物語を通って、物語の上へ

まず最初に、私はこのブログの使い方がよく分かってなくて、コメントに対しては
更新時に前回のブログに対してコメントがついてたら返答する
という極めて素朴で温かいやり方でしか管理してないんで、
前々回より前のブログにコメントもらっても全然気付かないという状態でして、
本日、実はいろいろとコメントいただいていたことに気付いた次第でございます。
「コメント無視かい！」
と思われたかもしれませんが、いえいえとんでもございません。
このブログの使い方が分かっていないだけでございます。すみません。

ほいでね、本題なんすけど、友達に誘われてGLAYのライブに行ってきたんすよ。
チケット代7350円。GLAYって外タレやったっけ？てな値段ですが、
ライブ好きとしては、一部熱狂的な人気を保つGLAYはきっとライブがいいに
違いない、と思って結構期待して参戦したんですよ。

そしたらですね、全然よくないんです。手短に言えば。
以下、もしGLAYファンがいるなら読まないで欲しいんですが、
ライブの構成や演出は非常によく出来てるんですが、まったく「ライブ」じゃ
ないんですよ。
ライブって、アーティストの熱が伝わるからこそ「ライブ」だと思うんですが、
GLAYの場合はむしろ「ショウ」ですね。全然熱はない。単なる見世物。
シャウトしてても、全然見せかけだけで、熱がない。
「この人たち、全然音楽好きじゃないし、伝えたいことなんて実は全然ないんやな」
ってのは、よく分かりました。
でも、観客の多くは熱狂してるんですよ。それが不思議で不思議で、
ライブを楽しむのそっちのけで、そのことについて考えをめぐらしたんです。
大阪城ホールのAスタンドで、熱狂するアリーナを見下ろしながら。

私の思考を順序を追って説明するのはめちゃ面倒なんで、結論から書くと、
人の心にはそれぞれ物語が刻まれてて、でも、当人はそれがどういうものか
よく分からないんですよ。
だから、その物語に合致したものや、その物語を誘い出すようなものを発見すると、
人はそれを喜ぶんですよ。
例を出すと、「真面目に生きてたらいいことがある」とか、「頑張れば夢は叶う」とか、
そういったものが絡みあった物語、子供の時にかけられた魔法、
と云ってもいいかもしれない。
それを見失った人ほど、それを発見すると熱狂ということになるんだと思う。
で、GLAYの歌って、ライブもそうだったんですが、ベタすぎるくらいにベタだと
思うんだけど、大多数の人たちの物語はベタすぎるくらいにベタなものだから、
それでいいんですよね。
何が本物で、何がニセモノで、という問題ではない。
センスがどうこう、という問題ですらない。
熱狂するアリーナを見下ろしながら、唖然としてしまった。
諸法無我とは、こういうことか、と。

GLAYファンは私とはかなり違った物語を持ってると思うんだけど、
どちらが本物とかニセモノとか、優れてるとか劣ってるとか、ないな、と。
ただ人は、物語なしには生きられないし、それを心から喜ぶ生き物で、
そのはかなさ、不安定さは、GLAYファンも私も全く変わりはなくって、
その物語になにか実体があるかといえば、全くないんですよね。
でも人は、それに実体があるかのように思い、本物だのニセモノだの、
優劣を競って生きていく。

うまく説明できてるかな？
アリーナで熱狂するGLAYファンを見ながら、自分を見る想いがしたんですよ。
自分の好きなアーティストのライブに行ったときの自分を。

うまく説明できてないと思うけど、私の文章力ではココどまりです。
ただ、三島由紀夫は諸法無我を「何もない」と思って自殺してしまいましたけど、
私は諸法無我だからこそ、人は自由に生きることができる、と思うし、
自分の中の物語にすら捕われることなく、生きていくことができたらいいと思う。
解脱というのはそういうことなんだろうと思う。
でも、人は、自分の物語にこそ生きる歓びを見出してしまうから、
解脱は難しいんだろうけどね。
あらゆる物語を知って、それらが全て差がないものだとつくづく知れば
解脱できるかもしれないなぁと思って、タイトルをつけてみました。
てへっ