EXOTIC GARDEN

耐寒性の亜熱帯植物の紹介や、その他諸々の話題を取り上げていきます。

日咩坂鐘乳穴とタイの洞窟救助について

2019-09-08 21:05:30 | 日記
 だいぶ前のことになってしまいましたが、日咩坂鐘乳穴に入洞したときのこととタイの洞窟について書いてみます。
 日咩坂鐘乳穴で起きた大学生の行方不明事故ですが、当時「この洞窟には急な坂が多く・・」といった指摘をよく見かけましたが、たしかに危険な場所はありますが、それなら危険な箇所のある観光洞もあります。またこのこととあの行方不明事故とは別に考えるべきです。私は大穴あたりで引き返してきましたが、このあたりまでは危険な場所はなく、洞内が広いのでむしろ精神衛生好ましいです。





 この洞窟は数年前に入洞禁止になってしまいましたが、大穴の先にある神の池から先はサイホン状になっており、しかも匍匐前進しなければならないほど狭いのです。私が入洞したのは5月の連休の終わり近くで、1週間ほど晴天が続いていたのですが、それでも天井からは雨のように水滴が落下しており、洞床には奥に向かって小川のような水の流れができていました。梅雨時には神の池はもちろん手前の方まで水没してしまう筈です。何日も晴れ間が続いてから当日の天気予報を確認してから入洞したとしても、突発的な豪雨に襲われるという可能性を否定することはできません。もしそういうことになりますと、神の池から先の狭洞はすぐに水没してしまうでしょう。うつ伏せになってやっと通れるほどの広さですし、しかもそれが10mくらいも続くらしいのです。したがってもし水没すれば救助するのは至難の業、というよりも不可能になってしまいます。このことを危惧して地元の教育委員会や消防署と警察署が議論した結果、入洞禁止を決定したのではないかと思われます。話題になってるタイの洞窟ですが、潜水して奥まで行き来しているようですが、日咩坂鐘乳穴では不可能です。
 このほか、行方不明事件が起きる前に、星穴という縦穴に転落して死亡するという事故も起きていますが、これも同様に地上から覗き込もうとして転落したらしく、不注意に起因する事故だと考えるべきでしょう。
 もろちん今回のタイの洞窟や死亡や行方不明になったひとたちを批判するものではありません。だれでも不注意やそれに起因する事故は起こす可能性はありますから。
 日咩坂鐘乳穴が入洞禁止になってしまったのはやむを得ないとしても、大穴あたりまでは危険な場所もなく、突発的な雷雨が襲ってきたとしても逃げられます。裂罅型吸い込み穴という、洞口手前にドリーネという窪地があり、洞口と洞内が広くて奥に向かって下り坂になっており、たいてい最奥部に地底池があります。大穴という中間あたりにある天然の吹き抜けはおそらく国内では最長規模でしょうし(洞床から地上まで100mくらいはあると思われます)、ドリーネの大きさと深さ(60mくらい)も国内では最大規模のように思えます。洞口の迫力も最大規模で、現場に到着した時はあまりの不気味さに恐怖を感じ、引き返そうかと思ったほどです。まるでブラックホールのようでした。秋芳洞にも行ったことのある鍾乳洞愛好者のMさんによれば、こちらのほうがでかいのではないかということです。こんな大規模の鍾乳洞が立ち入り禁止のままになってしまうというのはなんとももったいない感じがします。
 続きはのちに書き込んでいく予定です。とりあえずはこのへんでいったん終わります。タイのサッカー少年団が無事救出されることをお祈りします。





(追記)添付の画像はわくわくアドベンチャーさんのを使用させてもらいました。許可の確認のためにメールしようとしたのですが、サイトが閉鎖されていました。苦情があったら書き込んでください。
 


 これは大穴を撮影したものです。とても100mもあるとは思えませんでした。せいぜい30mくらいにしか感じられませんでした。逆凸状になっているからかもしれません。
 ドローンを飛ばして撮影してみたいものです。


(追記)
 なんか重箱の隅をつつくようなことですが、追記させてもらいます。





 YouTubeの「(実話)岡山地底湖行方不明事件で何があったのか?(マンガで分かる)」を視聴しました。この事件については何もわからないのですが、途中に出てくる断面図が誤解を受けそうなので説明させてもらいます。この鍾乳洞は、裂罅型吸い込み穴という独特のもので、洞口と洞内が広く、奥に向かって下り坂になっており、洞口から地底湖までは、たぶん120mくらいの高低差があると思われます。この図のような、地底湖から洞口までほぼ平坦なということはありません。

 同じ年に、別の場所にある宇山洞にも入洞してきました。これは別の項目で改めて書く予定です。

(追加)
 わくわくアドベンチャーさんの、地底湖で撮影された画像を貼り付けておきます。私もわくわくアドベンチャーさんに申し込んで地底湖まで行きたかったのですが、近視と乱視があり、眼鏡が必須なのですが、コンタクトレンズでないと駄目というので断念しました。













 これが洞内の概念図です。紫の矢印が洞口で、入洞するといきなり左右に分岐しており、左側は20mくらいで行き止まりになっていました。赤の星印あたりに大きな石筍があり、直径は2mくらいはあったよう記憶しています。天井からここをめがけてボタボタと水が滴り落ちていました。向かって右側(青の矢印)が下り坂になっており、



 この画像は、その方向で撮影した画像です。わくわくアドベンチャーさんの画像をお借りしました。とにかく入洞してからの洞内のでかさは異様で、とにかく気味が悪くて仕方ありませんでした。右方向の洞内を進むと、幅と高さはやや狭くはなりますが、それでもかなり広かったです。かなりの距離を歩くと大広間に辿り着きます(幅はすくなくとも10mくらいはあったような気がします)。洞口近くを除けばここが洞内ではいちばん広くて、青色の場所に聖池なるものがある筈なのですが、確認できませんでした。星穴という吹き抜け(赤の星印あたり)も見つかりませんでした。記事によると、上から落ちてきたものによって埋まってしまったとか・・緑色あたりの洞壁にフローストーンらしきものがありました。
 図の上側方向の矢印からは、幅と高さがさらに狭くなっていますが、それでも洞窟としてはかなり大きい方です。幅は5mくらいはあったような感じです。黄色の三角あたりに、幅が3mくらいはありそうな岩が洞床にあり、崩落したものと思われます。重量はすくなくとも10トンはあると思われ、こんなものが頭上に落ちてきたらひとたまりもありません。ぞっとしました。宇山洞の項目で詳述する予定ですが、日咩坂鐘乳穴は老齢期にあり、大穴は崩落(崩壊)の兆候なのだそうです。

 日咩の「咩」という当用漢字にはない奇妙な字ですが、羊の鳴き声とのことです。このほか、通常鍾乳洞の名称には、「洞」という接尾語が付きますが、穴というのはこの地方の方言のようで、鐘乳穴という接尾語が付く鍾乳洞としては、備中鐘乳穴があります。
 鍾乳洞の鍾という字は、鐘、つまり鐘乳洞と書いても間違いではないそうですが、鍾乳洞と書く場合が多いようです。鍾乳穴という書き方はしません。










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