アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Smallville 6-20 "Noir"

2007年06月09日 | TV: Smallville
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年5月3日】※タイトル通り、film noir風のミステリー。1940年のメトロポリスが主な舞台。

以下、「現在」はカラー画面、「1940年」はモノクロ(白黒)画面になっている。

現在。

夜中。デイリー・プラネット社の地階オフィス。ジミー・オルセンはクロエ・サリヴァンのために16mmフィルムの映写機やポップコーン等を奥の小部屋に用意し、モノクロのクラシック映画を見せてあげる。作品はハンフリー・ボガートローレン・バコール主演の『The Big Sleep (大いなる眠り)』(1946年公開)だ。ジミー自身はすでに何度も見ているらしく、全てのセリフを暗記している。ボガートがよほど好きなのだろう。

突如、銃声が響く。ジミーとクロエは顔を見合わせる。銃声は映画の中ではなく、本物らしい。

2人が急いで記者室に戻ると、男が階段を駆け上って逃げるところだった。ジミーは携帯電話で男の写真を撮る。

ふと気付くと、エレベーターのドアが開閉を繰り返していた。床に倒れた女性の足がドアに挟まっているのだ。近付いてみると、なんと、それはラナ・ルーサーだった。ラナの左胸には銃で撃たれた痕がある。

※この場面では左胸なのだが、その後、シーンによっては右胸になっている。

知らせを受けたクラーク・ケントがデイリー・プラネット社の正面入り口に着いたのはちょうど、ラナが救急車に運び込まれる時だった。ジミーはビルの内外の写真を撮りまくっている。ライオネル・ルーサーが意識不明のラナに謝り、「犯人を必ず見つけてやる」と誓う。ほどなく、レックス・ルーサーが到着し、「一緒にオペラを観てたんじゃなかったのか!?」とライオネルを責める。

ラナを追いかけてるはずのパパラッチはなぜか、1人も見当たらない。

地階オフィスはすでに警察によって封鎖されており、クラークは黄色い「事件現場」テープの向こうに通してもらえない。ロイス・レインが警官に色目を使って現場に入れてもらおうとするが、相手にされない。警官が奥に戻った後、ロイスはわざとハンドバッグを落として中身をぶちまけ、それを拾いながら、床に散乱していた証拠品の中にあったシガレット・ケースをちょろまかす。警官はロイスを睨みつけるが、特に咎めない。(んなわけ、ねーだろ!)

クラークは責任を感じる。ラナはレックスと結婚さえしなければ、こんな事件に巻き込まれなかったかもしれないのだ。クラークはともかく、クロエの提案に従って自分なりの捜査をしてみることにする。

ジミーは1人で先ほどの小部屋のデスクに座り、写真をコンピュータにアップロードして調べ始める。『The Big Sleep』のフィルムはまだ回り続けている。ジミーの後ろから黒い影が忍び寄り、頭を殴る。ジミーはデスクに顔をうずめるようにして気を失う。

(ここでモノクロ画面に切り替わる)

ジミーはデイリープラネット紙の記者室で目を覚ます。だが、なんだか様子がおかしい。手近にあった「今日の新聞」を手に取ると、なんと、1940年5月2日付だ。また、デイリープラネット紙を発行しているのは「レックス・ルーサー出版」となっている。この世界(パラレルワールド?夢?)のジミーは有能記者で、クロエが彼専属の秘書だ。新米記者のクラークは黒縁の眼鏡をかけており、その動きも不器用きわまりない。

※この場面のクラークは劇場映画『スーパーマン』シリーズのクリストファー・リーヴ版クラーク・ケントそのもの。

ジミーの電話が鳴る。謎の女性(画面には口元しか映らない)が自分自身の殺人をレポートしたいのだという。

Jimmy: Hello? Ahem... Olsen here.
Woman: I hear you're the best. I want to report a murder.
Jimmy: Whose?
Woman: Mine.

ジミーは謎の女性と裏通りで面会する。それはラナ・ルーサーだった。「夫のレックスがあたしを殺そうとしてる」というのである。ジミーは彼女を助けることにする。ラナはジミーにシガレット・ケースを渡す。中には現金とともにタロンというナイトクラブのマッチが入っていた。

ジミーはタロンを訪れるが、そこは会員制らしく、門前払いされそうになる。すると、眼鏡をかけていない、ダークスーツ姿のクラークが「私の連れだ」と言って通してくれる。クラークは昼間の記者室でのギクシャクした動きとは全くかけ離れた貫禄の持ち主だ。クラークはジミーの目当てがレックスらしいと知り、気をつけるようにと忠告する。そして、

Clark: So it's Luthor you're after. Better wipe that uneasy smile on your face. Luthor can smell fresh blood a mile away.
Jimmy: Fresh? Now you listen here, Kent...
Clark: Relax. I'm one of the good guys.
Jimmy: (Clarkが去った後) That's what they all say.

