かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

9月歌会詠草

2006-09-17 21:32:43 | 仲間の歌
根つめる勿れと口酸く言いくるる近く住む子の肩の荷となり   煙山久仁子
ひのえうまと言う語のありきその年に生れし娘が孫見せに来る  吉川さとる
月の夜は桃源郷を恋ひゆかな穢土の木の実も甘やかなれど    安藤のどか
どんな刃で削りしものか老母の鉛筆の芯長く反り打つ      石山 宗晏
余世は歩巾をせばめゆっくりと妻と一諸の風の旅人       荒井与志男
ひんやりとビル建ち並ぶ歩行路を歩みゆく背に聴く秋の風    太田 朱美
しんしんとひとひらの昆布がしみいでてお鍋の中の海にただよう 柊 明日香
果樹園の名もなつかしき 十五年住みたる町の巨峰のとどく   香月千代子
かまえなく「日本沈没」観て帰るわれに重たき夕闇せまる    田村 睦子
ちぎれ雲遠く夕陽を浴びてをりふたたび死産すむすめ訪ふ路   鎌田 章子
見も知らぬ町への旅にこころ急くひつそりと秋の迫る気配に   松倉美知子
貧弱なヒマワリ五本並び立つ八月晦日の晴天の下        幕田 直美
わすれてもいい約束をくり返す水にとうふの浮力沈めて     柳澤 美晴
なにげない夜が愛しい 一人行くアンダーパスにも届け月影   智理 北杜
藤棚の小暗きあたりもとおれば悔恨の情日々に新し       西勝 洋一
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

短歌研究新人賞

2006-09-16 22:23:13 | 仲間の歌
かぎろひに時折参加してくれている柳澤美晴さん(未来)が、短歌研究新人賞次席を受賞。短歌研究新人賞受賞の野口さんと互角で、どちらが受賞しても不思議はないと馬場あき子、岡井隆、高野公彦ら選考委員が話しています。素晴らしいですね。
柳澤さん、おめでとうございます。
とても楽しみな歌人と学んでいる事を私達は喜んでいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かぎろひ九月 五首合評

2006-09-16 22:13:25 | 仲間の歌
かぎろひ九月号五首選 柊明日香選

  ああ今に生れて良かった肉食の恐竜戦うテレビ遠目に       反怖 陽子
ジュラシックパークや恐竜のCGを見ると、かなり恐ろしい。テレビを遠目に見るのは恐ろしいからか、家事をしながらの片手間に見ているのか。

  薫風の大路に出れば午後五時の街は幸あるごとく輝く       西勝 洋一
午後五時の街が決まっている。幸あるごとくとと言うことはそうではない事も多いのだろう。

  通勤の十分間に上げてきたテンションのまま交わす挨拶      泉山 和美
通勤時間十分、その間に目一杯テンションをあげてくる。そのテンションのままで挨拶を交す。仕事の顔に変えてくる時間でもある。
 
  止みどなき春の長雨見やりつつオレンジペコの箱を開けたり    早坂 信子
オレンジペコは香りのよい紅茶の銘柄。長雨の家に篭っているとき紅茶の缶を開けて気分転換をする作者。

  猫にのみやさしき言葉かけてゆく子のYシャツを洗濯機に放つ   香月千代子
男の子はだんだん無愛想になってくる。猫に声をかける時は優しいくせに、母親の私にはちっとも優しい言葉をかけてくれないじゃないか。Yシャツを洗濯しアイロンをかけてあげているのに…。だからYシャツは洗濯機に放り入れておく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全旭川短歌大会

2006-09-14 22:03:52 | 旭川歌人クラブ
10月29日(日)13時より 全旭川短歌大会が開催されます。ぜひ御参加下さい。
参加される方は 近詠1首を下記に送付してください。(〆切り10月3日)
旭川市1条18丁目52ロジェ・エスト904岩井様方
井山 一文 宛

歌会参加費500円 懇親会参加費3,000円(希望者) 記念写真1,000円(希望者)

たくさんの方のご参加をお待ちしています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする