ライフ・イズ・ビューティフル

「自分が源泉」ファシリテーター、4nessコーピングインストラクターである弁護士徳岡宏一朗のブログです。

三井不動産+旭化成だけではなく住友+熊谷組、三菱+鹿島でもあった欠陥マンション事件。「経営品質」とは?

2015年10月24日 | 経営品質

 

 鈴木博さんが代表を務めるシナジー・スペース株式会社経営者研修SEEでは、何度も、経営品質について勉強します。その基本は

1 お客様本位

2 独自能力

3 社員重視

4 社会との調和

ということなのですが、4の社会との調和というところに来るたびに、東芝の不正会計とか、フォルクスワーゲンの排ガス規制不正とかが頭に浮かび、

「良い会社が大きくなるとは限らないのだろうか」

という疑問が生じます。

 

 

 

 さて、賃貸マンション派(買えなかっただけとも言う)の私がある意味大きくうなづいたのが、旭化成の建材を使った三井不動産の欠陥マンション傾斜事件です。

 横浜市都筑区にある「パークシティLaLa横浜」。

 2006年に販売を開始した、全4棟705戸の大型マンションで、4棟のうち西棟で傾きが発見されました。

 このマンションで、打ち込みが足りない8本の杭が発見され、さらに施工データが偽装された杭が多数見つかったという事件です。




 販売主は三井不動産レジデンシャル。施工の元請けゼネコンは三井住友建設ですが、問題の杭打ちを行ったのは、下請けの旭化成建材で、偽装を行ったのも、旭化成建材の担当者だったことが判明しました。

 実は私も弁護士駆け出し時代に欠陥住宅問題をやったことがありまして、地盤の基礎に木くずなどを入れられてしまって傾きだしたそのおうちでは、こたつのテーブルにビー玉を置くとコロコロと動きだし、一家4人で寝ていると、朝起きると全員が部屋の片方に集まっているという酷さで、私が不動産を購入するのをためらう原点になりました。

(交渉の結果、業者に全額払い戻させて、依頼者のご家族は無事引っ越されました)。

 

 ところで、欠陥マンション問題は頻発しており、2014年6月には、住友不動産が横浜市西区で2003年に分譲した「パークスクエア三ツ沢公園」(施工は熊谷組)で、やはり杭が支持層(地中にある固い地盤)に届いていなかったことが発覚しています。

 

 さらに、その半年前には、三菱地所グループと鹿島がタッグを組んだ南青山の億ションで、ずさんな配管工事が行われていることが、完成間近になって内部告発によって明らかになりました。

 三井、住友、三菱と旧財閥系総崩れ。大手デベロッパーの物件だから大丈夫、といった期待は全く通用しないことがわかります。

 

 しかも、三井不動産側は「うちの社員ではない」と旭化成建材に罪を被せようとしていますし、旭化成建材の前田富弘社長は

「何らかの不良を隠すため、悪意を持って」

として、現場責任者がやったことだと、一人の人間のせいにしようとしています。

 けれども、

「三井不動産はとにかく下請けを叩く。超一流のブラン ドを看板に、コストをどんどん削って二次・三次に至るまで下請けを締め上げます。

お客さんは『三井だから良い素材と良い人材で作っている』と思っ ているかもしれないが、そういう思いに胡座をかいて値段を吊り上げているだけです」

という声もあります。

 

 ほんの数年前まで、公共工事の激減によって仕事が足りず、建築業界は仕方なく安値で受注していたのですが、儲からない仕事の最たるものの1つがマンションで、ゼネコン業界では

「マンション工事には、ずさんな現場がありうる」

と言うのは公然の秘密です。

 ただ、今回の手抜き工事には、

「よりにもよって、建物の基礎に当たる杭打ちでずさんなことをするなんて……」

という声はあります。

 なぜなら、タイル貼りや配管工事で多少手を抜いても、致命的な問題には発展しにくいのですが、杭打ちで手を抜いてしまえば、今回のように建物が傾くなど、いずれ大問題に発展する可能性があることは、誰にでもわかることです。

 

 やはり杭に問題があった住友不動産のマンションも建て替えが検討されたが、いまだに実現はしていないそうです。

 ただ、住友も三菱も購入者には手厚く補償をしたようで、大手デベロッパーの物件だからといって欠陥マンションではないという保証はまったくないけれども、何か起きた場合の対応には、それなりのものが期待できるということは言えます。

