ジェッシーの外耳炎

外耳炎から中耳炎、内耳炎、そして脳脊髄膜炎へと炎症が波及していったアメリカンコッカースパニエル、ジェッシーの通院治療記録

退院後

2013-09-30 17:30:16 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
前回の入院時に脳まで届くという抗生物質の点滴を1週間続け、元気になったジェッシー。




退院後はふらつきながらも家の周りを歩いたり、膿皮症が再発したためトリミングを行ったりしていた。トリミング後に迎えに行くと、私の顔を見て小走りで駆け寄ってくる姿に驚く。ところがその後、日を重ねるたびに目に見えて状況は悪くなっていった。こん睡状態のように殆ど寝ている。一方、痛み止めが効いている僅かな間は、テラスに出たがったり、トイレシートで排泄することもできている。のたうちまわる程の痛みをガタガタと震えながら我慢し、犬は本当にけなげな動物だと感じる。

食欲は変わらず、拍手ものであったジェッシーであるが、昨日辺りから余り食べられなくなってきた。舌がうまく使えない。口に入れてもすべて横からこぼれてしまう。手ですくって食べさせていたが、今日はとうとう一食分ほども食べられなくなった。犬は食べられなくなると衰弱が早いことを以前飼っていた犬で経験している。

右目は完全に見えていない。左目もだんだんと右目のときと同じ経過をたどってきているように感じる。


これら全てを忘れないよう、途中経過を記録として残しておこうと思う。

2013年9月1日


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9月30日
 一日ごとに調子が少し上向きなときと、元気の無い時を繰り返しているジェッシー。しかし確かに緩やかに回復に向かっていると確信。あとは、ジェッシーにもしも再び炎症が起きたときに、今までの病歴を理解下さり、北川犬猫病院の先生方のように得意分野での医療に熱心な、安心して託すことのできる獣医を一日も早く地元で見つけたいと思っていた。
 
 以前Webページで検索した際に、前向きな医療を目指し、熱心で様々な臨床経験のある、気になっていた獣医を見つけ、その後、複数の知人達からも紹介頂いた。少し躊躇していたが、ちょうど良い機会であるとも思い、連絡をとった。

 電話で簡単に経緯を話したところ、午後の診療前にと時間を作って下さり、ジェッシーを診て頂くことになった。ジェッシーはもう行きつくところまで悪くなってしまったため、あとは現状を理解し、ジェッシーの病に詳しい地元獣医師の診療を希望していることを伝える。

 北川犬猫病院長は、既にそのような私の希望を受け入れて下さり、地元で通うためにと急きょ作成下さったジェッシーの情報を文書にして下さっていた。それを獣医が見るとすぐに、「引き継ぎましょう」というような言葉と共に、ジェッシーの身体に負担無きよう、投薬も北川犬猫病院での処方と同じものを取り寄せて下さるというお話。甲状腺機能低下症についての考え方も北川犬猫病院長と同じであったため迷いなく転院を決めた。

 帰宅後、北川犬猫病院長へ報告がてらメール連絡。元々、遠方からの来院は落ち着いた状態になったら地元へ返すというお考えで診療をされているところに、いつまでも甘えていた。ジェッシーを託せるところが見つかって良かったと返信を頂き、MRI画像等をすぐに送ってくださるとのこと。

 これまで通っていた地元の獣医師にもお礼を伝えると共に、より詳しい獣医に診て頂きたい気持ちが強く、転院することを連絡した。
 
 ジェッシーの死が迫っていた状況での「退院後」の記事は、思わぬ回復の傾向が見られるようになったことで本日にて完結としたい。

 
9月28日
 前日は低めの気温による寒さで震えていたようであった。甲状腺機能低下症を患っていると、食欲は増進、寒さには弱いことを思い出す。今日は調子が良いのか、起きている時間帯がやや長い。

 ふらつきが最初に訪れたときに緊急搬送した、現在通院している地元の動物病院は、ジェッシーのことをいろいろと考えて下さり、こちらの質問にも丁寧に説明下さり、毎週のように血液検査を行なって下さる。しかし夜間診療を現在行っていないことや、MRIやCT診断を活用しての医療は行なっていないとのこと。ジェッシーの状況を考えれば、甲状腺機能低下症も合わせ、三枝先生のように、それらに少しでも詳しい先生に診て頂くことが一番の願い。

 そのような折り、ジェッシーを心配した知人達から動物診療に熱意を持ち、経験豊富だという獣医を教えて頂く。

9月27日
 今日は久しぶりに頭から身体全体が震えている。食欲は変わりなく、出勤時には玄関までよたよたと歩いて来て、寂しそうに見送ってくれた。
帰宅するとリビングの犬布団の上で寝ている。震えてはいないが帰宅したことに気付かない。キッチンでコーヒーを入れながら、そーっとリビングを覗くと、匂いでようやく気付いたのか、頭をのけぞらせて鼻を天井に向けクンクン。私に気付き、寝ている態勢からもがきながら起き上り、よたよたとしながらも急いでいるつもりで歩いてきた。抱き上げて声をかけながら身体をさする。ジェッシーがまだこうして、精一杯生きていられることを神様に感謝。

 朝から気温が低い日であったため、ベストを着せる。夕食後に震えは止まった。鼻の中が詰まっていたため、ヴァセリンをつけた麺棒で掃除。今まで聞いたことの無い甲高い大声でうあーんと長泣き。かなり嫌がっていたが、鼻が苦しそうであったため我慢してもらう。その声に小学生の子供達が驚き、ジェッシーに何かがあったのではと、階下へ駆け下りてきた。


9月26日
 気付けばいつの間にか、右への傾きがなくなっている。良くなったのではなく、ふらつき加減が左右でバランスが取れている。数日前から右目と同じように左目からの目脂や、左口角辺りが緩んでヨダレを垂らすことから、左側にも続発的に何らかの問題があったのだろうか。そういえば、この一連の病状の始めは、口の右側からばかりヨダレが垂れていた。今は左側からばかりヨダレが出て、麻痺している様子。


左側の口角辺りが下がっている

 以前、右鼓室胞が炎症を起こすと、後に左も同じような炎症を起こすと、獣医による何かの記述を読んだ記憶がある。それらの後遺症として顔面麻痺も上げられていた。


よく水を飲み、お小水も近いが失敗無し

 夜の皮膚の消毒時には右耳から黄色味を帯びた脂が久しぶりにコットンについてきた。悪い前兆で無いよう祈るばかり。消毒液は北川犬猫病院長が出してくれたマスキン液を希釈したものを使用。服用している抗生剤の作用なのか、膿皮症は白いフケのようなものが認められるものの、ひどくはなっていないことも確認。


起きている時間は短く、すぐどこでも寝てしまうことに変わりない


9月25日
 二日間冬眠のようであったジェッシーは、先ほど仕事から帰宅すると、尾を振り、嬉しそうに出迎えてくれた。排泄のために外へ出してあげると、一瞬、小走りするような足のステップさえ見せていた。今は再び、私の膝の上で寝ている。
 夕食後には、悪くなってから暫く入ることが無かったベッドに収まり、寝ているのを見つけた

9月24日
 一昨日とは一転、昨日から食事以外は元気がなく寝てばかりいる一日。ボブ達がドタバタと暴れていたり、少々触ったぐらいでは起きない。呼吸のタイミングで小刻みに震えることもある。
 再び食事を摂れるようになってから、徐々に水を飲む量が増えている。食欲共に甲状腺機能低下症の何らかの影響が出ているのだろうか。
 
 前日に北川犬猫病院長からジェッシーの様子や、MRI画像の送付が可能であることの連絡を頂く。気にかけて頂きとても有難い。ジェッシーが平衡感覚に問題なく、車に安定して乗っていられるものであれば、ジェッシーの病歴を知っている先生に診てもらうのが一番の願い。しかし現状では都内まで運ぶのは無理がある。

 そしてこの日は地元でお世話になっている獣医のところへ点眼薬を受け取りに行くついでに、MRI画像についてや、甲状腺機能低下症について再度話を伺わせて頂く。MRI画像については、それを活用しての診療を行わないため、必要無いとのこと。しかし何かを尋ねれば、とても丁寧に判り易く説明下さる良い先生ではある。が、今までと異なり、私の感じているジェッシーの容態に対する対応に、少し温度差を感じ、それをどう解決していこうかと思うと少し気が重い。
 
9月22日
 前日と状況は余り変わらず。朝食は定量のフードに鶏ムネ肉とかぼちゃを少量、間食。見えていた方の左目にわずかに黄色みがかった目脂が認められたため、洗浄液で洗眼後に抗生剤目薬を点滴。左目にマイボーム腫があるが、観察していると、甲状腺機能低下症など体調により、その成長が速かったり、自然と取れていたりする。体調が良いときには殆ど成長しない。このところはすぐに大きくなり、自然と取れてしまうが、時に少量の出血有り。朝5時の排便も無し。いろいろと考え、甲状腺機能低下症の薬チラージン5錠服用のところを3錠に減らした。その後、昼前頃より起きている時間が長くなり、甘えや食べ物の催促をするようになった。長い眠りから覚めたような変わりように驚く。
 