タロンのバーテンダー(兼オーナー?)はライオネル・ルーサーで、ラウンジ歌手はロイス・レインだ。

※顎鬚なしのライオネルはこれが初めて。

レックス・ルーサーが手下たちを引き連れて店に現れ、ライオネルからクラークに関する情報を引き出そうとする。ライオネルが「今のところ、ケントに関しては請求書ぐらいしかないよ」とトボけると、レックスは「親父もヤキが回ったもんだな。昔はこの街を牛耳ってたのに、今はバーで酒を注ぐことぐらいしかできないなんて」とコキ下ろす。

Lionel: Ah, relax. I got nothing on Kent so far but his tab.
Lex: You're losing your grip, Paps. You used to run this town. Now it looks like the only shots you're calling are from behind that bar.

※「call the shots (決定権を持つ/主導権を握る/仕切る)」とウィスキー等を数える単位の「shot (~杯)」をかけている。

レックスが手下たちとともにテーブルについた後、ライオネルはジミーに耳打ちする。「レックスはいつも、わざと目立つようにここを出て行くんだが、迎えの車に乗るフリをするだけで、実際には乗らないんだよ」

やがて、レックスたちは立ち上がり、店の外に出る。案の定、迎えの車に乗り込んだのは手下たちだけで、レックスは目立たないように別の車に1人で乗るのだった。ジミーはレックスを尾行する。

レックスの車が着いたのは町外れの農場の納屋だ。その中ではロイス・レインが待っていた。レックスはロイスと浮気しているのだ。レックスは「ラナがいなくなった後に君と結婚するよ」と約束する。2人は熱いキスをかわす。ジミーはその瞬間の写真を撮り、車に乗って逃げる。レックスがすぐに追跡するが、ジミーは汽車が通過する寸前に鉄道を渡り、どうにか振り切る。

※この追跡シーンの演出はいかにも昔の白黒映画っぽい。

ルーサー邸。ジミーはレックス&ロイスの密会写真をラナに見せ、「レックスはやはり、君を殺すつもりらしい」と告げる。ラナは潤んだ目でジミーを見つめてキスをし、「あなたにもしもの事があったら困るわ」と言って拳銃を渡す。

ジミーはレックスとあらためて会い、写真をタテに脅迫しようとする。レックスは「ラナを殺すつもりはない。離婚するだけだ」と主張しながら、上着の内側に手を入れる。ジミーはレックスを撃つ。だが、レックスが取り出そうとしたのは拳銃ではなく、シガレット・ケースだった。

レックスは「ガーデニア」という一言を残して息を引き取る。

Lex: Gardenia.

※1941年公開のモノクロ映画『Citizen Kane』でオーソン・ウェルズ演ずる主人公が「Rosebud.」の一言を残して死ぬシーンへのオマージュだろう。

数秒後(早すぎる!)、パトカーが現場に到着する。ジミーは逃亡する。

タロン。ジミーがライオネルに相談しているところにクロエが現れ、「ラナはここしばらく、クラークに何度も電話をかけてるのよ」と報告する。ジミーとクロエが去った後、ライオネルはラナに電話をかけ、ジミーが真相に迫りつつある事を警告する。

Lionel: Yeah, it's me. Listen, Boy Wonder may have taken the bait. But he's onto you.
Lana: It doesn't matter any more. You're back on top of the low life food chain and I'm out from under a suffocating marriage.

ラナはちょうど、その時、クラークと密会していた。ラナはクラークに「こうやって、こそこそ会うのも、あとちょっとの辛抱よ」と言い、拳銃をハンドバッグに忍ばせて出かけて行く。

ジミーはクラークに会うため、デイリー・プラネット社に行く。ところが、彼を待っていたのはクラークではなく、ラナだった。ラナがジミーの胸を撃つのとほぼ同時に、ラナも第3者の銃弾に倒れる。その第3者とはなんと、クラークだった。ジミーは幸い、内ポケットのシガレット・ケースに弾が当たったおかげで命拾いする。

クラークはジミーに警察バッジを見せ、「俺はレックスを探るために潜入捜査をしていたんだが、ラナと恋に堕ちてしまった。それは俺のミスだった」とつぶやく。
「彼女のあの目で見つめられたら、どんな男だってヒーローになりたくなるさ」
「そうだな。だが、その目のおかげで君は電気椅子送りだ。誰かが君に忠告すべきだったな…メトロポリスにはヒーローなんていやしないと」