 ところで、こうした問題物件をいかにして避けるかですが、新築マンションで完璧に欠陥を見抜くのは、ほぼ不可能というのが実情で、一戸建てであっても、専門家による検査によって、ある程度はチェックできても、今回のような意図的な改ざんまでもを見抜くのは非常に難しいと言われています。

 むしろ、中古で、ある程度の年数が経った物件の中から、丁寧に見極めていいものを選んだ方がむしろ安全だそうです。

 でも買ってしまったら、お隣に凄い人が住んでいたり、引っ越して来たり、いきなり近所に凄いものが建ってしまったら、取り返しがつきません。

 というわけで、私は気楽な賃貸マンション暮らしを続ける所存です。

 

 

 さて、最初の、経営品質と社会との調和についてですが、社会と調和という観点では名高いジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長などを務めた新将命氏が「そもそも経営者にふさわしい人材像を多くの人は誤解している」と言っています。

   「『能力はあるけど理念や倫理観がない人』と、『能力はないけど理念や倫理観がある人』のどちらが経営者として優れているかといえば、実は 後者です。

 能力は経営者としての経験を積めばおのずとついてくる。

 片や、理念や人間性は、その人の生きてきた証だから、一朝一夕には獲得できない」

 しかし、会社はあくまで営利企業です。

 問題は、営利性追求の中で、理念や人間性のある人材が大会社で経営者になる仕組みが作れるかどうか。

 かつては銀行の顧問をやったこともありますが、やはり、中小企業の方が私には性に合っているのかなという気がします。

 


三井不動産OBがバラす「ブランドに胡坐かいて手抜き」下請け締め上げコスト削り

2015/10/23 15:23

   業界最大手の三井不動産レジデンシャルが販売した横浜の「パークシティLaLa横浜」のウエストコースト(西棟)が、基礎工事の施工不良 のため傾いてしまった騒動は、決して他人事ではない。このマンションを購入した動機は三井というブランドを信頼してというのが一番多いが、ご多分に漏れ ず、施工主は三井住友建設、欠陥杭の打設を担当したのは下請けの旭化成建材と、責任を下に押し付ける構図だ。

   旭化成建材の前田富弘社長は「何らかの不良を隠すため、悪意を持って」現場責任者がやったことだと、一人の人間のせいにしようとし、三井不動産側は「ウチの社員ではない」と建材に罪を被せようとしている。

   だが、三井不動産の体質にこそ問題ありだと『週刊文春』で同社OBがこう語っている。<「三井不動産はとにかく下請けを叩く。超一流のブラン ドを看板に、コストをどんどん削って二次・三次に至るまで下請けを締め上げます。(中略)お客さんは『三井だから良い素材と良い人材で作っている』と思っ ているかもしれないが、そういう思いに胡座をかいて値段を吊り上げているだけです」>

   『週刊新潮』は欠陥マンションを買ったために悲劇に襲われた人たちをインタビューしているが、語るも涙、聞くも涙である。2005年に耐震偽 装が発覚した「グランドステージ住吉」(東京都江東区)の元住民・花岡剛史氏(53・仮名)は、当時、江東区から退去勧告が出されたが、4000万円から 8000万円の物件を買ってローンを組んでいる人が多いため、新しく買うなんてできはしない。区と話し合って、仮住まいの費用の一部を出してもらっただけ で、どうしていいか皆目見当がつかなかった。

   施工側の「ヒューザー」はあっけなく破産。そこで、更地になった跡地にマンションを建てるために、銀行と掛け合ってローンの支払いを待ってもらい、新たに融資を頼み込んだという。

   当座の資金にも困って、部屋の玄関やトイレを外して中古業者に売ったそうだ。2年後に新たなマンションが建ったが、かかった費用は元のマン ション価格の5割程度。<「4000万円の部屋に住んでいた人なら2000万円。5000万円なら2500万円を支払うことになった」(花岡氏)>。ロー ンが払えず夜逃げした人やマンションができるとすぐに売り払った人もいるという。