 目がはっきりとしている


 このときは自ら外へと歩き出し、その場で伏せてしまうことも無い


 ジャックに挨拶


 手さえかけることができなかった、玄関のこの段差を自力で上がることができた

 地元の獣医院に夕方受診、チラージンを増やした後の様子と、勝手に減らした後の様子を伝え、Webで調べた際の疑問点である感染症を患っている場合の甲状腺数値は低目に出ること、投薬量を一気に倍にした際の身体への負担などを尋ねた。

 チラージンを服用せずに受けた血液検査の結果の数値が低かったため、やはり今までの倍量の投薬量が必要だが、不安があれば段階的に増やし、4週毎くらいの間隔で検査を行なってみようとの回答。この日も白血球などの血液検査を行い、三枝先生が以前行って下さった薬剤耐性試験結果を元に抗生剤を変えた、と処方されたのは動物用ウェルメイト錠100。一日一回の服用で良いとのこと。その他二種類いのビタミン剤も継続となった。

9月21日
 前日辺りより意識のある時間はさらに短く、いつもは目で見送る私の出勤時になっても身体を揺すっても眼を覚まさない。帰宅した際、同じところで同じ姿勢で横たわっている姿を見て、一瞬、ドキッとしたが生きていて安堵。今まで見られなかった、敷居や廊下の中間辺りで倒れ込むように寝ていることがあり、心臓の鼓動も大きいような気がする。心拍数は96~98/min。このところ順調だった日に二回の排泄も一回となり時間もずれている。

 甲状腺機能低下症の投薬量が一気に倍になった影響なのかが気になる。Webにて、低下症の投薬量が多過ぎると中毒になる場合があるという記載や、他の病気を抱えている場合は甲状腺ホルモンの値が低くなるため、真の甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモンが低いのか,他の病気によりホルモンが低値を示しているのかの鑑別が必要という記載も発見。それらを含め、明日または明後日の受診時に確認予定。

 参照したWebページ
 JBVP 内分泌の病気
 犬甲状腺機能低下症の診断とモニタリング
 ウィキペディア甲状腺機能亢進症
 ペットのお薬ノート 
     

9月20日
 昨夜から甲状腺機能低下症チラージンの投薬量を増やしている。食事以外はこん睡状態のように眠り続けていて、今朝は排泄もしなかった。私の出勤時も、身体を触っても目を開けることなく、心配であったが、帰宅後、ジェッシーの寝ている前の床を叩くと、薄眼を開けて嬉しそうに反応した。その後再び眠りに付いている。投薬量が増えたことで身体が何か混乱しているのか、要様子見であることには違いない。身体の震えは無い様子。耳の汚れや悪臭も無し。鼻が乾燥するためか、鼻づまりは変わりなく、薄黄色の鼻水が出ることがある。鼻糞を麺棒などで取ろうとすると、嫌がり噛みつこうとした。今まで噛みつくなど攻撃性のある行動は取ったことがない。病で脳のメカニズムに変化があったと思われる。

9月19日
 この日は再び、深い眠りについていることが多く、一日置きに少し良かったり、また悪かったりの状況が続いている。生命の危機からはどうにか脱しているため、体力がついて少しずつでも良い状態が増えていきますよう。
 地元の獣医から、先日受けた血液検査のうち、甲状腺機能低下症の値が良くないため投薬量を増やすことについて連絡を頂く。今回の一連の症状で、さらに値が悪くなっているような気がしていたため、少しでもジェッシーの身体が楽になるようにしてあげたい。次の連休には抗生剤や目薬が無くなるため、再度診察に行くことになっている。

9月18日
 今朝は相変わらず寝てばかりの時間帯が多かったものの、わずかな時間ではあるがテラスでの日光浴を行った。目と耳が悪いせいか、匂いを嗅ぐ行為が目立ち、何もすることができなかった一時に比べると、生きていることを味わうような行動が増えてきている。
 
 
 やはり美味しい匂いでもするのか...