Clark: I should've known better. Rule number one: Never get mixed up with a girl... not when you're on the job.
Jimmy: On the job?
Clark: (スーパーマンのロゴの形をした警察バッジを見せる)
Jimmy: You're a cop?
Clark: Undercover unit. I was sent here to watch Lex Luthor. Falling in love with his wife... that was... that was my mistake.
Jimmy: Those were some eyes that she had... would have made any guy want to be a hero.
Clark: Yeah. Well, those eyes just got you the electric chair. Someone should've told you, kid. There are no heroes in Metropolis.

ジミーは警察に逮捕される。

(ここでカラー画面に戻る)

ジミーは目を覚ます。クロエが起こしてくれたのだ。どうやら、夢を見ていたらしい。

ジミーはコンピュータ画面にシガレット・ケースの写真を呼び出し、クロエに見せる。シガレット・ケースの蓋の絵柄はガーデニアだ。事件の謎を解く手掛かりがその中に入っている(いた)に違いない。ジミーとクロエは記者室に戻る。だが、床に落ちていたはずのシガレット・ケースはなくなっていた。

※なぜか、他の証拠品は全てそのまま置いてある。警察は何も持って行かなかったのか?それに、誰も現場を見張ってない。

ラナはおそらく、このビルの中で誰かと会っていたのだろう。しかし、その相手は一体、誰なのか?クロエは「エレベーターのメモリを調べれば、この階に来る前にどの階に止まったのかがわかるわ」と思いつく。

※多分、警察がすでにエレベーターを動かしてるんじゃないかなあ?地階には階段でも出入りできるのだが、事件後に誰もエレベーターを使ってないとは考えにくい。

メモリを調べた結果、ラナは事件の直前、上階で夜勤中のブレナン記者に会っていたらしいとわかる。ブレナンは最初、シラを切るが、やがて、「ラナが記事のネタを持っているというので会った」と認める。ジミーが携帯電話で写真を撮った謎の男はやはりブレナンだったが、犯人は別の人物らしい。ブレナンはラナが撃たれたために慌ててその場から逃げただけだったのだ。

その時、何者かがドアの隙間から撃って来る。ジミーがその狙撃者を追いかけて体当たりをかける一方で、クロエはクラークに連絡を取る。クロエはジミーを手伝おうとして階段の吹き抜け部分に突き飛ばされ、数十階(?)下まで落ちるが、最下階の床にぶつかる寸前にクラークに受け止められて助かる。

Chloe: You didn't have to wait 'til the last second, you know.
Clark: What fun would that be?

ほどなく、心配したジミーが階段を駆け下りて来るが、最下階に着いた時にはクラークはすでに姿を消しており、クロエはソファの上に落ちたフリをする。

※それにしても、ジミーが到着するのは早すぎないか?

タロンの2階のアパート。ロイスが帰宅すると、ライオネルが待っており、「シガレット・ケースを渡せ」と迫る。ガーデニア柄のシガレット・ケースはライオネルの亡妻リリアンが愛用していた品だが、その中にはフラッシュ・ドライヴがしまってあったのだ。ライオネルは早速、フラッシュ・ドライヴをロイス(クロエ?)のノートパソコンに繋いでみる。それにはレックスが『Project Ares』の件でバーク上院議員と秘密会談をしているビデオ・クリップが保存されていた。ライオネルはレックスが『Project Ares』という秘密計画に携わっている事は知っていたが、それにバーク議員が関与しているというのは寝耳に水だった。

※ライオネルはなぜ、ロイスの目の前でフラッシュ・ドライヴをチェックしたのだろうか?それに、ロイスもなぜ、もっと早くシガレット・ケースを開けてみなかったのか?

翌日。スモールヴィル病院(なぜ、メトロポリスの病院じゃないの?)。ラナを見舞ったクロエはショッキングな事実を知らされる。ラナはライオネルの差し金でレックスと結婚し、その秘密計画を探っていたのだ。それもこれもクラークの身を守るためだ。
「パワフルなクラークにも弱点があるんでしょう?クラークを凌駕するものがこの世に存在するんでしょう?」
クロエは否定も説明もしない。だが、ラナにはそれで十分だった。

ラナはクロエに「あたしからは何も聞いてない事にしてちょうだい」と頼む。ライオネルに悟られたりしたら、クラークに危険が及ぶからだ。

クロエはラナから聞いた話を自分の胸にしまい、クラークにも話そうとしない。

Clark: You're holding back something from me, aren't you? Chloe, I can't believe you'd lie to me.
Chloe: I can't believe you didn't hear the deafening irony in that sentence.