   民間ではなく、国が建てた物件でもとんでもない目にあったケースがある。UR(都市再生機構)が分譲した八王子の「ベルコリーヌ南大沢」がそ れだ。売り出し価格は5000万円から7000万円だというからかなりの値段である。だが、<「新築なのに雨漏りがひどくて、押し入れの布団は台風が来る たびに水浸し。あるときなどは、壁板を外してみると滝のように水が内壁を流れているじゃありませんか」(元住人の国本裕美さん・60=仮名)>

   国本さんは建て直しか購入時の価格で買い戻しを求めたが、URはともに拒否。仕方なく10年後に半値で引き取らせたそうだ。

   このようなケースは枚挙にいとまがない。先の旭化成建材は杭工事をした全国3040件の内訳を公表したが、具体的な物件名は示さなかったため、騒動は収まるどころか不安はさらに広がっている。

   週刊文春では欠陥マンションを買わないための「10の鉄則」を紹介しているが、マンション購入を考えている人は必読である。

なぜ続く?大手企業の不祥事「能力のない経営者」だからか、「倫理観ない経営者」だからか

   このところ、東芝やVW、三井不動産、旭化成などの大企業で不正が次々に明るみに出ているが、『週刊現代』は巻頭で「大企業のトップ13人が 実名で明かす『東芝&VW事件』私はこう見る」という特集を組んでいる。その中で、私には納得しがたい発言があるので紹介しておきたい。

   ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長などを務めた新将命氏は、「そもそも経営者にふさわしい人材像を多くの人は誤解している」といっている。そして経営者にふさわしいのは次のような人間だというのである。

   <「『能力はあるけど理念や倫理観がない人』と、『能力はないけど理念や倫理観がある人』のどちらが経営者として優れているかといえば、実は 後者です。能力は経営者としての経験を積めばおのずとついてくる。片や、理念や人間性は、その人の生きてきた証だから、一朝一夕には獲得できない」>

   いわんとしていることは分かるが、能力は経営者の経験を積めばおのずとついてくるというのはどうだろうか。私はちっぽけな週刊誌編集部を率い たことがあるだけだが、能力は生まれ持ったものか、その人間が相当な努力をして磨いてきたものである。編集長になってから、統率力や編集部がどうあらねば いけないかという理念や倫理観みたいなものは取得できるが、能力はそんな短期間ではつかないと思う。

   不祥事を起こした会社に共通しているのは、責任の所在をハッキリさせなかったことや、それをトップに上げることができなかった組織に問題が あったのだが、そんなことはどの会社にでもある。ということは、これからも同様の不祥事が次々に起こるということである。大きな組織は頭からも尻尾からも 腐るのだ。

 

「大手なら安全」は通用せず 
三井不動産だけではない欠陥マンションの恐怖

専門家も首を傾げる
旭化成建材のお粗末な改ざん

 横浜市都筑区にある「パークシティLaLa横浜」。2006年に販売を開始した、全4棟705戸の大型マンションだ。この4棟のうち、傾きが発見された西棟では、打ち込みが足りない8本の杭が発見された。このほかにも、施工データが偽装された杭が多数見つかった。

 販売主は三井不動産レジデンシャル。施工の元請けゼネコンは三井住友建設だが、問題の杭打ちを行ったのは、下請けの旭化成建材。偽装を行ったのも、旭化成建材の担当者だったことが分かっている。

 欠陥マンション自体は、残念なことに決して珍しいことではない。

 たとえば、昨年6月には、住友不動産が03年に分譲した「パークスクエア三ツ沢公園」(施工は熊谷組)で、やはり杭が支持層(地中にある固い地盤)に届いていなかったことが発覚。さらに、その半年前には、三菱地所グループと鹿島がタッグを組んだ南青山の億ションで、ずさんな配管工事が行われていることが、完成間近になって内部告発によって明らかになった。

 大手デベロッパーの物件だから大丈夫、といった期待は見事に通用しない。最近でこそ、建築需要が復活してきており、ゼネコン業界では無謀な価格での工事請負を避ける風潮が広がっているが、ほんの数年前まで、公共工事の激減によって仕事が足りず、仕方なく安値で受注して糊口をしのぐ傾向が蔓延していた。そうした“儲からない”仕事の最たるものの1つがマンション。ゼネコン業界関係者が「マンション工事には、ずさんな現場がある」と口にするゆえんだ。

