ジェッシーの外耳炎

外耳炎から中耳炎、内耳炎、そして脳脊髄膜炎へと炎症が波及していったアメリカンコッカースパニエル、ジェッシーの通院治療記録

退院

2013-07-28 21:20:54 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
入院後すぐに右耳の切開と膿の排出を行い、脳内にも有効であるという抗生剤の点滴を日に二回×1週間が終了。

あとは傷口が塞がったら抜糸のみで、その後は現状を観察という状況になったため、退院することは可能であるという連絡が三枝先生から入った。しかし今すぐに退院させれば、まだ塞がっていない傷口の手当を自宅で行わなければならない。もう少し入院していれば安心な部分もある。

先生にいくつかを尋ねた後、一日も早く家に連れて帰ってあげたい気持ちから、結局、退院させることでお願いした。

迎えに行くと、思っていたよりも遥かに元気になっていたジェッシー。抗生剤が効き、痛みも軽減されたのか、震えも止まっている。切開した右耳の包帯されているところが痛々しい。



右に傾くジェッシー

ジェッシーは脳脊髄膜炎の結果は陰性であったが、内耳炎が進んで顔面神経と前頭葉の障害が起きていた。そのために右方向への傾きと、右目のまばたきが出来ない状況となっている。

そして今も耳垢腺過形成によるボツボツとした小さな出来物は耳の中に無数にあり、今後もそれらが増殖、あるいは肥厚しつづける可能性は高い。再び耳がふさがり、内圧が上がることは予測される。

今出来ることは、毎日の耳の消毒と変化を観察、定期的な通院で診てもらうことだけである。


私から離れまいと抵抗中


退院時の会計は、横須賀市内獣医への時間外緊急搬送と検査、外部でのMRIとCT撮影、そして入院・手術と、今月は我家にとっては痛い出費となってしまうだろう医療費を考慮下さった。

三枝先生にはただただ感謝の気持ちでいっぱいである。


ところでこの日、フロントラインの意外な使い方を知った。

スプレータイプのフロントラインが販売されているようだが、ゴキブリにシュッと一吹きするとイチコロで退治できるそうだ。虫にしか効かない殺虫成分が各獣医院からゴキブリを一掃したらしい。人や犬に害は無いということで試す価値はある。


帰路、休日の夕方前の首都高は渋滞もなく快適であった。



助手席で安心しきった表情で寝ていたジェッシーは、横須賀市内へ入ると、突然座って辺りを見渡し、私の顔もしばしば見上げた。


辺りの匂いで方向が判る???

「おうちに帰ろうね、ジェッシー」と伝えると、穏やかな表情でそのまま前方を直視していた。


手術無事終了

2013-07-23 21:13:58 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
ジェッシーが入院した後、北川犬猫病院の三枝先生からジェッシーの現状について連絡が入った。

「鼓室の壁が融解しているのに、膿が流れず、内圧が上昇している。中耳、内耳が悪いのに耳道を広げても仕方ないとも思うし、外科の富沢先生に相談したところ、開けても再び塞がる可能性があるかもしれないとも話されていた。しかし、ジェッシーのようなケースは初めてであるが、詰まっているより開けて膿を排出させたほうが良いとも思う。ただ、この状況で麻酔をかけて処置することはリスクも高い。排出させることは、止めておきますか?」

というような内容であった。ジェッシーは先日のCT&MRI撮影の際に全身麻酔をかけたばかりであるためと、脳炎の疑いがあるため、万が一、意識が戻らない場合も考えられる。

しかし、排出されない膿が耳の奥に残っている限り、身体は弱っていく一方ではないだろうか。高いリスクは同じであるか、より以上であると考えるのが自然である。

少し考えた後、食欲だけはあるというジェッシーの体力を信じ、麻酔下での手術をお願いした。「膿を排出させて下さい。」

今の辛い状況を少しでも楽にしてあげたい。


翌日再び、三枝先生より「どうぶつの総合病院から、脳脊髄液の細菌培養検査は陰性であった」とのメール連絡が入る。膿が流れず、内圧が上がったために内耳炎になり、脳脊髄膜炎の疑いがあったが、ひとまず安心。CTで撮った3D横断面の画像もメール添付頂く。目のようにみえるのが鼓室、口のようにみえるのが気管という説明であった。


CTの3D横断面

ジェッシーは元気食欲ありで、また模範的な患者さんになっているという文章も記載してあった。微笑ましいと思うと同時に、ストーカージェッシーが私と離れ、心身ともに再び受けたストレスで抵抗する意欲を無くしているのかと思うと、早く抱きしめてあげたいと思う。


