抄出 丹呉ますみ
木の命知り尽くしたる鑿の技滅びし狼の声も聞こえ来る 石山 宗晏
裸木になりゆく沙羅の木の下に薄紫のサフラン咲きおり 柊 明日香
冬支度終へて窓辺に微睡めば晩秋(あき)の陽射しの温もりやさし 犬飼 蕃
ポストへの道に犬曳く人と会ひ言葉交せり無言の日暮れ 佐藤嘉江子
ビリビリと凍れる音の利鎌月輝きてわが犬を照らせる 赤江 紀子
木の命知り尽くしたる鑿の技滅びし狼の声も聞こえ来る 石山 宗晏
裸木になりゆく沙羅の木の下に薄紫のサフラン咲きおり 柊 明日香
冬支度終へて窓辺に微睡めば晩秋(あき)の陽射しの温もりやさし 犬飼 蕃
ポストへの道に犬曳く人と会ひ言葉交せり無言の日暮れ 佐藤嘉江子
ビリビリと凍れる音の利鎌月輝きてわが犬を照らせる 赤江 紀子