東京でカラヴァッジョ 日記

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変容する名画 ー【その2】「ボテロ展 ふくよかな魔法」(Bunkamuraザ・ミュージアム)

2022年05月06日 | 展覧会(現代美術)
ボテロ展 ふくよかな魔法
2022年4月29日〜7月3日
Bunkamuraザ・ミュージアム
 
 南米コロンビア出身の現役の美術家、フェルディナンド・ボテロ(1932〜)の個展。
 
 その2として、6章「変容する名画」の13点のうち、撮影可能な8点中7点を画像とともに記載する。
 
 
ボテロ《ピエロ・デッラ・フランチェスカにならって》2点組
1998年、各204×177cm
オリジナルのピエロ・デッラ・フランチェスカ
《ウルビーノ公夫妻像》
ウフィツィ美術館
 
 なんと、2点組で反転させている!
 仕方がないので、気が進まないながら、オリジナル名画のほうを反転させて比べる。
 
 総じて、忠実ですね。
 ただ、もしウルビーノ公の顔の右の半面を描いているのだとすれば、様子の異なる容貌であってしかるべきなのだが。
 
 
 
ボテロ《ホルバインにならって》
2016年、156×120cm
オリジナルのホルバイン
《エドワード6世の肖像》
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
 
 どちらも1歳頃にしては貫禄のある可愛さ。
 
 
 
ボテロ《アングルによるモワテシエ夫人にならって》
2010年、161×137cm
オリジナルのアングル
《イネス・モワテシエ夫人の肖像》
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
 
 美しい婦人像から胸毛付きの女装おじさん像へ・・・、何も言えない。
 
 
 
ボテロ《フォルナリーナ(ラファエロにならって)》
2008年、198×143cm
オリジナルのラファエロ
《ラ・フォルナリーナ》
バルベリーニ宮国立古典絵画館
 
 痩せ型とぽっちゃり型とどちらがタイプですか?
 ではなくて、腕輪は丸々とさせずにオリジナルの大きさだから、位置がズレてしまった、まあ指輪にならなくて何より。
 
 
 
ボテロ《ルーベンスと妻》
2005年、205×173cm
オリジナルのルーベンス
《ルーベンスとイザベラ・ブラント》
アルテ・ピナコテーク
 
 新婚カップルとその十数年後?
 
 
 
ボテロ《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》
2006年、205×165cm
オリジナルのファン・エイク
《アルノルフィーニ夫妻像》
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
 
 部分図で比べる。
 
 
 あれ? 鏡の中に画家の姿がない!
 だから、画家のサインもない!
 シャンデリアは市販品に!ロウソクの数が増えたのは、(誕生日ケーキではないが)それだけ年月を重ねたのかも。
 
 
 
 履き物、オレンジもふくよかに・・・。
 犬はそうでもないけど、犬種が変容したようだ。
 
 
 
 なんとも、楽しい変容!
 
 
 
 さて、本展では、第6章「変容する絵画」の一部作品に限り写真撮影が可能だが、期間限定で、展示室内の全作品の写真撮影が可能になるとのこと。
 
・5月中の金・土曜日の17時〜21時(閉館)
 対象日:計8日間(5/6、7、13、14、20、21、27、28)
 
 じっくり見たい人はその日時は避けた方が良いかも。
 
 
 本展は、東京のあとは、名古屋と京都に巡回する。


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