ともかく、レックスがラナを殺そうとするとは思えない。だとすると、ライオネルがラナ狙撃事件の糸を引いているのだろうか?

ジミーが倒した狙撃者は警察に連行されたが、その後、何者かに殺されたらしい。ラナを撃つのに使われた拳銃はレックスの物だったが、それはラナ自身が護身用に持って行ったのだった。

ジミーは事件解決に貢献したおかげで一躍注目を浴び、特派員に抜擢される。ジミーが出発する前、クロエは彼にキスをし、記念写真を撮る。


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※音楽:

= "Hold My Light" by PJ Olsson

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*名言・迷言集: (順不同)

Lex: And don't worry. [I] kept my word. I'm here alone.
Jimmy: I'm afraid your word's not worth much, Luthor.
Lex: [It] doesn't matter. By tomorrow, you'll be picking lead out of your lungs.
※「lead」は「鉛」、つまり弾丸のこと。

Chloe: Jimmy, I've been to every gin joint in town looking for you.
※映画『Casablanca (カサブランカ)』のハンフリー・ボガートのセリフ「Of all the gin joints, in all the towns, in all the world, she walks into mine.」へのオマージュ。

Jimmy: Right back at you, sweetheart.
※ハンフリー・ボガートの得意なセリフを真似している。

Jimmy: (夢の中での事件について、Chloeに) You know, it was so weird. I mean, half of it made sense. Lana and Lionel working together and Clark Kent leading a double life as a reporter by day and crime-fighter by night... you know, it's funny what your mind will cook up.
※クラークの正体を奇しくも言い当てている。

Chloe: When did you learn to do that?
Jimmy: Some girls go for sports cars. I figure you're more of a lockpicking kind of girl.

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*その他のウンチク&ツッコミ: (順不同)

今回、マーサ・ケントは出番なし。

『大いなる眠り』は1944年末に撮影され、その数ヶ月後に主演のハンフリー・ボガートとローレン・バコールが結婚した。

ジミーが1940年のタロンを最初に訪れた際、音楽にサックスの音色が混じっているが、ステージにはドラムとピアノとベースしかない。

1940年のデイリー・プラネット社の看板が映るカットは1950年代のジョージ・リーヴズ主演のTV版『Adventures of Superman』で使われた映像の流用。

現在のシーンでクロエは青いToyota Yarisに乗っているが、彼女の愛車は赤かったはず。いつの間に買い換えたのか?

ブレナン役のRichard Kahan#5-05 "Thirst" に別の役(Bitterman)で出演したことがある。

359万人という視聴者数は(初回放送では)この番組始まって以来、最低らしい。

夢(モノクロ)のシーンだけでなく、実世界(カラー)のシーンでもツッコミ所が満載というか、ちゃんと説明されてない部分が多く、ワケがわからない…と思ったのは私だけ?こういうお遊びエピソードは好きだし、「変わったことをやろう」という意欲は買いたいのだが、今回は退屈に感じた。

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*今回の『Smallville Legends: Justice and Doom』(第3話)のあらすじ:

各ヒーローがある薬瓶を探し求め、手分けして世界各地の33.1施設(?)を襲う。インパルス/フラッシュはキエフ、サイボーグは台北、グリーン・アローはハヴァナといった具合だが、薬瓶を入手したのはサン・ロック(St. Roch)の海上施設をあたったアクアマンだった。その後、アクアマンとグリーン・アローはスターシティで合流したところを謎の男たちに襲われるが、どうにか逃げる。一方、スモールヴィルではロイスが例のトヨタ・ヤリスを探し続けていたが、それは実はクィーン工業の調査施設にあるのだった。その施設に戻っていたインパルス/フラッシュとサイボーグは謎の後援者からメッセージを受け取る。


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2 コメント

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お世話になってます! (ヤスキチ)
2007-06-09 18:31:50
いつもブロブを拝見させていただいてます!
アメリカではシーズン6も終わってしまいましたね!
管理者様 これからも ブロブを楽しみにしていますので 宜しくお願いします(^0^)
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エピガイ (ジョウ)
2007-06-12 01:22:27
ヤスキチさん、ありがとうございます。

ここのところ、『Lost』のエピガイに力を入れてましたので、他の番組は後回しになってしまいましたが、『Smallville』のシーズン・フィナーレも今週中にお届けできると思いますので、よろしくお願いします。
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