ライフ・イズ・ビューティフル

「自分が源泉」ファシリテーター、4nessコーピングインストラクターである弁護士徳岡宏一朗のブログです。

女と男の違いに関する偏見について ジェンダーと性差 あるいは共感と解決

2015年04月23日 | 人間愛

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 今回は異論反論続出でしょうから、コメント大歓迎です。

 冒頭のマンガはヤングコミックというマンガ雑誌に掲載された変形4コママンガで、なんとツイッターでは一か月半の間に今現在6万5千回以上リツイートされている大変な人気ネタです。

 今回の記事はまずこのマンガを見てから読んでくださいね。

 つづき

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 面白い!

 さて、これだけリツイートされるのですから多くの人の共感を呼んだのでしょう。ヒューマニスティック・ファシリテーター(人間性重視の、人道主義の、人間愛に根差したファシリテーター)を目指して最近受講している各種講座の中でも、全く同じ話を聞いたことがあります。

 が、わたくしはこの男女の違いについて全然ピンとこなかったんです。

 だって、男同士の会話も共感が物凄く大事だもん。

 ほら、会社帰りの居酒屋で男同士が愚痴をこぼしあう場面が良くテレビで出てきますが、あれ、全然問題解決しませんよね。

 大事なのは、あの上司がさあ、俺の部下がさあ、うちの会社はさあ、という想いが共感できればいいんであって、不平不満を言い合っていても上司も部下も会社も全く良くなりません。

 でも、共感しあうのって大事だから、毎日毎日愚痴りあっているわけです。

 そもそもさ!

 男が狩猟に出ていたなんて、どこのいつの話なの!?モンゴルでも牧畜だよ。

 だいたい、日本は農耕社会・文化でしょうが。

 もう、縄文時代から1万年以上、日本人は狩猟より農耕してるの!!

 男も女もみんな田んぼや畑に出て農作業をして、家に帰っては一緒に暮らしてきたんですよ。

 女も男もいつ種をまくかとか、水をいつ引き入れるかとか、舅や姑との関係とか子育てとか、女も問題解決は毎日毎日しなくちゃいけないし、逆に男も共感力がなかったら大家族は崩壊、村では村八分になっちゃうっつうの。

 

 

 ところで、それでも男と女の間に違いはあるとして、それが性差とジェンダーとに分けて考えるべきだって意識していましたか?

 ジェンダー(gender)はもともと英語で、一般的にジェンダーは生物学的な性差(sex)に付加された社会的・文化的性差を指します。性差とは生まれる前からの生物学的男女の差、ジェンダーとは生まれてからの育てられ方や求められてきた社会的な役割による差、ですね。性的マイノリティーの方々もここがいろいろ錯綜しています。

 たとえば、2005年に発表された脳の研究によると、左右の脳を接続する脳梁(corpus callosum)と呼ばれる部位の容量は、男より女のほうが大きいのだそうです。

 いうまでもなく人間の脳は左右の半球に分かれ、右半球は感覚や感性あるいは身体にかかわり、左半球は言語や知性あるいはいわゆる理性にかかわっています。

 脳梁の容量が大きいことは、ここが左右の脳のブリッジですから、女のほうが左右の脳のコミュニケーションにすぐれ、すべての問題についての判断力も均衡がとれていることを意味します。

 このような男女の生物学的な差が性差です。

 ところが、この研究者はまた、この脳梁の性差が、ジェンダー差、つまり社会的・文化的な男女の差に表れているかもしれないと示唆しています。

 つまり政治的世論調査などでは、アメリカでも日本でもつねに女は平和志向であり、いわゆるジェンダー・ギャップが顕著ですが、それは種の保存という女に固有の遺伝情報とともに、こうした脳の性差が影響していると思われるというのです。

 まあ、男の人は悔しいかもしれませんが、そういうことです(ただし、脳科学なんて日進月歩ですから、明日はこの研究成果が否定されるかもしれないので、固定観念を持つのは早いと思います)。

ジェンダーの神話―「性差の科学」の偏見とトリック
アン ファウスト・スターリング
工作舎

女性は生まれつき異常という先入観。男性より数学能力に劣り,月経前症候群という病人にされ,更年期には女でなくなる。「科学」の名のもとに定説とされ、 社会的な女性の不平等を招いた神話の数々。フェミニストとして、科学者として、それら性差研究にひそむ偏見と誤謬を冷静に指摘し、混沌に満ちた性差の科学 に新たな指摘を提示する



 さて、では、冒頭に掲げたコミックに描かれた女と男の差は、ジェンダーですか?性差ですか?

