こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
詳細は左欄下段の『ブックマーク』にお進み下さい

東医宝鑑を観る42(大便7)

2017年10月12日 | 日記

 

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(七)

四、痢疾の諸症勢
帯下する症勢が内経に記載されたものをみると、血溢・血泄・血便の泄下などがあり、

古方には清・膿血と泄下などがあるが、近世には通称痢疾というが、みな同じである。
痢疾に赤痢・白痢・赤白痢・水穀痢・膿血痢・噤口痢・休息痢・風痢・寒痢・湿痢・

熱痢・気痢・滑痢・積痢・久痢・疫痢・虫症痢・五色痢などがある。

<赤痢>
赤痢は小腸からおきる症で、湿熱の根元である。
赤痢は即ち下痢に血がまじって熱がある。益元散に木通・芍薬炒・陳皮・白朮煎湯を

加え保和丸を呑み下す。赤痢には導赤地楡湯・加減平胃散・地楡散・固腸丸・消六丸などを使う。

導赤地楡散  赤痢と血痢を治す。
    処方 地楡・当帰身酒洗各一銭半、赤芍薬・黄連酒炒・黄苓酒炒・槐花炒各一

       銭、阿膠珠・荊芥穂各八分、甘草灸五分を水で煎じて空腹時に服用する。

加減平胃散  赤痢と血痢を治す。
    処方 脾胃が弱ると血が四肢に流れず、胃に入って血痢になる。
    処方 白朮・厚朴・陳皮各一銭二分、桃仁・人蔘・黄連・阿膠珠・赤茯苓各七

       分、甘草灸・木香・檳榔各五分、薑二片入れて水で煎じて空腹時に服用 

      する。

地楡散        赤痢と血痢を治す。
    処方 地楡・赤芍薬・黄連・青皮を各等分に末し毎三銭を空腹時に淡米飲で調

       服する。

固腸丸        赤痢と血痢を治す。
    処方 樗根白皮を焙って乾かし末にし、粥で梧子大に丸め空腹時の米飲で二〇

       ~三〇丸呑み下す。

<白痢>
白痢は気に属し大腸におき湿熱の根本となる。泄痢変じて白膿となって、したたり

落ちるのは脾を温めねばならぬし、火を温めて治らないと腎を温める。腎は骨髄を

主管し白膿は骨髄の異名である。その症勢は顔色が黒く破古紙・当帰・木香・乾薑・

肉桂を使う。白痢に益元散・温六丸・水煮木香元・瀉白安胃散を使う。

温六丸        白痢を治す。
    処方 益元散一剤に乾薑一両を加え作末して、飯で梧子大に丸め白湯で五〇~

       七〇丸呑み下す。

水煮木香元    白痢と淡紅痢を治す。
    処方 乾薑二両、瞿栗穀一両、詞子肉三銭、当帰・白芍薬各二銭半、木香・

       陳皮・甘草各一銭半を作末し、蜜で弾子大に丸め熱い湯で一丸呑む。

瀉白安胃散    白痢を治す。
    処方 蒼朮炒・白芍薬酒沙・蓮肉各一銭、白朮七分半、人蔘・陳皮・白茯苓・

       黄芪蜜炒・当帰酒洗各五分、木香・乾薑炮・甘草灸各三分を作末して水

       で煎じて服用する。

<赤白痢>
冷えと熱が調整されないと白赤はそれぞれ半分になる。薑黒丸を使う。
痢疾であるようで痢疾でないのに茱連丸を使う。
赤白のまざった症は冷えと熱の調整が取れぬので小駐車元を使う。
赤白痢に黄連阿膠元・固腸湯・真人養臓湯・茱連丸を使う。

薑黒丸        赤白痢と蠱症痢を治す。
    処方 乾薑炒・松煙墨煆を等分に作末し、醋煮麵糊で梧子大に丸め、

       空腹時に米飲で一日三回三〇丸~五〇丸づつ呑み下す。

茱連丸(一名黄連丸)赤白痢を治す。
    処方 呉茱萸・黄連各二両を酒で浸して三日おき、それぞれ選んで焙ってかわ

       かし、醋糊で梧子大に丸め、赤痢には黄連丸三〇粒を甘草湯で呑み下し

、       白痢には茱連丸三〇丸を乾薑湯で呑み下し、赤白痢には二つをそれぞれ

       三〇粒づつ甘草乾薑湯で呑み下す。

小駐車元      赤白痢を治す。
    処方 黄連三両、阿膠珠一両半、当帰一両、乾薑五銭を作末して醋糊で梧子大

       に丸め空腹時に三〇~五〇丸呑み下す。

黄連阿膠元    赤白痢と熱痢を治す。
    処方 黄連三両、赤茯苓二両を作末し水で調合して阿膠炒末一両と梧子大に丸

       め米飲で三〇~五〇丸を空腹時に服用する。

固腸湯        赤白痢を治す。
    処方 罌栗穀醋炒二銭、白芍薬一銭半、当帰・甘草灸各七分半、陳皮・詞子・

       乾薑各五分、人蔘・木香各三分を水で煎じて空腹時に服用する。

真人養臓湯    赤白痢と痢疾を治す。
    処方 罌栗穀一銭、甘草九分、白芍薬八分、木香・詞子六分、肉桂・人蔘・

       当帰・白朮・肉豆蔲各三分を水で煎じて空腹時温服する。