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名も無き英雄

2011-03-18 19:27:00 | ノンジャンル
チェルノブイリ事故は、メーデー前の金曜日深夜に起きた。
制御棒を完全に入れれば、炉心は止まる。
だが、中途半端に入れれば、残った核反応で発電できるのではないか?
という実験中だった。
安全装置は切られていた。
金曜日の深夜。技師や作業員たちは、
「この仕事を終えれば休める!」と意気軒昂だった。
実験は暴走という結果を生み、休みは潰れた。
災厄。炉心融解、メルトダウン。
炉心直下には、核反応を制御するための冷却水プールがあった。
メルトダウンが進めば、そのプールの水で水蒸気爆発が起きるだろう。
どうしたか?
3人の男たちが 汚染された水の中を泳いでいって、プールの栓を抜いた。
彼らのことは誰も知らない。

アンドレイ・アナネンコ
ヴァレリイ・ベズパロフ
ポリス・バラノフ

彼らは、ひどい事故が「よりひどい事故」になることを防いだ。
ヨーロッパ全域が「死の森」になることを防いだ3人。
彼らのその後は、あえて語らない。