そんななか、僅かな競馬のアガリで何とか購入したCD作品の一部を紹介したいと思います(←前回と同じ)。買い忘れがたくさんありますが、ひとまず次の6点ばかりを。ただし、それぞれに付けたコメントはあくまでも個人的な感想であり、効き目(=聴き目)には個人差があります。
ということで、どんと見据えて!(Don' miss it!)
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Boulevards/Groove!
Breakbot/Still Water
Corinne Bailey Rae/The Heart Speaks In Whispers
Jessie Ware/Tough Love
K.Michelle/More Issues Than Vogue
Terrace Martin/Velvet Portraits
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■Boulevards/Groove!
米ノースカロライナ州ローリーを拠点とするシンガー・ソングライター、ジャミル・ラシャド(Jamil Rashad)によるソロ・プロジェクトのデビュー・アルバム。ニューヨークの名門インディ・レーベル〈キャプチャード・トラックス〉からのリリースで、シックあたりのいわゆるダンスクラシックス/ディスコ・ブギーをハツラツと、JBマナーを加えながら歌う。隠し味や裏技といった類はなさそうで、特に斬新でもないが、2010年代の後半戦にこのスタイルをデビュー作とする潔さは認めたい。もちろん、純粋にブギー/ファンクを楽しめる。「ゴー・トゥ・ゴー」のMVではプリンスのアルバムを差す場面も。
Boulevards - Got To Go
■Breakbot/Still Water
ダフト・パンクやジャスティスを発掘したフレンチ・エレクトロの総本山的レーベル〈エド・バンガー〉からデビューした、ティボルト・バーランドによるプロジェクト、ブレイクボットの2ndアルバム。ディスコ・ファンクをベースにしたフレンチ・テイストのエレクトロ・ディスコ「ゲット・ロスト」をはじめ、ダフト・パンクのエッジーな部分をまろやかにしてフィルター・ハウスをアクセントに数滴垂らしたようなスタイリッシュでキュートなエレクトロ・ポップが魅力。2016年4月末にはクラブツアーで来日済み。
Breakbot - Get Lost
■Corinne Bailey Rae/The Heart Speaks In Whispers
オーガニックなムードで人気を博すイギリスのグラミー・シンガー・ソングライターによる、2010年の『ザ・シー』以来約6年ぶりとなる3rdアルバム。前夫の事故死という苦難を乗り越えての久しぶりの作品は、単なるオーガニック作に留まらない多彩さが魅力。現夫のスティーヴ・ブラウンや「ビーン・トゥ・ザ・ムーン」ではキングのパリス&アンバー・ストローサー姉妹が共同プロデュースを務めるほか、ディアンジェロ“ザ・ヴァンガード”の一員のピノ・パラディーノやマーカス・ミラー、エスペランサ・スポルディングらが参加するなど演奏陣は盤石。新たな引き出しが垣間見れそうな、ファンタジックでソウルフルな意欲作といえる。
Corinne Bailey Rae - Been To The Moon
■Jessie Ware/Tough Love
英・南ロンドン出身のシンガー・ソングライターのデビュー作『デヴォーション』(2012年)に続く、2014年の2ndアルバム。いわゆるシャーデー・マナーのソウル・ポップス路線で、ライやヤニス・リアンタなどとの親和性も強いが、ベニー・ブランコらの起用によって瑞々しさと力強さを兼ね備えたソウル・ポップへと昇華。また、ムードに流されない強い印象を刻むタフなヴォーカルによって、R&Bというよりロックの側面も感じられるか。
Jessie Ware - Tough Love
■K.Michelle/More Issues Than Vogue
2008年以降ミッシー・エリオットやR.ケリーやアッシャー、エイコンと共演して注目されながらもなかなかアルバムを出せずにいた米メンフィス出身のシンガー・ソングライター。2013年のデビュー作、2014年の『エニバディ・ワナ・バイ・ア・ハート?』に続く3rdアルバムでもヴィジュアル面や冒頭の「マインドフル」などでの“ビッチ”感は健在。ただ、それだけではなく、「ノット・ア・リトル・ビット」といったミディアムの多くでは感情豊かに歌い込むなど(それでもMVでは胸の谷間アピールは半端ないが)、メアリー・Jやキーシャ・コールに続くヒップホップ・ソウルのレールに確実に乗ったことを証明した佳作といえる。
K. Michelle - Got Em Like
■Terrace Martin/Velvet Portraits
ヒップホップからジャズ・シーンを往来する米西海岸の辣腕プロデューサー/ジャズ・ミュージシャンというより、ケンドリック・ラマーのグラミー作『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』に大きく関与したといった方が旬か。ロバート・グラスパー、カマシ・ワシントン、サンダーキャット、レイラ・ハサウェイらが客演していることからも分かるように、時流に寄り添う下心を持たずに掲げる美学を崩さない職人的なアプローチで進取性豊かなサウンドを構築。前作以上にジャズ様式でブラック・ミュージックを紐解かんとする姿勢が窺える2016年のアルバム。
Terrace Martin - Curly Martin
以上です、キャップ。


