アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Supernatural 3-05 "Bedtime Stories"

2007年12月27日 | TV: Supernatural
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年11月1日】※グリム童話の世界が現実化。

夜。ニューヨーク州メイプル・スプリングズ。住宅地の建築現場。

建築業者の3人兄弟が狼(?)に襲われる。

ハイウェイ。車中。

サムは「クロスロード・デーモンを召喚してコルト銃で殺せば契約が無効になるだろう」と提案するが、ディーンはどうしても聞き入れない。
なぜなら、「契約を無効にしようとすれば、サムが即座に死ぬ」ことになっているからだ。
サムが思うように簡単に済めば良いが、失敗した場合の代償が大きすぎる。
2人はしばらく言い争うが、結局、ディーンの「年長の俺に決定権がある」という主張が通ることになる。

それはそうと、事件の話だ。
今度の件はどうも人狼の仕業に思える。

病院。

ディーンとサムは刑事に扮し、3人兄弟の生き残りであるカイルから事情を聞く。

Dean: I'm Detective Plant. This is Detective Page.

Led ZeppelinのJimmy Page(ギタリスト)とRobert Plant(リード・ヴォーカル)より。

ところが、カイルによると、「犯人は普通の人間だった」という。
ただ、腕にWile E. Coyoteの刺青をしていたらしい。
犯人は他の2人兄弟を殺した後、なぜか、カイルだけを逃がしてくれた。

Kyle: The guy... he killed my brothers. How would you feel?
Sam: Can't imagine anything worse.

ギャリソン医師によれば、殺された2人は内臓を取られていたらしい。
相手は人狼ではなく、デーモンなのだろうか?

昼間。森。

迷子になった若いカップルが一軒の古い家を見つける。
そこに住む優しそうな老婆が2人を招き入れ、いろいろ食べさせてくれた後、突然、夫の方を刺し殺す。
その様子を黒髪の少女が窓の外から眺めていた。

妻の方はどうにか逃げ、病院に駆け込む。
彼女の話を聞いたディーンとサムは早速、問題の家に行ってみる。
黒髪の少女が立っていたという窓のあたりに霊反応がある。

サムは「これは童話と関係あるんじゃないか?」と推測する。
人狼(?)に襲われた3人兄弟は『3匹の子ブタ』、迷子の男女は『ヘンゼルとグレーテル』だというわけだ。
グリム童話等はディズニー映画等によって「清浄」されたが、元々は残虐なストーリーが多い。
黒髪の少女は悪霊に憑依されて、グリム童話の世界を実現しているのかもしれない。
家の前には『シンデレラ』と関係ありそうなカボチャもある。
家の中に入ってみると、手錠をかけられた女性がいた。「継母に襲われた」のだという。

Sam: I've got a theory... sort of.
Dean: Hit me.
Sam: Well, thinking about fairy tales...
Dean: Oh, that's... that's nice. You think about fairy tales often?
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Dean: I thought all those things ended with everyone living happily ever after.
Sam: No, no, not the originals. See... the Grimm Brothers stuff was kind of like the folklore of its day, full of sex, violence, cannabalism. Now, it got sanitized over the years and turned into Disney flicks and bedtime stories.
Dean: So you think the murders are what... a re-enactment? That's a little crazy.
Sam: Crazy as what? Every day of our lives?
Dean: Touché.
------------
Sam: Then we got the three brothers, arguing over how to build houses, attacked by the big, bad wolf.
Dean: Three little pigs.
Sam: Yep.
Dean: Actually, those guys were a little chubby.
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Sam: (地面のカエルを見ながら) Yeah, you're right, that's completely normal.
Dean: All right. Maybe it is fairy tales. Totally messed-up fairy tales. I'll tell you one thing: there's no way I'm kissing a damned frog.
Sam: (ポーチのカボチャを指し示し) Hey, check that out.
Dean: Yeah? It's close to Halloween.
Sam: You remember Cinderella? The pumpkin that turns into a coach and the mice that become horses?
Dean: Dude! Could you be more gay?
Sam: ....
Dean: Don't answer that.

ディーンは黒髪の少女を見かけ、その後を追うが、彼女はリンゴを残して掻き消えてしまう。
リンゴといえば、白雪姫だ。
童話では白雪姫は老婆に化けた継母にもらった毒リンゴを食べて死ぬが、王子さまのキスによって甦る。
...ということは、おそらく、リンゴの毒は殺すためのものではなく、昏睡状態に陥らせるためのものなのではないか?
だとすると、黒髪の少女の実体は昏睡状態にあるのではないだろうか?

Sam: I think it's Snow White.
Dean: Snow White? Ah, I saw that movie. Oh, porn version anyway.

