かぎろひのうた

無系譜の短歌集団として50年の歴史をもつかぎろひ誌社に参加して、かぎろひ誌社と旭川歌人クラブの活動をお知らせしたい

5首合評の歌 09年7月号1

2009-07-20 21:50:24 | 仲間の歌
     抄出   煙山久仁子

詩語ひとつ夢に現にまろびいて共に墜ちなむ眠りの壷へ        早川 照子

緊張と弛緩のポーズくりかへししなやかになる心と身体        香月千代子

テレビ視て流す涙はそれでいいドラマ終れば済むものだから      中澤 直子

共産党、公明党が微笑み合うお向かい同士の庭の看板         西勝 洋一

わが作る山菜煮びたしが摩訶不思議「男の食彩」に入選の夢      石山 宗晏
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09年7月 歌会の歌

2009-07-20 21:48:54 | 仲間の歌
雨風に打ちつけられし農園に黒ずむ苺狩られぬままに         松倉美知子

静寂が静寂を生む夕まぐれ大き紫陽花の淡く色づく          石山 宗晏

ルピナスの匂ふ小川を渡るとき少年少女のこゑの顕ちくる       香月千代子

星々にいのちはいくつチャレンジャーきみの出発を恒星とし見む    鎌田 章子

入籍をしたとの便り富士山の見える街より来たり 幸あれ       西勝 洋一

のざらしの捨て子のごとき孤にありて拙き性は天を見上げり      蒔田 明嗣

虎杖も蕗も蓬も伸び盛り 嫉妬は吾の生命の糧            智理 北杜

身に沁むる悲喜こもごもの六月に執着すれど華月も半ば        煙山久仁子

裏庭の松もつつじも亡夫愛でし西陽木漏れて面影映る         久保田一恵

遠き日に甥がつけたる眉の傷思いだしおり祝儀の席に         柊 明日香

梅雨さむし端無く見つく庭先の青きもみじに赤き花咲く        早坂 信子

夕昏がふかき愁ひに吐息するカウンセラー君 きみの出番だ      安藤のどか

きれいごと並べてみても知ってるぜ社長に取り入り出世した奴     吉川さとる

青春の人のひとりは星となり歌をのこして地表を去った        利根川 凛
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