ゼンノロブロイの決意

ここは美浦トレセンの藤沢厩舎。
天皇賞を日曜日に控え、現役最強の呼び声高い【ゼンノロブロイ】が決意を固めていた。

ロ『よし体調は万全だ。海外遠征の疲れもない。順調だな。
　　思えば海外はなかなかつらかったがいい経験になった。
　　この天皇賞を勝ってジャパンカップで【エレクトロキューショニスト】にリベンジだ
　
　　しかし、今年はメンバーが揃ったな～去年よりも強そうだ・・・
　　思えば去年の直線は必死だった・・・

　（回想シーン）
２００４年天皇賞（秋）。直線残り２００ｍ。
同厩で年下の【ダンスインザムード】（以下『ム』）が抜け出しを測っていた。
ム『よしっいけるわこのまま押し切れるわ
　　これで秋華賞でみなさんに迷惑をかけた分恩返しができるわ～』

そのとき、馬場の中央を【ゼンノロブロイ】は冷静に坂を駆け上がっていた。

ロ『（・・・去年の神戸新聞杯以来勝ててない・・・
　　　【クリスエス】先輩に『あとは頼んだぞ』って言われたのに、
　　　まだ全然だ・・・しかも京都大賞典では【ナリタ】に負けたし
　　　今回はペリ－さんが乗ってくれてる。これで結果出さなきゃやべーんじゃん
　　　ここ負けたらＧＩでらんなくね？厩舎で何言われっかわかんね～
　　　オレ崖っぷちじゃん負けるわけにはいかねー
　　　前にいるのは誰だ？んっ？【ムード】かマジか
　　　これで年下の女に負けたなんて言ったらトレセン歩けねーよ・・・よっしゃ）
　　　【ムード】～！！勝たせてたまるかー！！』
ム『ロ・【ロブロイ】さんえっ、なんで怒ってるの？私がんばってるのに』
ロ『（鬼の形相）』
ム『ひゃ～怖ィ～』

残り１００ｍ。【ムード】がオロオロしている間に【ロブロイ】は差を縮めた。

ロ『よっしゃぁ～捉えたぜ【ムード】』
ム『そ・そんなぁ～レディーファーストって言葉を知らないのぉ～』
ロ『（聞く耳持たず・・・というか耳に入らず）ははははは～
　　（よしこれで面目は保った。トレセン内は歩けるな）』
ム『あ・・・あぁ～』

（回想シーン終了）

　　マジでやばかったもんなぁ～
　　でもなんでかわかんねーけど、あのあと【ルビー】さんにめっちゃ説教されたな
　　レディーバーストだっけかな？もう忘れちゃったけど。
　　【ムード】もあれ以来しゃべってくれないし

　　今年は受けて立つ立場だからな～気が楽だ。自身ついたし
　　絶好調のノリさんだしね
　　先週【ディープインパクト】とかいう若造が出てきたし、ここは負けらんねー。
　　誰が来ようと負けらんねー・・・実を言うと【スイープ】ちゃん怖いんだけどね』

関東のエース【ゼンノロブロイ】。
天皇賞で１番人気確実な彼には敵は多い。
また今週もどこかで作戦会議が・・・


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