今朝はボブとヴァレンシアを伴い、ジェッシーの手術無事終了を願って衣笠神社へお参りしてきた。




そして19時前頃、手術は無事終了したと三枝先生から連絡を頂く。麻酔から覚めないなどというリスクのうちの一つをどうにか乗り越えてくれた。どこまで効果があったかは今後の経過を見ないと判らないが、少なくても滞っていた膿を排出できたようである。

いずれにせよ、CTやMRIを撮らないと判らなかった耳の奥から頭にかけての病状。今回のケースで改めて、それらが不可欠で重要なことであったと感じている。このまま何も起きなければ、抗生剤の点滴を日に二回受け、10日程で退院予定となるようだ。残念ながら顔面の麻痺は残ってしまうようである。


先生方を始め、お世話になっている皆さまと、見守って下さった皆さまにまずは心より感謝いたします。


緊急入院

2013-07-21 00:09:55 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
先日受けたMRIとCT画像の解析結果について、キャミックから北川犬猫病院に回答があり、その詳細について三枝院長先生より連絡を受けた。

内容は、まずは現状がかなり深刻であることを聞く。炎症が中耳から内耳にまでばかりか、右頭蓋内へも波及していることが判った。また、起きている前庭障害と顔面神経麻痺は中耳炎に関連するものであると思われ、三叉神経の軽度の機能低下は甲状腺機能低下症の影響であることも否定できないというようなお話であった。脳脊髄液検査結果はまだ出ていない。

内耳への炎症は何年も前から徐々に進行していた可能性が高く、それらはいずれもMRIを撮らなくては判らないことであった。

また、もし全耳道切除を行っていたとしても、同じことが起こり得ると、キャミックの獣医師も話されていた。


犬の耳構造モデルにて説明を頂く


治療は頭蓋内まで効く薬剤を一日二回の点滴にて行なうことになり、急きょ1週間ほど入院することが決まったが、タイミング良く今日の休日出勤の予定がなくなり、午前中にジェッシーを板橋区まで連れていくことが可能となった。


移動中の車内にて


入院治療となってほっとしているが、脳に炎症が及んでいることで、万が一痙攣が起きたら諦めてもらわなくてはならないこともあるというお話に、何も言葉を返すことができない。


不安顔

まずはジェッシーの回復力と、先生方が救って下さると信じて、元気に戻ってくるのを待つばかりである。


そして今回のふらつき当初、緊急搬送した近くの獣医に、明日にでも感謝の気持ちを添えて報告を行う予定でいる。



MRI&CT検査

2013-07-18 21:28:41 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
先日のふらつきが脳から来ているものか、耳から来ているものかを確認すべく、キャミック埼玉へと足を運んだ。

キャミックは動物健診センターで、MRIやCTなどの検査を受けることができる。首都圏を中心に5か所ほどがあり、キャミック埼玉は動物病院も併設。検査結果の診断や夜間救急救命病院としても機能している。



ジェッシーは全身麻酔下でMRIとCTの両方を行い、その結果、両耳の中耳辺りに不明瞭な影が認められ、中耳炎が進んだ状態であることが判明。それが原因で平衡感覚を無くし、顔面もマヒしているのであろうという獣医による説明を受けた。これらはレントゲンでははっきりとわからず、MRIを撮ることで初めて診断が確定するようだ。CTスキャンは骨への影響の診断を行うことができる。また、頭部にも炎症のようなものが認められため、後頭部から脳脊髄液採取を行ない、検査機関への提出となった。


脳脊髄液採取のため後頭部を剃毛


キャミック埼玉を利用するには獣医師による紹介が必要である。

ジェッシーの主治医である北川犬猫病院の三枝院長先生が事前に早急に緒手配を下さったが、運が悪いことに、全てのキャミックがその週の土日に行なわれる学会開催のために休診。しかし予約は最短で入れて下さっている。

合わせて職場の年休を取り、平日の首都高で埼玉まで向かうことになった。このようなときに急に年休をとることは職場に迷惑をかけることになるが、家族の一員でもある犬達の生命に関わるような何かが有れば、病院へ運ぶことを優先したい。そのため、ジェッシーがこのような状況になった現在、今の契約においての仕事を継続するのは難しいかなと思うようにもなってきている。


事前に三枝先生が必要書類は送付下さっていたため、私が当日に準備するものはなく、念のために今まで受けた検査結果表や予防接種証明書、マイクロチップナンバー票などを持参した。

ジェッシーの現状は、左右に動いていた眼振は落ち着いているものの、寒気がするのか痛みがあるのか、一日中震えている。右側がマヒしたかのように顔面まで傾きがあり、段差のあるところは怖がり、すぐによろける。半分ほどしか開かないような右目は、見えていないのか手をかざしても降っても眼球の反応が無い。投薬のために口を開けさせると痛いのか悲鳴をあげる。毎日消毒をしていても、右耳から出ていた耳垢腺の脂のようなものは極端に少なくなっている。


