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(020523)朝鮮日報 ◆韓国型駆逐艦「李舜臣艦」の進水式

2002年05月23日 | Weblog


20020523 朝鮮日報

韓国型駆逐艦「李舜臣艦」の進水式

 海軍に4000トン級駆逐艦時代が到来した。

 海軍は22日午前、慶尚(キョンサン)南道・巨済(コジェ)島の「大宇(テウ)造船海洋」玉浦(オッポ)造船所で張正吉(チャン・ジョンギル)参謀総長をはじめ、海軍及び造船所関係者らが出席する中、新型の韓国型駆逐艦(KDX-?)第1号艦である「忠武(チュンム)公・李舜臣(イ・スンシン)艦」の進水式を行った。

 1年ほどの運用試験を経た後、来年末から実戦配備される「忠武公・李舜臣艦」は満載時の配水量が4500トンで、韓国海軍の艦艇としては初めて射程距離100キロ以上のスタンダードSM-2MR艦対空ミサイルと対艦ミサイルを撃墜できるラム(RAM)艦対空ミサイルを装着し、艦隊の防空能力が以前の10キロ台から最大100キロ台に拡大した。これまでは3000トン級の「広開土(クァンゲト)大王」級の韓国型駆逐艦(KD-?)が海軍の国産戦闘艦の中で最大規模だった。

 中でも女性軍専用の寝室及びトイレなど、女性軍のための別途住居空間が設けられるなど、本格的な女性軍乗艦時代に備えた。また船体の設計もステルス性能が多数考慮された。海軍は同形式の駆逐艦2隻をさらに建造し、2008年頃には7000トン級のイージス駆逐艦(KDX-?)を進水する計画だ。

 韓国海軍は現在2000トン級未満の艦艇を保有している朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)海軍に比べ、大型艦艇部門では圧倒的優位にあるが、4000~7000トン級の大型艦艇を多数保有している日本や中国に比べると劣勢にあった。

ユ・ヨンウォン記者








とうとう韓国も念願のミサイル駆逐艦を配備します。

ミサイル駆逐艦と言うのは、射程の長い対空ミサイルを装備し、艦隊防御を担う駆逐艦のことです。

アメリカ、日本の識別ではDDG(デストロイヤー・ガイディッド)となります。

ここで言うガイドとはミサイルを誘導すると言う意味。

デストロイヤーは駆逐艦のこと。

DDと繰り返すのは、空軍の識別と区別するためでです。


>満載時の配水量が4500トン
>射程距離100キロ以上のスタンダードSM-2MR艦対空ミサイル

↑これは日本でいうところの「かぜ」クラスのミサイル護衛艦にあたり、ミサイル護衛艦(駆逐艦)の世代で言うと、第二世代になります。日本の「かぜ」クラスの場合は、ミサイルランチャーが一機、艦首または艦尾にあり、一発撃つたびに装填しなおすという動きをしますが、この韓国の新しい艦の場合は垂直発射ランチャーを艦内に埋め込んだ形になっているはずです。この方が複雑な動きをする機械が必要ないし初動も早い。

この手のミサイルは撃ちっぱなしという訳にはいかず、目標に当たるまで誘導(終末誘導と言う)が必要ですが、誘導をするためにはレーダーが必要で、第二世代の多くは2つのレーダーしか装備していません。そのため同時に迎撃できるのは2つの目標までとなります。レーダーの数とシステムの処理能力に制限されるわけです。

昨年でしたか、台湾がアメリカから潜水艦と一緒に供与されることになったミサイル駆逐艦もこのタイプでした。

この機能を大幅にアップしたのが第三世代のミサイル護衛艦(駆逐艦)です。第三世代のミサイル護衛艦(駆逐艦)は、既に日欧米で配備され、アメリカのイージスシステムを装備したタイコンデロガ級の巡洋艦、アーレイバーグ級の駆逐艦、日本の金剛級の護衛艦、アメリカとは別のシステムを作ったオランダやドイツの駆逐艦がそれで、対空ミサイルの同時多目標迎撃(あくまでも迎撃、攻撃ではない(笑))が可能です。100とか500とか目標から10程度を選択し、同時に迎撃できます。

先のアフガン派遣で出す出さないと問題になった日本の金剛級は、これが可能なのです。ただ金剛級が問題になったのは、その迎撃能力ではなく、アメリカ側との通信能力のようですが・・・。


>2008年頃には7000トン級のイージス駆逐艦(KDX-?)を進水する計画だ。

↑これが韓国の第三世代の駆逐艦にあたりますが、アメリカとヨーロッパを天秤にかけて、どっちのシステムを採用するか思案中です。たぶんアメリカのシステムを採用するはずです。

でアメリカのシステムを採用した時点で、韓国はアメリカのミサイルディフェンス(MD)に取り込まれるわけですが、韓国の隣には中国がいらっしゃいますから、中国の心象を考えて案外ヨーロッパ製のものを購入するかもしれません。(イージス艦はMDの一翼を担う。MDは中国に対して配備される。)

その場合、ヨーロッパはシステムを売り切る、つまり、アメリカのようにシステムをブラックボックス化しないのでは、と思います。何故ならこの複雑なシステムは調整が必要で、ブラックボックス化されると、ユーザーで勝手に調整出来ないんですね。で、日本の場合はハワイまで行って調整しています。韓国から調整のためにヨーロッパまで来いって言うのは、ちょっと条件が悪いですからね。韓国はヨーロッパ製を購入すると得です。

