放射能汚染廃棄物を大気中ばら撒く『環境省』
最悪方針一放射能がれき焼却処理
放射性物質は、焼却することによってチリ状となって大気中に放出され
焼却施設から風下に運ばれ、ホットスポットをつくることになる。
焼却しても決して無くならないのが放射性物質だからだ。
そして、焼却施設の周辺住民は被爆し続けることになる。
多くの国民を平気で被爆させる方針を決定した環境省の責任者は、
犯罪者としてこの問題を問われるべきだ。
<究極の有害物の焼却・埋め立てという最悪の方針捷示>
環境省は、福島県内の136箇所の仮設置き場の放射能汚染されたがれきの処理方法として、約30%ある可燃ごみは市町村の焼却炉で燃やし、残りの約70%の不燃ごみは除洗すらせず、埋立て処分する方針を決めた。環境省の肝いりで作られた「災害廃棄物安全評価検討委員会」(=有識者検討会)の第3回検討会(6月19日)がこの焼却・埋立てと言う通常処理の安全性を確認したとマスメディアに流した。
<ごみ焼却は大気を捨て場とする処理方法>
しかしちょっと待って欲しい。福島のがれきの放射能汚染は、第1原発から今も放出されている放射性のチリや灰が付着したものである。「放射性物質及びその汚染物質」は、究極の有害物である。通常の廃棄物と同様に焼却や埋立て処理してよいと言うのは、誰が聞いても首をかしげる方針である。ちなみに放射性物質は、焼却したからといって無くなる訳ではない。むしろ微細なチリとして大気中に飛散させ、清掃工場周辺部を汚染する。その上焼却灰に濃縮された形で残し、保管一つを取っても後処理を困難にする。清掃工場周辺の人はたまったものではない。
同様に放射性物質を飛散させることができるからと、がれきに向かって工業用の扇風機で風を吹きかけたり、消防用の放水ホースを使って水を吹きかけ、周辺に飛散させたとしたらどうだろうか?その風や水を吹きかけられる方にいる人は、きっと反対するに違いない。
“火”“風”“水”を使って飛散させる事は、放射性物質の拡散でしかなく、これで何事かが前進したとするのは、世界の笑いものになる。
<ごみ焼却炉は放射性物賞の分解除去装覆ではない。>
これまでの事例でも高濃度有害物の処理は、市町村の焼却炉や通常の汚染除去プラントでは、除去できない事が分かっている。
例えば850度以上の高温度で殆ど分解されると言うダイオキシンでも、大阪能勢町の焼却炉から見つかった高濃度のダイオキシンは、焼却炉で分解処理することができず、ドラム缶に入れて長い間保管した。八王子の農薬会社跡地が高濃度の水銀で汚染されていた問題では、水銀回収プラントを設置し、土壌の除洗を行った。汚染土壌を順番に高温度に加熱し、土壌から水銀を蒸発させ、その蒸発させた水銀を冷却して回収し、その排気を放出するプラントである。ところが、汚染度が高く、水銀を回収した跡の排気中の水銀濃度が高く、その排気を吸った周辺住民が、倒れたり体調が悪くなって大騒ぎになった。
市町村の焼却炉は、元々有害物の除去装置として造られたものでない。市町村の街中から排出される可燃ごみの量を減らす減容化のための手段に過ぎない。バグフィルターなどの除去装置は、焼却の過程で産み出される有害物や吐き出される有害物を除去するための装置に過ぎず、高濃度に放射能汚染されたものを除去分解できない。
<世界で初めての暴挙>
放射能汚染廃棄物を焼却炉で燃やせば、放射性物質を拡散させる。これは原発による放射能汚染の2次被害をもたらす事であり、私も入っている廃棄物循環学会の専門家なら分かることである。正直言って世界で初めての暴挙である。
ところが、マスメディアは、「毎日」以外焦点を外している。焼却灰の埋立ても問題であるが、焼却しなければ焼却灰はでない。福島県内には、バグフィルターを備えた清掃工場は12箇所あるが、そこで燃やされ始めれば、福島第1原発に加え、放射性物質の発生源が、一挙に13箇所に増やしてしまう事となる。清掃工場の焼却炉で燃やされ、チリ状に分解された放射能の灰は、除去装置でもとりきれず、周辺部に降下する。汚染は、年間の風向き方向や煙突の高さによって、高濃度に汚染される場所が決まってくる。新たなホットスポットが作りだされることになる。
<焼却処理しようとしているがれきは、汚染基準を越えている>
今回の環境省の方針の最大の問題点は、バグフィルター等を備えた焼却炉で燃やせば、がれきの放射能汚染のレベルにかかわりなく、汚染は解消されると方針化した点である。がれきの汚染レベルについて何の注釈もなく、136箇所のがれきは燃やしてよいとしているのだから実質何でもOKとしていることになる。
では、今回焼却炉で燃やしてよいとしているがれきの放射能汚染の実態は、どのようになっているか?