 夕飯時にはふらつきながらも食卓まで歩み寄り、座卓に顎を乗せて食物を欲しそうにしていた。



 一喜一憂の日々であったが、ここまでくればもう大丈夫。再び、細菌が活動を始めて同じような状況が訪れる日が、どうか一日でも先延ばしになりますよう。

9月17日
 地元の獣医にて血液検査を行い、白血球数がまだ高いことを知る。三枝先生がメール添付下さった治療経過概略を元に抗生剤を処方頂き、他に脳の障害に良いとされるビタミン剤も処方頂く。
 朝絶食だったためか小刻みに震え、一層元気が無い。診察後、病院に常備してあるクッキーをあげたところ、むさぼるように食べ、元気が出てきた。帰宅後に食事を与え、震えることもなく再び深い眠りに就く。
 
 
 好物のヨーグルトが嬉しそう

 その後、夜になってから私の足に前足をかけ、抱っこしてくれとばかりに後ろ足でわなわなと立ち上がり、今回、悪くなってから初めて、甘えの表現としての行動を取ることができた。一時はミイラのように骨と皮だけになってしまったが、足の筋力も戻りつつある様子。

9月16日
 昨日と同様、トイレと食事以外は一日の殆どを目を閉じて寝て過ごす。食欲は十分にあり問題なし。2キロ減った体重がなかなか戻らないため、ヨーグルトやカボチャ、マグロ刺身などの好物を少量追加。目の渇き防止のための目薬ヒアルロン酸3%が無くなりそうであったため、以前、緊急搬送した近くの獣医へ。ジェッシーは平衡感覚がおかしいためか、車に乗るのも身体を安定させることが出来ず、辛そうにしている。この状況で都内まで通院するのは無理があるのではと思い始める。



 何かあったときにすぐ診てもらえる獣医を地元で確保しておくべきだとも思い、緊急搬送時に診て下さったここの獣医に現状を伝える。とりあえず、今まで使用した投薬の一覧などを準備することになった。シルマー・ティアー・テスト(STT)で両目の渇きも計って頂き、顔面麻痺からか涙が一滴も出ていない状態に加え、黄色っぽい粘液性の目脂も認められることからティアローズ点眼も処方頂く。明日、血液検査を改めて行うことになった。

 夜、三枝先生にも報告を兼ね、メールにて連絡。研究会等の準備で多忙中にもかかわらず、その日のうちにジェッシーの治療経過概略を作成下さり添付にて返信下さった。三枝先生は患畜への医療ばかりか、愛情をも分けて下さっていたことを思い出す。感謝。

 この日のジェッシー

 身体を触っても目覚めず寝ていることが多い

9月15日
 今日は少し元気が無い。トイレと食事以外は寝てしまっている。テラスに出たそうにしていたが、出してもすぐにその場で寝てしまう。食欲は元に戻り、時間をかけて自力でフードを食べることができている。左頬側辺りにフードなど僅かにためているため、舌か頬の筋肉が軽度のマヒがあるように感じる。数日前から鼻が苦しそうであったが、見ると大きな鼻糞が詰まっていた。悪臭有りのため三枝先生にメールで現状を伝える。一時的の可能性もあるが、中耳炎後に使用するという抗生剤の注射のお話を頂く。

9月12日
 昨夜から引き続き自力でフードを完食。顔の表情がやや豊かになり、目を覚ましている時間も今までより長い。歩行は相変わらずよろよろしているが、即、命に関わる危機というものを脱したと確信。

9月11日
 痛みどめを中止したためか、顔の表情がはっきりしてきたように思う。誰かが何かを食べていると、顔を上げて、欲しそうな顔つきをしていることに気付く。手足に力が入らず、すぐに伏せて寝てしまうことが多いが、よろよろと歩きまわることも増えている。震えは変わらず、小刻みなときと呼吸に合わせてブルブル震えるときがある。食事中・食後、そして睡眠時には震え無し。
 夕食は自力で通常量のフードを完食。人間の夕飯時にさらに欲しそうな目で訴える。側を離れない。まだまだガリガリではあるが、このまま食欲が戻るようであれば、そろそろ栄養バランスに気遣わないと思わぬ余病の恐れも出てくる。普段は健康のため、余計なオヤツも余り与えない。抗生剤は残りあと三日分。

9月10日
 このところは一日置きに良かったり、悪かったりの波がある。しかしほとんど一日中寝ているか、起きていても辛そうな目をしている。通院前後のときのような痙攣はその後起きていない。耳のぶるぶるをしようとして出来ず、足に力が入らない様子。耳の汚れは殆ど無い。汚れが自然に排出出来ないのではないことを願うばかり。悪臭も無し。
 
