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SCM実話 桜庭支配人の現場一直線 第四話

2020-06-16 11:13:40 | SCM ノンフィクション劇場
 桜庭支配人の現場一直線 第四話



<登場人物>

桜庭支配人~ このシリーズの主人公。
株式会社アジア開発 入社2年目の新人にして現場の支配人の辞令を受けた。
35歳 結婚式場の責任者の経験はまったく無く、営業の経験も無い。ないない尽くしで自信もないまま 指導を受けて独り立ち上がる。
河野俊一~ 隣町の結婚式場の支配人。同じアジア開発の社員で、やはり支配人として人材派遣された。桜庭より1年早く入社して現場に配属されいた。30歳。
後藤部長~ハートロード結婚式場の営業部長。営業部10年目。現場のたたき上げで
     規則を守ることに厳しい。現場の鬼と呼ばれている。32歳
石原とよ~ バンケットマネージャー。ハートロード結婚式場の創立メンバーで、地元の顧客には顔きき役。親分肌で面倒見もよく、影のボスといわれている。52歳。
白石庄平~地元の生命保険のトレーナーで引退後も後輩の面倒を見ながら研修会に参加している中で桜庭と出会う。72歳。

大林友子~ハートロード結婚式場の専務婦人。フロント予約課課長。
内田悟~ハートロード結婚式場営業部課長代理。
柏崎理恵~ハートロード営業課長で最古株社員。営業の実力ナンバーワン。
小森友和~ハートロード結婚式場営業部主任。



後藤部長の仕切る営業部室で4名の営業マンと共に営業ミーティングが始まった。
桜庭も此処では一営業マンとして営業実績に責任を持つ立場になっていた。

しかも 営業マンとしての経歴は、お手伝い程度にかじった経験が2年ほどあるだけだった。ここでは10年近く営業一筋で経営を支えてきたベテラン営業マンが終結しており、
営業ミーティングでのやり取りに桜庭はまったく入ってゆくことも出来ず、ただ傍観してた。



「支配人は今月何件が目標ですか」
いきなり後藤部長からの質問にわれに返った桜庭は、返す言葉も無く、「何件って、、、、」
「獲得する自信が無いので、後藤部長の同行でしばらく一緒に回っていいですか?」
後藤部長はしばらく黙っていたが、
「分かりました、私だけというのではなく、4名に毎日別々に巡回して同行してもらいましょう。」
営業部は後藤部長を筆頭に女性営業マンだが常に営業実績ナンバーワンを保ち続ける柏崎課長、それから内田課長代理、小森主任と、実力派の営業マンがそろっていた。




こうして、おんぶに抱っこで、厄介者となったような気がした支配人は、面子も無くなったと嘆く暇も無く、心の中ではしきりに昨日の有島副社長の指導を思い起こしていた。
「飛び込め、考えている暇があったら、現場で一緒に汗を流して 現場の声を聞き続けるんだ。」

その日から昼間は営業同行に出て、お昼ごはんは社員と一緒に社員食堂で食べ、夕方の宴会のセッティングをバンケットのおばさんたちと協力して進め、その後又営業に出発した。
 それからは 仕事のスケジュールに追われる毎日が始まった。



 とにかく、現場で一緒に汗を流しなさい、という副社長の言葉が耳の奥に残っていて
頭でっかちの自分を捨てて、現場に徹しようと決めたのだった。
 夜は 宴会が終わる8時半頃に戻ってきて後片付けを手伝い、夜10時くらいに営業部室に戻ってきて自分の明日の日報を書くとともに 営業部員たちの帰りを待って報告を受け
最後に式場の全社員が帰るのを待って鍵をかけて帰宅した。
自宅に到着すると、大体夜の11時くらいになっていた。

 こんなスケジュール闘争のような毎日を無理やり過ごしながら、桜庭は、これだけ社員の仕事を手伝いながら一生懸命やっていれば、社員の反応もほぐれて 仕事もやりやすくなってゆくだろう、と勝手な期待をこめて日々を過ごしていた。




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