 そう、ジェンダーを描いたものですね。狩猟社会では男が外に狩りに行き、女は村を守っているので。。。。。というまことしやかな話ですから、男の会話は解決、女の会話は共感が大事という差が出るというのは、そういう社会や文化に生まれ育ったから出てきた差があるのだという話ですので、ジェンダーのお話ということになるのです。

 ことほどさように、女は子どもを産む性だから云々などと決めつける性差についての予断と偏見、なになにだから子どもを育てるのは女が向いているなどというジェンダーに関する偏見などなど、性差についてもジェンダーについても誤解や偏見が多いと思います。

 ところが、そもそも、この生物学的な差であるセックスと社会的・文化的な差によるジェンダーが意識されないで使われている例が多いのです。

 たとえば、経済誌を多数出して有名な東洋経済新報社の東洋経済オンラインというまともなサイトに

「男と女、大切なものがカラダのどこにあるか? DNAが握る性差による仕事スタイルの違い」

という記事が載っていたのですが、ここにまさに冒頭のコミックと同じことが書いてあったのです。曰く、

多くの人が言っていることではありますが、ボクは「女性と男性の違いは大昔から受け継がれたもの」と思います。女性は、みんなと一緒に協調して村を維持することが役割でした。一方男性は、村の外へ出て獲物を獲得することが役割でした。そんな時代からの「役割のDNA」が引き継がれた結果、ひとつの違いが生まれた。それは、「大切なモノが、体のどこにあるか」です。


 表題は性差の話なのに、中身はジェンダーの話になっていますよね。

 役割のDNAなんて書いてありますが、あのですね、人間のDNAって数千年程度で変わったりしませんからね。ダーウィンが見つけたガラパゴス諸島のゾウガメだって何十万年、何百万年、何千万年も違う島で生活したから島ごとに差ができたんですよ。桁が三つか四つ違います。

 社会的な役割であったジェンダー的なものがひっくり返って、生物学的な性差になるなんてことないですから。

 こういう非科学的な、明らかに真実と異なる「事実」に基づく推論が多いのも、男女の差に関する議論に良く見られることなので注意しないといけません。

 このあとこのコラムはこう続けます。

仕事の相談も同じです。体の中に大切なモノがある女性が相談で求めるのは、まずはSympathy(共感)です。一方、男性は体の外の大切なモノを獲得する生きものですから、Solution(解決策)から入ります。

女性の相談に対して男性は、「そんなの、こうしてこうしてこうしたらいいんだよ(エヘン)」とか「相手も悪いけど、でもキミもこうしたほうがいいんじゃないの?」と、話を遮って解決策を語ってしまいがちです。

それに対して女性が「聞いて欲しかったのに」と怒ってすれ違ってしまうシーン、よくありますよね。女性からの相談があったら、男性はまず聞くことが鉄則です。男性からの相談には、ソリューションを提案する。それが難しいときは、過去の実績とか実力とかを上手に褒めておだてると、元気になってくれる可能性が高いようです。

もちろん、女性も男性も一人ひとり違いがあります。ひとつのパターンでくくってもいけないのですが、仕事のスタイルは男女それぞれの傾向があります。お互い大切なモノの在りかの違いを意識する――。そんな女性と男性のコラボが、これからのビジネスで重要になる気がします。」

女らしさ・男らしさ―ジェンダーを考える (心理学ジュニアライブラリ)

 森永 康子 

北大路書房

「女と男は違う!」というあなた、本当に違っているのだろうか。本当に違うなら、どうしてそんな違いができたのか。「女・男」にしばられずに自分らしく生きていくヒント。



 なんだか説得力がありげです。

 しかし、法律相談は一種究極のコミュニケーションですが、

1 まず共感を持って相談者の話を傾聴し

2 ともに考え、主に法的な観点から解決策を提示する

という両方がないと法律相談にならないわけで、ここ、依頼者の性別に関係ありません。

 また、たとえば、老若男女、誰が相手でも話を遮ってはいけません。

 カウンセリングも同じはずですね。カウンセリングは解決より共感の方が大切な場合が多いでしょうが、それでもそこにクライアントの男女の差はありません。

 今日言いたかったことは、生物学的な性差と社会的・文化的なジェンダーを分けて意識すること、そして両方とも偏見が多いこと。

 共感と解決、どちらも誰に対してでも大事なこと。

 そして、性別や年齢や地域の差よりも個体の差、ひとりひとりの差が大事だということです。

 勝間和代を見ていればわかるように!(完)

 

 

 

 





だいたい、男だから女だから、と安直に言わない本や講座に良いものが多いです。


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