 柔らかくしたフードも少しずつ食べられるようになっており、蒸した野菜や鶏ムネ肉を共に完食。ヨーグルトや三枝先生に教えて頂いた半熟卵黄やガラスープなどを取り混ぜ、一日三回に分けて与えている。舌が上手に使えず、手ですくって食べさせるため、顔の清拭まで含めると30分以上の時間を要する。両目の洗浄を一日二回、点眼は3~4回。

 そして今夜はなんと、普段の量の8割以上の食事をとることができた。
 
 あの衰弱ぶりを見て、すぐにお別れかと思われたが、もしかしてまだまだ頑張ってくれるのではという僅かな希望さえ持てるようになった。痩せこけた身体は、食べられるようになったことで、少し張りが出てきたようにも思う。
 
 となると気になるのが、今服用している強い痛み止めの副作用。少し調べたところ、長期使用は避けた方が良さそうな感じ。ジェッシーの震えが痛みなのか、脳内の何から来ているものなのかが判らないため、昨日からレベタンの服用を減らし、今日は与えていない。震えや辛そうな感じが増長するようであれば、再度与えれば良い。ちょうど今、17時近くになった時点でも、服用時と余り変わらず。私の膝の上で今は震えずに眠っている。明日辺りまで様子見の予定。


9月9日
 昨日よりは僅かに良いような感じ。私のあとを追ってよたよたと移動することもある。
 食欲はかなり有り、お通じも問題なし。かぼちゃとヨーグルトはおかわりしたそうな様子さえ見せた。ときどきガタガタと震えているが、寝ているときは震えずにいられる。レベタンという痛みどめの座薬を入れた後は震え方も小さい。尾は下げたまま。トイレの失敗無し。

9月8日
 かぼちゃ効果がうまく作用し、昨日は一日二回排便することができた。今朝もヴァレンシア達が朝散歩に出ている間にトイレシートで行っていた。色形良し。トイレシートで滅多に排便したことが無いが、私が戻るまで我慢できなかった様子。
 しかし今朝は余り元気がなく、ヨーグルトや療法食を余り食べない。寝てばかりいる。


9月7日
 前日に引き続き、さらに少し食べられるようになっている。ガタガタと震えることも少なく、トイレはマナーベルトをしているにも関わらずトイレシート上で行っているため、パッドを外す。ストーカー業も40%程復帰。
 小4の子のソフトボール試合会場への送り届けに合わせ、ジェッシーを連れ出す。太田和というところの自然豊かな場所の草地に寄り道。草や土、小さな沢の匂いを嗅いでいる姿に連れ出して良かったと思う。6日程もお通じがなくて心配していたが、思ったとおり、ジェッシーのものとは思えぬほど大量に排便。やや柔らかいものの特に問題無し。知らぬ場所での匂い取り刺激と、かぼちゃ効果に感謝。さらに匂いを嗅ぎながら自ら歩きだしたが、小石や草の根で身体が転がってしまうため、外気の刺激を少しだけ味わってもらい、車に戻る。
 その後自宅にて、野菜と鶏肉入りのスープと薄めたポカリスエットで水分補給。さらに欲しそうにしたため、ヨーグルトを与える。アメコカの食に対する貪欲ぶりが戻ってきつつあり、嬉しい。散歩を終えたボブ達がテラスで足を洗っていると、窓に張り付き、出たいそぶりを示す。久しぶりに3頭一緒にテラスで寛ぐ。

 テラスでは目を瞑ってばかりいた昨日までとは明らかに違う。尾はときに少しだけお尻から浮かせている。久しぶりに顔を持ち上げたり、ブルブルと頭を振る仕草も出来た。

 水分はシリンジで日に数回に分けて与えていたが自分でも飲めるようになっている。しかし念のため、以前緊急搬送した近くの獣医にて脱水状態を確認していただいた。脱水状況を計る肌の弾力戻りがまだ多少良くないとのこと。目の乾燥も変わらぬため、ヒアルロン酸3%点眼薬を処方頂き、皮下補液も行って頂く。

 案じていた目脂は洗浄液使用後、黄色味はなくなり、右目は殆ど汚れなくなっている。見えている方の左目は透明な粘液っぽい目脂がときおり出るようになった。


今朝




昨日までは起きていても目が閉じ気味だった


 
 
