東京でカラヴァッジョ 日記

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【画像】2024年6月の「インド細密画」は「ヒンドゥー教の神々」(東京国立博物館東洋館常設展示)

2024年06月20日 | 東博総合文化展
 2023年の府中市美術館の展覧会により、「インド細密画」に少し関心を持った私。
 
 2024年1月から、東博の東洋館の地下1階、一番奥の13展示室に常設展示される「インド細密画」鑑賞を始める。
 概ね1ヶ月単位で展示替えが行われるようであり、今回は6度目の鑑賞。
 
 今回鑑賞(2024年6月4日〜6月30日)
・テーマ:ヒンドゥー教の神々
・展示数:9点
 
 以下、画像を掲載する。
 
 
《ヒラニヤークシャを破り大地を取り戻すヴァラーハ(猪)(ヴァラーハ・アヴァターラ))
ビーカーネール派、18世紀後半
 ヒンドゥー教の神ヴィシュヌが猪に化身することをヴァラーハ・アヴァターラといいます。
 ダイティヤ族の王ヒラニヤークシャが大地を海底に沈めると、ヴィシュヌがこれを打ち破りました。
 猪の2本の牙で大地を支え、右の第一手に剣、左の第二手にヒラニヤークシャの首をそれぞれ持っています。
 
 
 
《クールマ(亀)に化身したヴィシュヌ(クールマ・アヴァターラ)》
ブーンディー派、17世紀末~18世紀初
 ヒンドゥー教の神ヴィシュヌが亀に化身することをクールマ・アヴァターラといいます。
 ヴィシュヌは乳海を攪拌し、不死の霊薬アムリタを得るため龍ヴァースキを手伝いました。
 画面の上方には「亀の化身」という意味の銘が記されています。
 
 
 
《ヴァーマナ(矮人)に化身したヴィシュヌ(ヴァーマナ・アヴァターラ)》
ダティヤー派あるいはブーンディー派、18世紀末
 ヒンドゥー教の神ヴィシュヌが矮人に化身することをヴァーマナ・アヴァターラといいます。
 アスラの王バリが天界・地上・地下の世界を支配していたとき、ヴィシュヌは矮人に化身し、自分に3歩分の土地を与えることをバリに約束させました。
 ヴィシュヌは巨大な姿に変わると、3歩で三界を踏みしめてすべてを取り戻しました。
 
 
 
《白馬をひくヴィシュヌ(カルキ・アヴァターラ)》
ブーンディー派あるいはウニヤーラー派、18世紀後半
 ヴィシュヌ神の化身のひとつであるカルキを表現したものです。
 カルキは、カリ時代とよばれる悪の世を滅ぼして正義を確立し、クリター時代(純粋な時代)を開きました。
 カルキの象徴である剣や白馬とともに表わされています。
 白馬は下半身を赤く塗られています。
 
 
 
《マハーラクシュミー》
員数1枚
ジャイプル派、19世紀前半
 ラクシュミーはヒンドゥー教の女神で、幸運や美、富、豊穣を司ります。
 日本では吉祥天として知られています。
 マハーは「偉大な」という意味です。
 ラクシュミーは頭の後ろに光背を表し、左右の第一手に蓮の花を持ち、水面に咲いた蓮の花の上に坐っています。
 
 
 
《パールヴァティーのタントラ》
ジャイプル派、19世紀後半
 パールヴァティーはヒンドゥー教の女神、シヴァの神妃で、「山の娘」を意味します。
 パールヴァティーが自らの首を切り離して血を与えるグロテスクな場面(チンナマスター)と性愛の場面とが描かれています。
 
 
《シヴァとパールヴァティーの結婚》
カーングラー派、19世紀前半
 天蓋の付いた玉座に、四臂のシヴァとパールヴァティーが坐っています。
 2人の後ろに払子(ほっす)をもって立つのは、パールヴァティーの父ヒマヴァットです。
 そのほか、多面のブラフマーなどが取り囲んでいます。
 
 
 
《サラスヴァティー》
ビーカーネール派、19世紀初
 サラスヴァティーは芸術や学問を司るヒンドゥー教の女神です。
 日本では弁財天として親しまれています。
 白鳥に乗り、左の第一手にヴィーナという弦楽器を持っています。
 この絵に描かれたヴィーナは、瓢箪の実をふたつ取り付け、台にしています。
 
 
 
《マツヤ(魚)に化身したヴィシュヌ(マツヤ・アヴァターラ)》
ビーカーネール派、18世紀前半
 ヒンドゥー教の神ヴィシュヌが魚(マツヤ)に化身することをマツヤ・アヴァターラといいます。
 この絵ではヴィシュヌを大きな魚の口から身体が飛び出したような姿に描いています。
 
 
 何処の神々の世界も、とっつきにくい。
 
 
 引き続き、展示替えの都度皆勤を目指すのではなく自然体で、展示が一巡するまでを目途に鑑賞するつもり。


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