 改ざんの動機は、今後の調査結果を待たなければならないが、コスト削減が動機の1つだったのではないかと推測されている。杭打ちの際、事前に想定した杭よりも長い杭が必要になった場合、新しい杭を用意しなければならない。杭自体はさほど高額なものではないが、新しい杭を準備するとなると、時間がかかる。また、三井不動産レジデンシャルや三井住友建設にどの程度責任があるのかも、今後の調査を待たなければならない。

 今回の手抜き工事には、「よりにもよって、建物の基礎に当たる杭打ちでずさんなことをするなんて……」(別のゼネコン関係者)と、驚きの声も上がった。タイル貼りや配管工事で多少手を抜いても、致命的な問題には発展しにくい。言い方は悪いが「バレなければOK」と考える現場担当者がいても不思議ではなく、前述の三菱地所のマンションは「あのまま引き渡してしまっていれば、今もバレてないのでは」(別の業界関係者)。

 しかし、杭打ちで手を抜いてしまえば、今回のように建物が傾くなど、いずれ大問題に発展する可能性があることは、さすがに分かっていたはずだ。
建て替えは茨の道か
せめてもの救いは補償の充実

 立地の難しさもあったようだ。「『パークシティLaLa横浜』は、南側に川が流れており、砂や泥が堆積した土地と、北側の堅めの地盤の境目に建っています。つまり、柔らかい地盤と固い地盤が混在している。こういう土地は、気をつけなければいけないのです」(マンション管理コンサルティングなどを手がけるさくら事務所の長嶋修会長)。

 武蔵野台地の上のような、強固な地盤の土地ならば、杭は短くて済む。一方、湾岸エリアならば40~50mの杭は当たり前で、地盤改良にも力を入れる。しかし今回のケースのように、どっち付かずの土地の場合、判断には慎重を要するのだという。

 いずれにしても、建物の基盤に大問題があるということで、いまさら直すのは難しい。三井不動産側は全棟建て替えも検討しているが、既に入居してしまったマンションの建て替えは、住民の合意を取るのが非常に難しい。引っ越ししたくないと考える人もいるものなのだ。

 やはり杭に問題があった住友不動産のマンションも建て替えが検討されたが、いまだに実現はしていない。「住民には、購入価格から住宅ローンの金利、登記などの初期費用に至るまでの手厚い補償が提示され、既に引っ越した人もいるようだ」(不動産業界関係者)。三井不動産の場合も、こうした補償メニューを用意し、残りたい人と、出て行きたい人に分かれる可能性の方が高い。

 補償の点では、大手デベロッパーには、安心感がある。三菱地所もやはり、購入者には手厚く補償をした。大手デベロッパーの物件だからといって欠陥マンションではないという保証はまったくないが、何か起きた場合の対応には、それなりのものが期待できるということだ。もっとも、実際の費用はゼネコン以下が負担させられるのが常。今回の事件であれば、三井住友建設と旭化成グループだろう。

 「4棟すべて建て替えるなら、取り壊しと新たな建設費用合わせて280億円程度でしょうか。引っ越し代や、2年半~3年ほどかかるであろう、仮住まいの間の家賃などを負担するとなれば、さらにコストはかさみます」(さくら事務所の長嶋会長)。
欠陥物件を新築時に見抜くのは不可能
中古の方がむしろ安心

 建て替えないで住み続ける選択をした場合、中古価格の下落はもちろんのこと、今後さらに傾きが進む可能性があることも覚悟しなければならない。いずれにしても、住民は苦しい選択を迫られることになる。

 気になるのは、こうした問題物件をいかにして避けるかだが、「新築マンションで完璧に欠陥を見抜くのは、ほぼ不可能です」(さくら事務所の長嶋会長)。一戸建てであっても、専門家による検査によって、ある程度はチェックできても、今回のような意図的な改ざんまでもを見抜くのは非常に難しい。マンションの場合、入居前に住民が集まって専門家に検査を依頼するのも現実的ではないし、さらにハードルは高くなる。

 むしろ「中古で、ある程度の年数が経った物件の中から、丁寧に見極めていいものを選んだ方が確実です」(同)。日本ではいまだに“新築神話”が根強いが、CMやブランドイメージといった表面的な情報ではなく、住宅そのものを冷静に選別したければ、中古物件の方がむしろ安全だ。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)



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