歌舞伎学会事務局

歌舞伎学会の活動を広報します.

書籍紹介『歌舞伎―研究と批評』第2号

2013-01-29 09:24:56 | 書籍紹介
『歌舞伎―研究と批評』第2号は、学会創立一周年を迎えた昭和63年(1988年)12月15日に刊行されました。

巻頭には、展示会「歌舞伎と人形浄瑠璃―華麗なる劇場(こや)」での杉本苑子氏の講演を収め、特集にはこの年4月に逝去した十七代目中村勘三郎の追悼記事が組まれています。諸氏の力の入った追悼文の他、各々の思う名舞台を上げる三絶アンケート、初舞台からの演目・役名を網羅した年譜も掲載されています。舞台批評は5月から10月まで。





興味深い諸氏の選ぶ三絶アンケート↓


そして、舞台写真には納得の三役↓


こちらの在庫はまだありますので、購入希望の方はkabukiga02@mail.goo.ne.jpに御連絡下さい。

書籍紹介『歌舞伎と人形芝居―華麗なる劇場(こや)』

2013-01-24 09:00:20 | 書籍紹介
これは「学会の歩み〈創立の頃〉」で触れました「東京国際演劇祭'88池袋」の記念展示会の図録です。
事務局でしか販売しておりませんが、イベントや大会に出店すると必ず数冊はご購入いただいているロングセラーです。

「お国歌舞伎」から「元禄歌舞伎」への展開を豪華な屏風や絵巻で辿り、人形芝居の正本や頭、役者錦絵や絵看板など多数の写真が掲載され、入門書としても価値ある一冊となっています。
早稲田大学演劇博物館所蔵や国立劇場所蔵の品のほか、一般の入門書などではあまり見ることのできない個人蔵の屏風や掛軸が多数収められており、当時の展示会の充実ぶりが感じられます。



巻頭に収められる愛知・世尊寺所蔵の「京名所遊楽図屏風」(部分)


イベントで見かけた際には、是非お手に取ってご覧下さい。価格1,000円で販売しております。

書籍紹介『歌舞伎―研究と批評』創刊号

2013-01-21 14:57:47 | 書籍紹介
『歌舞伎―研究と批評―』創刊号は、昭和63年(1988年)8月8日に、リブロポートより出版されました。
多くの学術団体の学会誌は会員のみに配付され一般の目に触れる機会が少ないのですが、開かれた学会を目指していた歌舞伎学会の学会誌は、創刊当初から全国の書店で一般発売される形で発行されています。

巻頭には、「歌舞伎学会の歩み」でも紹介しました設立総会での木下順二氏の講演「歌舞伎とドラマ」が収録されており、劇作家の目から、非論理的な台詞を持つ歌舞伎と、論理的な台詞で構築されるヨーロッパの古典劇とを比較することで歌舞伎台本の特質を照らし出す「雑談」は、現在の歌舞伎研究にも大きな示唆を与えてくれています。

特集「現代歌舞伎の問題点」には、学会創立以前の昭和61年(1986年)9月に行われた分科会「歌舞伎を考える会」でのシンポジウムが載録されているほか、1月から4月の舞台批評、作品研究、翻刻、座談会と、まさに「研究と批評」のタイトルに恥じない充実した内容になっています。この時の座談会「新しい歌舞伎史を求めて」は、創刊号を第一回として第12号まで続けられ、創立十周年を記念して出版された『歌舞伎の歴史―新しい視点と展望』(平成10年・雄山閣出版)にまとめられました。





現在と大きく異なっているのは、八頁にわたる舞台写真が掲載されている点。
ほんの一例↓↓


手元に置いていて惜しくない一冊ですが、残念ながら販売用在庫は事務局でも品切れです。
ご興味を持たれた方は、どうぞ図書館等でご参照ください。

歌舞伎学会の歩み〈創立の頃〉

2013-01-17 08:13:24 | 学会の歩み
平成24年は、歌舞伎学会発足から二十五周年にあたりました。その二十五年間の活動記録は、本年8月頃刊行予定の『歌舞伎―研究と批評―』50号に掲載予定ですが、二十周年を記念した41号掲載の「歌舞伎学会活動記録」をもとに、学会発足からの歩みを辿ってみたいと思います。

歌舞伎学会の発足は昭和63年(1987年)12月6日です。設立総会が早稲田大学で開催され、劇作家・木下順二氏による記念講演が行われました。この講演は、翌年8月に刊行された『歌舞伎―研究と批評―』創刊号に収録されておりますので、後ほど別項で紹介したいと思います。

事の発端は、昭和60年(1984年)6月に日本演劇学会で行われた「歌舞伎の現状を批判する」というシンポジウム。そこから「歌舞伎を考える会」という分科会が始まり、二年後の年末、鳥越文蔵氏を代表委員として「歌舞伎学会」が立ち上げられました。

翌63年(1988年)5月に開かれた第一回歌舞伎フォーラムは、なんとラフォーレミュージアム原宿にて開催されています。折しもバブル景気が絶頂期に向かいはじめた頃、国も企業も文化的事業に躊躇無くお金を使っている時期でした。同年8月には池袋東武百貨店の出資のもと、毎日新聞社との共催で「東京国際演劇祭'88池袋」の記念展示会「歌舞伎と人形芝居―華麗なる劇場(こや)」を催し、展示期間中に豪華ゲストによる実演を交えた講演やシンポジウムを行っています。

詳細はこちら↓↓


秋には研究発表を主体とした秋季大会を開催し、12月に『歌舞伎―研究と批評―』第2号を発行しました。

学会誌『歌舞伎―研究と批評―』最新号のお知らせ

2013-01-15 08:36:36 | お知らせ
遅れておりました歌舞伎学会の学会誌『歌舞伎―研究と批評―』48号は、昨年(2012年)12月に発行されました。

「特集―歌舞伎の『大正百年』」では、石橋健一郎氏をお迎えした座談会を、「大会記録」では平成22年(2010年) 12月の秋季大会(於日本女子大学)での武智鉄二演出『東海道四谷怪談』をめぐる座談会を収録しています。


全国の書店、ネットストアでも販売中です。価格2,447円。

また、平成24年中に刊行予定でした『歌舞伎―研究と批評―』49号〈特集―歌舞伎と近世文芸〉は、本年3月に発行される見込みになっておりますので、いましばらくお待ちくださいませ。