月例ネット句会臨時ブログ(旧 俳句日記/高橋信之)

高橋信之(愛媛大学名誉教授・俳句雑誌「花冠」創刊者)

■結社の多様化/高橋信之(「月刊俳句界」10月号)■

2014-10-04 10:46:20 | 今日の俳句
①俳句雑誌「花冠」がウェブサイト(ホームページ)を立ち上げたのは、一九九六年十一月二十七日で、十八年前のことである。その一年後に俳句掲示板(BBS)を開設し、ネット上での句会を始めた。一九九七年十一月七日である。BBS句会はその後ブログ句会となり、花冠ネット句会は、十八年の歳月の殆ど毎日を俳句勉強の場とし、日々の精進を重ねてきた。これらの業績は、俳誌「花冠」の仲間が誇りとするところである。花冠の掲示板(BBS)は、初心者のための「俳句添削教室」として今も続いている。
 一九九五年に日本にもウィンドウズ95が入った。日本の社会も世界のグローバル化とIT化(高度情報化)の影響を受ける時代となった。俳句、また俳句結社も、こうした日本社会の変動の影響を免れることはできない
。課題は、俳句作家には高齢者、女性が多いので、これらの人たちにパソコンを教えることであった。
 高齢者、女性、障害者達を対象としたパソコン講座の充実を図った。全盲の方のパソコン指導も企て、効果を上げた。パソコン指導者の養成講座も開き、愛媛県から助成金をいただいたことも幸運であった。
 花冠の活動は、ブログによる「デイリー句会」と「月例ネット句会」があり、一九九七年秋に始めた「インターネット俳句コンテスト」は、今年が第二十回となる。結社同人を全国に拡げた。

②「ネットによる結社」のよい点は、会員・同人との交流の場がネットによって拡がることで、全国へ、そして海外へと拡がってゆく
。「所変われば品変わる」といわれるが、この「品変わる」という多様化の時代への適応がネットによって可能なのである。グローバル化の時代、多様化の時代は、島国という小さい世界の中で生きてゆく日本民族には避けていけないであろう。日本民族が未来に向けて発展してゆくならば、「グローバル化」と  
「多様化」という課題に、むしろ積極的にかかわっていくべきであろうと思う。そのために「ネット」そして「ネットによる結社」は
、時代に合った結社として働くであろう。
 「ネットによる結社」の悪い点は、ネット
、そしてネットのための道具であるパソコンが俳句とはもともと遠い存在であり、俳句は、写生、写実といったことを根底に置いているが、パソコンは、コンピュータの末端で、ヴァーチャルな世界を操作する。俳句の「実」とパソコンの「虚」とがうまく折り合うことができるかが難題である。結社の主宰の力量が問われてくる難題なのである。
      
③今後「ネットによる結社」は増えるか否か
、という課題があるが、答えは、「増える」
であり、その理由は、様々であろうが、その一つは、パソコンの使用者が増えるという、単純な理由からで、それも高齢者や女性、それに障害者といったIT弱者と言われる人達にパソコンが普及し、その使用者が増えるということである。そういった時代が必ず来る。 
。俳句作家には高齢者や女性多いので、これらの人達にパソコンが行き渡れば、俳句作家の多くがネットに参加することができる。
 グローバリゼーション(グローバル化)という現象がある。グローバリゼーションとは、社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象である。
 グローバル化社会は、高度情報化社会をもたらし、高度情報化社会となる。高度情報化によって、グローバル化が更に促進されるのである。日本の経済と社会、そして生活のあらゆる面で、グローバル化、そしてIT化(高度情報化) という大きな変革が起きた。高齢者や女性、それに障害者といったIT弱者と言われる人達も例外ではなく、この人達にもパソコンが普及し、その使用者が増える。ネット参加者が増えれば、「ネットによる結社」も増えるのである。

※「月刊俳句界」10月号120頁に掲載
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