 排便ですっきりしたら、困ったことに臭いおならを何度も噴出。腸の動きが活性化されたのだろうか。


9月6日
 投薬の効果か、3日程前から僅かずつでも食べ物を口にしたためか、このところで一番体調が良い。柔らかい鳥ムネ肉を与えたいと思い、鍋に水を入れて肉をボイル、沸騰したらすぐに火を止め、蒸らす方法で調理。かぼちゃは蒸し、他にヨーグルト、白米、栄養バランスを考えて療法食も与える。一日三回に分け、トータルで通常の1食分の半分ほどは食べたであろうか。震えていないことがあることに気付く。尾はピッタリとお尻につけたまま。歩行も前日よりも遥かにしっかりとしている。奇跡が起きるのか、一時的なものか...。




9月5日
 二日ほど前から、わずかではあるものの鳥ムネ肉や高栄養パウダーベテリナリーダイエットを与えていたためか、部屋の中やテラスで歩行するようになる。目もわずかに輝いているように感じる。耳の汚れが再び認められなくなった。匂いも余り無い。先日処方された新たな抗生剤が効いてきたのだろうか。この現象が良いことか、悪いことかは判らないが、内圧が上がっていないことを祈るばかり。菌が死滅して、奇跡が起きますよう。5日程も排便せず。


9月4日
 昨日のように調子が上がらない様子。寝起きは特に調子が悪い。身体が硬直しているような感じで両手を突っ張ったような態勢を取ることが多い。その時の顔はなぜか天井を向いている。
 大好きだったドライフードはもう食べようとしないため、高栄養パウダーに加え、初めてヨーグルトを与えたら好んで食べていた。その勢いで、やわらかくボイルした鳥ムネ肉も食べることができた。何でも良いから食べて体力を維持してほしい。水分は、なぜかテラスに出すと自分で飲むことができるが、室内ではシリンジから補給。口の中が乾いているため脱水状態に陥っているのではと思われる。明日にでも近くの獣医で補液を行ってもらおうと考えている。
 トイレはシート上に排尿しようとするが、トイレとの僅かな段差も辛そう。そのため、プラスチック製のトイレを外し、新聞紙の上にシートだけを敷いてみたところ、トイレ時の身体の回転がやや楽になったようだ。


9月3日
 朝は調子悪かったものの、なぜか起きている時間が前日までより遥かに長い。ストーカー業もわずかに復活。小さく割いた鳥むね肉を食べることができた。ネット注文しておいた高栄養パウダーベテリナリーダイエットを与える。液状のものはシリンジではなく、自ら飲めるようになった。


9月2日 
 こん睡状態のように寝ていることが多く、身体を触りながら声掛けしても反応無し。食欲も無い。犬用高栄養カロリードリンクと、ポカリスエットを倍量に希釈しシリンジで強制的に与える。しかしながら用足しはトイレシートで行なおうという意識だけはあるようで、突然よろよろと立ちあがり、的を外しているもののシート上で腰を落とす姿に涙が出る。寝るときは震えていたが、夜中に布団の上で座り込んでいた。


9月1日
 ガタガタと震えてばかりいるものの、痛み止めの座薬を入れて30分ほどすると震えは小刻みになり、痛みが軽減されている様子。フードの匂いを嗅ぐものの食べなくなった。鳥肉も食べない。目が辛いと訴えている。見えていた左目も怪しくなってきた。


8月31日
 殆ど一日中寝ている。眠りが浅いときはガタガタと震えている。この日からフードを残すようになった。見ると、口の中にフードをためこんでいる。咀嚼や嚥下が困難になってきている様子。

8月30日 受診日


8月29日
 出勤日であったが、家族の吐き気による風邪のために早退。帰宅すると、夏休み中の小6の子供が「ジェッシーが凄い声をあげて手足がつっぱって、目の玉も飛び出そうだった。そのときにお漏らしをしたよ。」と私に伝えてきた。粗相したものは片づけてくれていた。子供達も皆、ジェッシーの異変に心配そうに気遣っている。その後、私の目の前で同じ現象の発作が起きた。

 学会や研究会を控えている三枝先生に、このところ毎日のメールを申し訳無いと思いつつ、再び状況を報告。すぐに返信を頂く。

 ジェッシーの身体に起きている異変は、脳に炎症を起こしたことによる予測されたものであり、今後は頻度が増え、ジェッシーの痛みも相当激しくなるであろうとのこと。震えているときは痛いときであること、入院して再度抗生剤の点滴を行うことは可能であるが、前回のように効果が上がるかが疑問であること、また、同じ繰り返しになってしまう可能性が大きいこと、脳に炎症をおこしているため、入院中に亡くなる可能性もあること、最終的に痛みが強ければ安楽死も視野に入れて検討する時期がきたのかもしれないという回答であった。
 
