下手のチェロ好き

気づけばチェロ歴7年目に入った、アラフォー女子。
上達しない理由を息子や仕事のせいにする、言い訳日記です。

チェロコングレス2日目2

2011-02-14 11:06:53 | cello
チェロアンサンブルコンサート開演。
1階席後方にて、観賞。

才能教育の生徒さんたちの演奏。
小さい子が頑張っている姿を見ると、涙が出そうになる。
親御さんだったら、感無量なのだろう。
そう言うと「孫だと、もっともっとそう思うんだよ。」という年配の男性。
なるほど。

プロの演奏。
美しいです。
人数が少なくても、後方まで音が飛んでくる。
なかでもアンダンテカンタービレは大好きなので、聞き入りました。
あんな風に、高音でハモってみたい。

そして、本番。
てっきり楽屋裏をぬけて待機かと思いきや、休憩歓談中のお客様たちの間をぬって、ステージ脇へ。

ステージに立って。
あれ?ゲネプロの時と眺めが違う?
あれ?さっきより譜面台が低い?
すべては私の心の動揺がなせるわざ、客席が圧迫感ははないけれど、とても近く見える事、ライトの熱さからめがねが何度もずり落ちました。

ヒムヌス。
直前まで1パートの方はボーイング変更があり、大変だったと思います。
隣が1パートの方でしたので、よく聴こえてきましたが、そんな事は微塵も感じさせない演奏に寄り添うように弾きました。

レリジオーソ。
チェロアンサンブルでは、もう何回も弾いてきた曲です。
美しいけれど、それに演奏者が酔ってしまうと、抑揚のないつまらない曲になってしまう。
そこを指揮の祐ノ介先生がしっかり引き締めてくださいました。

シャコンヌ。
私の座席の位置からでしょうか、本当にいろいろなパートの音がよく聴こえました(自分が違う弦を触ってしまっているのも、本当によく聴こえまして)。
この曲を弾いていると、「ルールルー」という歌声が聴こえてくる時があるんですね。
サントリー大ホールに入ってからで、もちろん合唱団なんていないのですけれど。
この曲から(私の中では)、嘆きや哀しみといった感情が伝わってくるのですが(友人は懺悔だと言っていました)、それを救済しに来てくれた何かがいるのかなと思いながら、弾いていました。

移動後、サルダナ。
プロの方の真後ろ。
この曲に限らずですが、指揮者のみならずトップの方のボーイングをみて、目から鱗が落ちる瞬間が何度もありました。
魔法が解けないうちに、吸収したい、そんな気持ちで凝視していました。

それまで抑えていた分を(もちろん抑えるところは抑えるんですけれど)、この1年間の思いをサルダナにぶつけました。
この曲を楽しめる時が来るなんて、思わなかった。
向き合った甲斐がありました。
最後の開放弦のドに、すべてを叩きつけ、解放。
1年前この曲で泣いた私が、この曲で最後に笑う事ができました。

ラシーヌ。
他のチェロの音はよく聴こえるのですが、パイプオルガンだけは、「ピロピロピ」という単音しか聴こえていませんでした。
是非客席で聴いてみたかった曲でした。

そして、アンコールの雷神。
この譜面だけは後から来た事、苦手なトリルが多い事、速い曲だという事から、ちょいと苦労した曲でした。
アンコールの曲で苦労しているとは書きづらかったので、触れませんでしたが。。
祐ノ介先生の言う通り、笑顔を心がけましたが、お客様にも楽しさが伝わりましたでしょうか。

終了。
ああ、ここまでいっぱいいろいろあったけれど、頑張ってよかった。
無理してでも出てよかった。
本当にみなさん来てくださってありがとうございました。
なんだか、何度も何度も頭を下げていたような気がします。

そして退出時、偶然山崎伸子先生の後ろになったのですが、先生が私の方を振り返ってニヤリ…
先生、もしかして、私の事覚えてらっしゃるる?…

つづく