よろけてもすぐに支えられるアウトドア用のハーネスが活躍


それらのことから耳の奥で何かが起きていると考えるのが自然であるが、脳の中に異変が起きているのかもという心配を拭うことができなかった。

隋液の検査結果は北川犬猫病院へ連絡が行くようになっている。キャミックの帰りに、MRI等の検査結果書類やメディアを届けがてら板橋区へ立ち寄り、帰路へ着いた。平日の首都高は渋滞していたため、帰宅は21時近く。

現在、応急処置として投薬がなされ、MRI診断他全ての結果は次の予約日までに判明するようだ。全身麻酔下で何らかの措置を行なう可能性もあるようだ。何より早く、痛みや辛さから早く解放してあげたい。ジェッシーはまた痩せて小さくなってしまった。

だけどさすがのアメコカ、食欲だけは変わらず。

マヒのない、口の左側の方で時間をかけて噛みながら一生懸命食べてくれるのが救いである。病気なんかに負けるな、ジェッシー。


平日の首都高は大渋滞


行きも帰りも....



お疲れ様でした~。




突然のふらつき

2013-07-12 17:26:40 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
先週の水曜日の朝、キッチン入口辺りで下を向いたまま左右に頭を動かし続けたジェッシー。

またいつものように、子供がこぼしていた落ちている食べ物でも探しているのかと思っていた。しかしそのうち手足が左右にだんだんと開いていき、力が入らないかのような様子。良く見れば、頭を振り子のように左右に動かし続けている。

明らかに異常であると悟り、すぐに早朝診て頂ける近隣の獣医に連絡。病院へ着く頃には腰のふらつきが残っているだけであった。

症状からすると、前頭葉に関連する可能性があるとのこと。その日は勤務ということもあり、そのまま日帰り入院にて検査と様子を診ていただくことにした。

仕事を終えてから再び獣医へ行くと、その後は何事もなかったかのように、いつものジェッシーに戻っていた。

血液検査結果はCRPの数値がかなり高かった。これは何かの炎症を起こしていると証拠であるが、何がということになるとCTスキャンなどで詳しい検査をしないと判らないという説明。症状からすると、前頭葉に関連する病状のようでもあるとのお話であった。



CRP(急性蛋白)について調べてみると、感染や傷害などのストレスによって短時間の間に血中濃度が変動する。そのため、炎症を示す指標として用いられ、症状の回復に伴い速やかに減少していくそうだ。CRPが異常値であるときは、炎症性疾患や腫瘍疾患、免疫介在性疾患など様々な疾患が疑われる。

もしこのまま収まれば一過性のものであるが、再度繰り返すようであれば、CTだけでも撮ることを薦められ、病院を後にした。


表情もさえないジェッシー

その後はやはり何となく元気が無いような、散歩も行く気はあれど疲れやすいような何となくしっくり来ない日が続き、右耳の先端だけがなぜかいつも汚れている。通院の二日後にトリミングに行ったあとで、震えてばかりいることにも気付く。

そして最初におかしくなった翌週水曜日の夜、今度は頭を右側に傾け、右手足に力が入らないかのような動作に気付く。右へ旋回はしないものの、やはり前頭葉に関連する病気なのかと、先日お世話になった獣医へ出向く。

目の動きなども診て頂き、常時目まいが起きている状況であることが分かった。平衡感覚がおかしくなっているため、頭も身体も右側に傾き、ヨダレも口の右側からのみ大量に出ている。おそらく初診のあとで徐々にそれらの症状が出てたのではないだろうか。そのため、右耳の先端が常に汚れていたのではないだろうかと思う。

ジェッシーは両耳の外耳側壁切除術とその後の治療を板橋区の北川犬猫病院で受けており、甲状腺機能低下症の投薬も継続中。今回の目まいの原因が耳からきているものか、脳神経に関連するものなのかで、治療法が異なってくるそうだ。やはりこの日もCTか、可能であればMRIを撮ることを薦められた。


ところで実は北川犬猫病院の三枝先生は以前より、鼓室のCTかMRIを可能であれば撮っておいたほうが良いというようなお話をされていたことがある。医療費が高額となるため二の足を踏んでいたが、今回の件でそれらが必要であることが確実となった現在、ジェッシーの目まいの原因を明らかにしてあげなくてはならない。それらも含め、獣医に話したところ、三枝先生の紹介で検査を受ける方向に話が進んだ。


その結果、週明けの火曜日にCTとMRI、そしてそれらの診断が可能な埼玉県川口市にある脳神経科併設の施設へ出向くことになった。


さて、ジェッシーの体調が良くないことを悟るのか、Iセターのボブはいつものようにジェッシーに絡むことは無く、そばに寄って尾を振ったり、Eセターのヴァレンシアは横に座ってジェッシーの頭部の匂いを嗅いだり、ペロッと顔を舐めたりしている。