 MRIやCTを撮ったあとの診断で、内耳炎から脳内の骨や周辺の神経に炎症が波及し骨融解も起きていることを知った。視神経も近くにあるため、右目が見えなくなってきており、口の中の神経も同じようである。そのため、ジェッシーは余り長生きしないのではと感じていた。

 しかしながらまだ食欲は有り、痛みが少ないときには私の移動する方向を目で追う仕草をすることもある。トイレシートを目指して自分で歩いていくこともできる。だから命を終える時が迫っているなんて全く信じられない。安楽死については全く考えられない。ジェッシーが助からないということ自体が考えられない。まだ8歳になったばかりである。

 

 けれども日々、目に見えて悪くなっていることは事実。少し調べたところ、アメリカでは脳炎を起こした犬猫は安楽死を選択する事は珍しくないのだそう。それほど痛みは強く、治療は届かず、苦しませたくないということのようだ。


 ジェッシーの身体に起きている異変が深刻なものであると受け止めているものの、一連の現象と早苗先生からの回答に気持ちが追い付かずにいる。ステロイドや他の手段等についての質問を兼ねて再び返信。



 そして翌日、診察日を迎える。


8月28日
 プレビコックス投薬後にあたる、寝る前散歩時には一緒に行きたいと意思表示をする。それ以外の時間帯は、外はほとんど歩けず、地面に下ろすと立ったまま震えている。テラスなら少しだけ歩くことができる。しかしテラスでは排便せず、玄関前に出して排便を促す。トイレの粗相をするようになってきた。トイレを目指してよろよろと進むが間に合わず。ショックな顔付きをしているため、大丈夫と声掛けをする。このころからガタガタと震え方が酷い。痛みが強いのではないかと、三枝先生にメールにて連絡。


8月27日
 トリミング後は数日元気であったが、再び尾は下がり、下を向いて震えてばかりとなった。しかしながら寝る前散歩時に一緒に行くと行動で示し、抱っこにて近所のマルコちゃんと一緒に散歩へ出る。座り込んで殆ど歩けない。その後、寝てばかりの日が多く、四肢に力が入らない様子。食欲は問題無し。トイレも粗相無し。三枝先生にもその旨を連絡。


8月25日
 脳皮症が広がったためと、比較的体調が良い様子であったため、予定通りトリミングへ。迎えに行くと、あのよたよたジェッシーがなんと、私を見て走ってきたのでとても驚く。トリマーさん曰く、置いていかれまいと、よたよたしていられないと思ったのではないかと。確かに、ジェッシーは私へのストーカー業をよたよたしながらも遂行している。


8月22日
 その後再び散歩欲が出たものの、フロアで横になっていた際に足が上手く動かないのか、そのまま起き上がれなくなった。足をばたつかせてもがいている。介助して起こし、その後はいつものようによろけながらも歩くことは出来ている。爪を引きずって歩くような感じがあり、気になる。状況が少しまた悪くなっているのかなという感じ。夜の消毒時には右耳の耳垢がいつもより少ない。また中で詰まって内圧が上がっているのか。


8月15日
 麻痺がやや進行した様子。舌が使えないのか、フードを口で拾ってはこぼしてしまう。時間をかけて完食。オヤツのジャーキーにも食欲を示す。今まで自由に昇降できた玄関のたたきや少しの段差で転がってしまう。散歩欲は無し。右目の目脂が再び著しく、薬局でホウ酸を購入し希釈にて目の洗浄を行う。退院後、しばしば三枝先生とジェッシーの様子をメールにてやりとり。三枝先生からのアドバイスで、ホウ酸水を刺激の少ない人間用の目の洗浄液に変更。


8月11日
 投薬後、劇的に改善。
 失明してしまうのではと思ったほどの右の黒目部分が真中に戻った。お尻にピタッとくっつけていた尾も、やや斜めではあるが上がっている。再び尾を振るようになる。大きな声での声がけに反応する。散歩欲も出始め、ボブ達が散歩へ行く準備をしていると、玄関先へ出てきて尾を振り、一緒に行きたい様子を示す。朝5時のトイレ散歩時に玄関から10mほど歩いた。トイレは粗相することなくシートで出来ており、食欲は十分にある。