有識者検討会に提出されている資料(*4)から読み取ってみると、環境省の調査の結果、がれきの放射能汚染は、・1m離れたところでの空間線量率が、約0.2~2.4〃Sv/h(毎時マイクロシーベルト)
・放射能濃度(C s134+C s137)が約0.1~5B r/g(1グラムあたり0.1ベクレル~5ベクレル)100~5000B r/kg(1キログラムあたり100ベクレル~5000ベクレル)となっている。
このがれきの空間線量率は、政府が当初示した基準値である「年間20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルト」の値と比較すると136箇所とも絵に書いたように下回っている。
しかしこの政府の20ミリシーベルトという基準値は、首相の参与の小佐古敏荘東大教授が、涙の辞任会見を行い、否定した値である。国際的には、6月22日に千葉県の野田市が、住民の要望を受け、定めた「年間1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロシーベルト」の値がICRP(国際放射線防御会)の定めた基準である。
今回焼却してよいとするがれきの空間線量率は、時間当たりは、すべて0.19〃Sv/hより大きく、10倍近い汚染度のものもある。
また放射能濃度も、従来放射性廃棄物の判断の基準としていたセシウムのクリアランスレベル0.1Br/g(1グラム当たり0.1ベクレル<=1キログラム当たり100ベクレル>)の1倍から50倍もある。
つまり環境省が、今回焼却処理してよいと言うがれきは、国際的基準や従来の国内基準から見れば、取り扱いを注意して行わなければならない放射能汚染廃棄物である。
<放射能汚染廃棄物の焼却実験なしの机上の空論>
今回燃やそうとしているがれきは、明らかに放射性廃棄物として認定される有害物である。それにもかかわらず、/環境省の方針では、a「バグフィルターを設備として備えている市町村の焼却炉で燃やしてかまわない」とした。
福本勤精華大学講師一工学博士は、放射性物質を焼却すれば微細なチリとガスが発生し、これらがバグフィルターで除去できるかどうか実際の焼却炉を使って実証実験する必要があるという自身の見解を関係者に送っている。ところが今回有識者検討会に提出されたどの資料を見ても、実証実験した報告資料はなく、バグフィルター付きの焼却炉で燃やせば、周辺環境や生命・健康に影響ないとしている。
私は、廃棄物学会(現在は廃棄物資源循環学会)に入会して約20年になる。その経験から言えるが、もし環境省が放射能汚染廃棄物をバグフィルター付き焼却炉で燃やしてよいと学会に報告したとすれば、実験例がなく、理由の希薄さゆえに多くの疑問が出され、結論の撤回を求められることは間違いないといえる。
実際環境省の担当者に、放射性物質を焼却処理し、バグフィルターで確実に取れるという実験を誰かやった事があるのか、と聞くと驚いた事に、これから実証実験をするという。
* 4 第3回有識者検討会資料「図12災害廃棄物の放射能濃度の上限と平均放射線量」
↑↑引用元:http://www47.atwiki.jp/tsunamiwaste/pub/aokiyasusi0717.pdf
汚染がれきの焼却施設から、放射性物質が放出されている証拠が発見された
放射性物質が通り抜け福島市の「あらかわクリーンセンター」では、集塵機能の高い「バグフィルター」を使っていたにもかかわらず、「バグフィルター」を通り抜けたとみられる放射性セシウムが大気中に放出される寸前の煙突部分で検出された。環境省が放射性セシウムの捕捉に有効とする「バグフィルター」が放射性物質を捕捉しきれなかった衝撃は大きく、関係者に困惑が広がっている。
焼却施設で爆発などのトラブルが発生すれば、風下の首都圏全域に放射性物質が飛散の恐れ
清掃工場内や焼却炉が放射性物質で汚染されるため、事故やトラブル発生の際、修理等の対応が困難になる可能性が高い。さらに焼却施設や焼却炉で故障やトラブルによる火災が発生したり、爆発で破損した場合、施設周辺だけでなく東京都内など首都圏全域に放射性物質が飛散、降灰する恐れもある。
↑↑引用元:http://ameblo.jp/kikikanri-h-arai/entry-11121128807.html