そのほかの3曲はミディアムな感じだけど、いわゆるバラードではなく。メロディーだけで心地よく上がっていく感じ(うーん、うまく言えない。ボキャ貧困が情けない…)
 4曲ともすでに粒ぞろいな曲たちだから、いやでもアルバムへの期待が高まります。早く聴きたい、歌詞を知りたい!
 それから最後に、照明がきれいでした。



 いつもより男率高し! さすが崎山先輩の地元!(正確には、佐野が地元だけど) スピッツファンには珍しい野太い声があちこちからあがっていました。
 いくら本人たちが「おじさん」を強調しても、ベテランバンドなんかじゃなく「現在進行形のバンド」であることを証明してくれた、そういううれしい宇都宮の夜でした!



 いつものように、おまけのMC集に移行します。
 記憶が定かでなかったり、不正確だったり、勝手にイメージを膨らませていたり…、というところが多々あるので、それでもいいや、と思われる方だけお付き合いくださいませ。


 コチラに場所を移して…。

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