8月4日
 なんとなく元気がなくなる。尾は下がったまま。右目の白目の充血著しく、黄色い目脂が出始める。両耳とも聞こえが悪いか、全く聞こえていない様子。大きな声掛けに反応無し。処方された投薬が終わっており、そのせいではないかと三枝先生にメールにて連絡。三枝先生には何かあればすぐに連絡、プライベートな時間であるにもかかわらず、すぐに返信を入れて下さる。宅配便にてプレビコックスや抗生剤等の薬を送付頂く。


8月31日通院日

2013-09-05 17:33:19 | 外耳炎・中耳炎・内耳炎
ようやくという思いで迎えた通院日。

三枝先生からは、気兼ねなく時間がとれるようにと、午前中の最後に到着するよう出発してとメールが入っていた。

出発準備中、外出時に使うリードやハーネスを玄関のクローゼットから取り出していると、一緒に行かれるものだと判っていたジェッシー。置いていかれまいと、よろよろと歩こうと試みるが思うように進まず。

抱き上げて助手席に乗せる。

一緒に行かれると悟り、安心したのかすぐ眠りに付いた。



この日の湾岸線経由の首都高は、5号線北池袋で下りるまでの間、とても空いていた。


天王洲アイル付近

病院へ到着すると、顔なじみの受付の方がすぐに声掛けして下さった。この方にもとてもお世話になっているばかりか、常に患畜の状況を把握していて、的を得た言葉掛けに思わず涙がこぼれる。


病院でもフロア上で寝てしまう

三枝先生からは先日のメール内容とほぼ同じお話を頂いた。MRIやCT画像を見ながら説明下さり、内耳の触れてはいけない領域も侵されていること、前回の抗生剤点滴も一時的な効果しか上がらなかったこと、再度入院加療しても同じことの繰り返しになるばかりか、前回のような効果も上がらない可能性が大きい。

入院時に亡くなってしまうことも考えられるため、二度と会えなくなっても後悔しないなら預かって点滴を行って下さるというような内容であった。現在の医療ではジェッシーのケースで外科的処置での根治は不可能。脳に炎症があると、麻酔から目が覚めないケースも少なくないということであった。

「助けてあげられなくてごめんなさい」という言葉を聞き、涙が止まらない。

とても優しくて、医療に熱心で、親身になって考えて下さる三枝先生も、このような言葉を伝えるのは辛いことであろう。ジェッシーをどうにか救ってあげたいと話されていた三枝院長先生、支える他の先生方やスタッフの方々にも言葉にならぬほど感謝している。


初診時の頃、三枝先生から可能であればMRIやCTを撮っておいたほうが良いという話があったことを思い出す。その言葉をもっと真剣に受け止め、早期に診断してもらっておけば、もしかして間に合ったかもという気持ちは拭えず。そういえば、ジェッシーのような耳垢腺の過形成が耳の奥にびっしりと出来ていて、耳の中が何も見えないというケースは初めてだと言っていた。北川犬猫病院へ行く前に通院していた数か所の獣医で、副腎皮質ホルモンや他の軟膏、点耳薬等を頂き、検査もせずに長期間使用していたことも、外耳炎を悪化さえる原因の一つに思えてならない。

いずれも、私自身の選択が間違っていたために、ジェッシーの命を閉ざす結果になったのかもと思うと、辛さで胸がいっぱいになる。ジェッシーはまだ8歳になったばかり。もっともっと生きていたいだろうし、私もまだお別れしたくない。


脱水を起こしていたことも判り、補液中

この日は血液検査も行って頂いた。一カ月程前のMRIを撮ったときに比べ、白血球が26200と、正常値上限17000に比べかなり高い。肝臓の数値も各項目で悪くなっている。

結局、ジェッシーを家に連れて帰ることにした。入院中に亡くなるというリスクがある限り、治る見込みもないのであれば置いて帰れない。治らないのであれば、家族の側にいることがジェッシーの願いでもあると思う。


会計を待っている間、三枝先生がジェッシーにオヤツを用意すると...



寝てばかりのはずのジェッシーが、よろけながら近づいていった。食べたいんだよね、ジェッシー。生きようと頑張っているんだよね、ジェッシー。


先生は大きすぎるからと、口で割ってから与えて下さる。


この頃はまだ、固形物を食べることができていた。


そして、復路も空いていた湾岸線。



家に戻れると判り、安心して爆睡中のジェッシー。このところ、コート全体が急激に白くなった。



私にはもう抱きしめてあげることしかできないのだろうか。


涙のベイブリッジ


こんなに悲しい思いでベイブリッジを渡るのは初めてだ。