かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

五首合評 2013年11月号2

2013-12-25 11:51:18 | 仲間の歌
                         抄出 柊 明日香

ワンコインでお釣りの出づる日替はりのランチを食ふため同志は並ぶ  桑原憂太郎

言葉もて傷つけし故言葉にて癒すほかなし言葉は凶器         反怖 陽子

憂きことの積れば長生き出来るとや友の助言に励まされおり      神林 正惠

幾十万の流浪の民を抱えいる国が呼びたる祭とは何          西勝 洋一

新聞の死亡広告気になると教え子笑顔で吾に告げたり         國忠りょう
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2013年12月歌会の歌

2013-12-25 11:48:50 | 仲間の歌
ふるさとは暗く沈んだ遠いとこ霜降る道を歩めど行けぬ        安藤のどか

見下ろせば渓流は黒く蛇行して雪の集落に朝影の差す         石山 宗晏

朝餉時吾娘(あこ)が一言「行きたいなぁ今日は温泉協和温泉」      智理 北杜

のつそりと角を曲がりてバスが来るダウンコートと冬靴のせて     清水紀久子

親指のあかぎれ痛し墜落す米軍ヘリの記事も読めざる         鎌田 章子

晩秋の疎林の向こうに青い空雲をうかべて近くに見える        山田恵美子

“ふらりーと”小路えがきし君の絵の提灯ぬくけし行きたくなりぬ    春田 俊子

行いをたしなめくるる人もなく自由の日々のかかる淋しさ       神林 正惠

シンビジューム蜜のしづくを溜めにつつ静かに咲けり冬の窓辺に    井上 敬子

月めくり一枚残し振り返る今年の出来事もう忘れてる         上野 節子

三十枚の喪中葉書を見詰めつつ吾の齢と重ねていたり         柊 明日香

しみじみと今まで生きてありつるは人との出合い有難きかな      清水 佳子

買い物袋下げて見上げる青空に夕焼け雲が流れてゆくよ        西勝 洋一

子犬のメイ 息子家族の第三子ごと尾を振り寄り来やわらに扱う    白岩 常子
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