病院。

この病院で唯一、昏睡状態にあるのはギャリソン医師の娘、カリーだけだ。
ディーンとサムがカリーの病室を訪れたのは、ちょうど、ギャリソン医師がカリーに『赤ずきんちゃん』を読んであげている時だった。
ギャリソン医師は昏々と眠り続ける娘に童話を読んであげるのが日課になっていた。
カリーの肉体は10代後半だが、もう何年も昏睡状態が続いているので、心は少女のままなのだろう。
森の中の家に現れたのはカリーの生霊に違いない。

スーパーマーケットの駐車場。

老婆が買物をすませ、ヴァンに乗り込もうとする。
腕に刺青をした男が老婆の荷物を持ってあげるフリをして襲い掛かり、ヴァンを乗っ取る。

病院。

ギャリソン医師は「カリーは8歳の時に誤って漂白剤を飲み込んだんです」と話す。
それをカリーの母...いや、継母であるジュリーが病院に担ぎ込んだのだという。
ディーンとサムは「ジュリーがわざとカリーに毒を盛ったのだろう」と推理する。

先ほど駐車場で襲われた老婆が担ぎこまれて来る。
彼女はもう手遅れだった。
その死に様はまるで野犬か狼にでも咬み殺されたようである。

その老婆に孫娘がいると聞いたディーンは「孫娘が危ない」と救出に向かう。
一方、サムはカリーを鎮める術を見出さなければならない。

Dean: You find a way to stop Callie, all right?
Sam: What about you?
Dean: I'm gonna go stop the big bad wolf... which is the weirdest thing I've ever said.

小学校。放課後。

赤いフード付のトレーナーを着た少女(赤ずきんちゃん)が学校を終え、いつものように道路に停まっている祖母のヴァンに乗り込む。
ところが、ヴァンの中で待っていたのは祖母ではなく、腕にコヨーテの刺青をした男だった。

病院。

サムはギャリソン医師に状況を説明しようとするが、なかなか相手にしてもらえない。
だが、そのうち、ギャリソン医師も「8歳のカリー」の生霊を見たことがあると認める。
それにしても、まさか、ジュリーがカリーに毒を盛ったとは...!
でも、ともかく、カリーの心を鎮めなければならないのは確かだ。

Dr. Garrison: You're not a cop, are you?
Sam: No.
Dr. Garrison: Then who are you?
Sam: Someone who knows a little bit about this kind of thing.

赤ずきんちゃんの家。

刺青男が赤ずきんちゃんを食べようと襲い掛かったところにディーンが駆けつけ、手近にあったハサミを掴んで戦う。
その様子を8歳のカリーの生霊が眺めている。

病院。

ギャリソン医師は昏睡状態のカリーに熱心に話しかける。
すると、8歳のカリーの生霊が姿を現す。
ギャリソン医師はジュリーのことで詫び、「これ以上、人を傷つけるのは止めてくれ」と懇願する。
そして、カリーを解放し、死なせてやる。

家。

コヨーテの刺青の男が我に返る。
どうやら、これまでの記憶が全くないようだ。

病院。

ディーンとサムはギャリソン医師に別れの挨拶をする。

Dean: See you around, Doc.
Dr. Garrison: I sure hope not.

ところで、ギャリソン医師がカリーを解放したように、サムもディーンを解放すべきなのだろうか?

Dean: You know what he said. Some good advice.
Sam: Is that what you want me to do, Dean? Just let you go?

夜中。

サムはモーテルをこっそりと抜け出し、クロスロードでデーモンを召喚する。
サムはコルト銃を向け、「契約を無効にしろ」と脅すが、デーモンは意に介さない。

Crossroad Demon: What can I do for you, Sam?
Sam: You can beg for your life.
Crossroad Demon: We were having such a nice conversation. Then you had to go and ruin the mood.
Sam: If I were you, I'd drop the wisecracks and start acting scared.
Crossroad Demon: It's not my style.
Sam: ....
Crossroad Demon: That's not the original Colt. Where'd you get it?
Sam: ....
Crossroad Demon: Ruby. Had to be. She is such a pain in my ass. She'll get what's coming to her. You can count on it.

デーモンは「あなたは一応、こんな風に兄さんを助けようとしてるけど、実は彼が死んだ方がせいせいするんじゃないかしら?」と、せせら笑う。

Crossroad Demon: Aren't you tired of cleaning up Dean's messes? Of dealing with that broken psyche of his? Aren't you tired of being bossed around like a snot-nosed little brother? You're stronger than Dean. You're better than him.
Sam: Watch your mouth.
Crossroad Demon: Admit it. You're here, going through the motions, but truth is, you'll be a tiny bit relieved when he's gone.
Sam: Shut up.
Crossroad Demon: No more desperate, sloppy, needy Dean. You can finally be free.

いずれにせよ、契約を握っているのはクロスロード・デーモンではなく、彼女の上司なのだという。
だが、もちろん、その上司が誰なのかは教えてくれない。

Sam: Who's your boss? Who holds the contract?
Crossroad Demon: He's not as cuddly as me, I can tell you that.
Sam: Who is it?
Crossroad Demon: I can't tell you. I'm sorry, Sam, but there's no way out of this one. Not this time.

サムはコルト銃でデーモンを撃ち殺す。


≪トリヴィア≫

*今回、クロスロード・デーモンを演じたSandra McCoyはサム・ウィンチェスター役のJared Padaleckiの実際の恋人。

*いわゆる『グリム童話集』を編纂したヤーコプ&ヴィルヘルム・グリム兄弟は言語学者としても知られる。2人が童話集の元ネタ(民話・神話・伝承等)を集めながらヨーロッパ各地を巡っていた時、各言語間の音韻の相違にパターンがある事に気付き、それを体系立てて発表した『Deutsche Grammatik』(1922年刊)が比較言語学の始まりとなった。


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