泉田・・・お前ってやつぁ・・

福島市　二上英朗（男性　58歳）
わが南相馬市から、大量の避難民を引き受けてくれた新潟県は、原発の東電も国も福島県も連絡をよこさぬうちから、知事自身が南相馬市長に電話してきて、「南相馬の被災者をぜんぶ新潟県でひきうけますから来て下さい」と申し出た。

実際に、新潟日報では、南相馬市からの被災者の暮らしに寄り添った報道をしており、福島の地元紙への転載で日報記事を読んでいる。役所の末端組織まで「被災者証明など必要なし」との周知徹底ぶりであることをネットで知り合った新潟人から聞いた。

上杉謙信は「義」の旗を掲げて、関東管領として自領からはなれた土地まで損得を超越して戦い、領土的野望をつつしみ、戦闘相手の甲斐の武田には生活必需品の塩を送って、戦略を度外視した。いままた、遠く相馬の地から、いちはやく原発事故の被災者まで救援した。

歴史は過ぎるが、人間の名は残る。
大きな艱難は、人を篩にかける。
軽い籾は風に飛ばされ、重い実は落ちる。ずしりと、わが魂に落ちて、感涙を誘う。
多くの友人を津波で亡くして泣き、国県東電の対応に憤激して泣き、いま南相馬市長の報告を読んで、新潟県の恩情に泣く。

新潟は震災の痛みを知る県である。いのちの尊さを真に知る県である。国にも県にも見放されていた時に、救いの手を差し伸べてくれ、ずっと支えている新潟県に心からの感謝と賛嘆の声を上げる。

日本国中の土地に、同胞が避難した。これを受けいれてくれている県、市町村、住民にも感謝する。

復興の日に、わたしは必ずや新潟の恩情を子々孫々にまで語り伝える所存である。

http://www.niigata-nippo.com/inochi/backup/reader/1310234447.html