もっとも、つい最近アメリカは日本の次期イージス艦に対しはイージスシステムそのものを売ると言う話がありましたから、韓国がイージス艦を造る頃には、アメリカは韓国にシステムそのものを売るかもしれません。その頃にはヨーロッパ製のシステムも安定しており、性能的にはアメリカもヨーロッパも同等になるでしょうし、韓国の思案のしどころは、やはり中国に対してどうするか、と言うことでしょう。


>対艦ミサイルを撃墜できるラム(RAM)艦対空ミサイル

↑これは新しい装備で日本にはありません。ヨーロッパ産ですね。アメリカも評価段階で配備していないような気がします。ヨーロッパのドイツやイギリス、オランダあたりで配備しているもので、小さなミサイルで大きな対艦ミサイルを迎撃すると言うものです。射程は2km程度でしょうか。

RAMの語源ですが、たぶん「何とか+アサルト+ミサイル」だと思います。ただ「ラム」と言う言葉ですが船の「衝角」の意味があり、これは何かと言うと、昔の帆船の船首の下部に突き出た鋼鉄製の角のことで、帆船時代の海戦ではこれで相手の船の腹に穴を開けて撃沈させるために用いられました。つまり帆船どうしの格闘戦ですね。ですから接近戦をする時に、艦長は「ラム戦よーーーい」と叫んだとか。「ラム艦対空ミサイル」のラムは、この「ラム(衝角)」に意味をかけているように思います。

日本やアメリカで今これにあたる装備はCIWS(クローズド・イン・ウエポン・システム)と呼ばれるフルオートの20mmバルカン砲です。もっともCIWS自体は防空システムですから、何で実現してもかまわないわけで、ラム(RAM)艦対空ミサイルもCIWSの一種です。


>韓国型駆逐艦「李舜臣艦」

名前が大げさで良いですね。ただ、広開土王は使ったし李舜臣も使ったとなると後が続かないように思います(笑)。だいたい広開土王を使った駆逐艦は日本の「雨」とか「霧」とか「雪」とかのシリーズの普通のワークホース的な護衛艦に当たりますが、これに広開土王と言う高句麗の大王の名前を付けたのに、それより格が上のミサイル護衛艦に朝鮮の将軍の名前じゃおかしくないか?と思うのですが(笑)。やっぱ、なんだかんだと言っても、高句麗より李氏朝鮮の方が偉大なのでしょうか。それとも広開土王が旗艦で、その護衛と露払いとして李舜臣がいると言うことか? こっちの方が自然ですね。なんとなく勝手に納得(笑)。

それに海軍はけっこう汚れ仕事が回ってくるもので、日本の海自ではタンカー事故の時など油回収作業などを行って、ベトベトになったりするのですが、広開土王にもそんな汚れ仕事をさせるのでしょうか。それとも栄えある広開土王には、そんな仕事はさせられないと断るのでしょうか。あー、韓国海軍に訊いてみたい(笑)。

日本の場合は主に花鳥風月から名前を採用しますし、帝国海軍時代のものを使うことが多いので、艦の格によってもう決まっているようなもので命名は楽(?)ですね。例えば旧海軍の巡洋艦に付けられていた金剛や鳥海などの由緒ある名前は、つい最近のイージス艦まで復活しませんでしたし、赤城などの空母に付けられていた名前は、それ相応のものが出来上がるまで使われないでしょう。

李舜臣は秀吉の朝鮮出兵の時の朝鮮側の英雄ですが、その後は長らく忘れられた存在でした。と言うか当時もあまり良く評価されておらず、秀吉後はその武勲にもかかわらず左遷の憂き目にあい朝鮮では忘れ去られた存在でした。忠武公なんて書いてありますが、菅原道真以上の左遷です。おっと菅原道真は右大臣でしたから、そのへんの将軍風情と比較すると失礼に当たります。

韓国で英雄とあがめたてまつられたのはつい最近、戦後の話のようです。そう司馬遼太郎が本に書いておられます。歴史修正主義の韓国の真骨頂ですな。日本は李舜臣を偉人・英雄視してきており、明治時代に日本帝国海軍が李舜臣をアジアの海軍の祖としてあつかったそうです。この日本側の言い伝えが無ければ、たぶん李舜臣は歴史から消え去っていたのでは、と思います。



>韓国海軍は現在2000トン級未満の艦艇を保有している朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)海軍に比べ
>、大型艦艇部門では圧倒的優位にあるが、4000~7000トン級の大型艦艇を多数保有している日本や
>中国に比べると劣勢にあった。

さて、日本も持て余しぎみなのに、こんな大型艦をそろえてどう運用するのか、気になるところです。韓国の国防白書には“主敵=北朝鮮”と書かなければならないらしく、それが金大中大統領の政策に合わず、と言うか北朝鮮の金正日から文句をつけられ、白書の発刊を無期延期したそうです。これが“主敵=日本”となって復活しないことを、そこまで韓国がバカでないことを祈ります。(けっこうバカだったりして。笑えない。)

1 コメント

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RAM (通りすがり)
2007-09-03 06:27:56
RAM=Rolling Airframe Missile(ローリングエアフレームミサイル)
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