イサーン旅行の記録を気負いこんで書きはじめたものの、合計1000枚近い写真の整理がつかず、筆も思うように進みません。でも今日は、何があってもコンケーンに行き着こうと思います。
青いマルが初日に訪れたピチットです。旅の2日目の夕方にコンケーンに入り、翌3日目に赤いマルを付けた、妻の親戚のいるマハサラカーム県を訪ねることにしました。
ピチットを出発したのは3月19日・木曜日の午後1時すぎ。車の少ない11号線を北に進路をとって40~50キロ走ると、ピサヌローク県のワントンという所で国道12号線にぶつかります。そこを右折すると、ご覧にような素晴らしい道路が出現しました。あとは一本道です。道なりに東に進めば、もうすぐタイの東北地方、イサーンです。
(拡張工事が一部で済んでいる国道12号線)
ピサヌロークからコンケーンへの道路は殆どが山間部ですから私が運転手を務めました。妻はリラックスして車窓の風景を楽しんでいます。娘は私の横に座り、もっぱらスマートフォンを手にして友達とライン?で会話しています。どうせ他愛のない会話でしょうが、若者の今風のタイ語は私にはほとんど聞き取れません。
国道12号線を110~120キロのスピードで快適にドライブしていると、Tさんから妻に電話がかかってきました。「さっき言い忘れましたが、コンケーンへ行く道路は工事中です。工事の区間は今は5キロくらいだと思いますけど、気を付けて行ってらっしゃい。」
その直後に、突然道路工事の現場が出現しました。5キロなら大したことないや、とタカをくくっていたら、一向に工事がなくなってくれません。それどころか、どんどんひどくなるばかりです。おそらく40~50キロにわたって工事が続いていたと思います。その間は、ほとんど追い越しができず、自分の感覚ではノロノロ運転している感じでした。車線を拡張する工事の完成はまだまだ先のことでしょう。
さて、工事中の国道12号線を東に進んでいくと、「タイ北部」に分類されているペッチャブーン県に入ります。イサーンに繋がる山々は「ペッチャブーン山脈」と呼ばれています。このあたりの山は車窓から見てもひどく荒れていました。タイは一見すると緑豊かな森林資源に恵まれていると思われがちです。でも実態はひどいものです。
このあたりだけでなく、チェンマイ、チェンライなどの北部の山も、天然木の乱伐が続いてあちこちに禿山ができています。チェンマイ県にあるタイで一番高い山、ドイ・インタノン周辺も、自然の宝庫と言われているにもかかわらず、一歩奥に入り込むとひどい禿山が姿を現します。昨年成立したプラユット首相率いる軍事政権は、タイの森林の保全を重要課題のひとつに掲げています。手遅れにならないことを祈るのみです。
やっと工事区間が終わり、片側1車線の山道を走っていくと、ナムナオ国立公園の入口を通過しました。そのあたりには日の出と日没を見る名所があるのですが、今回はパスして素通りしました。
途中、どう見ても山火事としか思えない火が目に飛び込んできました。このあたりに畑があるとは思えません。助手席の娘が素早くカメラのシャッターを切りました。道路端にタハーン(兵隊)の姿があったので、多分火を認識しているのだと思いました。
タイ北部とイサーンの境目の峠には有名な標識が立っています。
ペッチャブーン側から見ると、上部に「イサーン地方への扉」と書いてあります。
反対に、イサーン側から見ると「北部地方への扉」と書いてあります。
この黄色い看板は「象が通るので注意」と書いてあります。山の中にも象がいるのです。残念ながら出会うことはできませんでした。
さてピチットから5時間近くかかって、いよいよコンケーンの街に近づいてきました。コンケーンはウドンタニと並んでイサーンの中核都市です。商都であるとともに大学が多く、教育や文化の中心地としても知られています。
ピチットを出る時は、飛ばしていけば5時には着くと計算していたのに、道路工事のおかげで午後6時半を過ぎてしまいました。早く着けば、コンケーン市内を車で散策してみようと考えていたのです。あてが外れてしまいました。
コンケーン市内の中心部に予約していたホテルにたどり着くと、もう陽が暮れようとしていました。ピチットで泊まった「リゾート」と比べると、3分の1くらいの広さしかない狭い部屋でした。ホテルの前にあった、色々な料理のメニューがあるお粥屋さんで夕食を済ませたあとは、どこにも行きませんでした。部屋ではツインベッドの一つを娘に取られ、窮屈な思いをしながら次の日に備えました。
翌朝は、妻が長いこと会っていなかった従弟の住むマハサラカーム県の田舎を訪問することにしました。その前に、娘がケータイで検索したコンケーン市内にある有名なお寺に立ち寄りました。
ごくうっすらと雲がかかっている朝の8時半。完璧な逆光で、まるで夕方のようです。お寺の名前はワット・ノンワン。正方形のフロアを持つ珍しい建築の寺院です。あまりに有名で、後からネット検索すると写真素材まで販売されています。風鈴と、賽銭を入れる壺が並んでいることでも知られているようです。でも、私はもっぱら寺院のフォルムだけに興味がいきました。
寺院を外から眺めると、四隅のどのポイントからも全く同じに見えます。タイで最も美しい寺だと言う人もいます。
この鐘もなかなかのものです。打たなくても、手で一生懸命擦ると、ものすごく低い周波数の「ゴーン」という音が聞こえてくるはずです。ただし、これはあまりに大きいので音を出すのは大変のようです。
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今日はやっとコンケーンまで行き着くことができました。3日目のマハサラカームは写真を整理して次回に書くことにします。
ところで、水曜日に発症した妻の右腕の炎症は抗生物質のおかげでだいぶ良くなりました。明日は、私がシーパット病院で胃と大腸の内視鏡検査を受ける予定です。そのため、今日は野菜と果物などは一切口にできません。タイの内視鏡検査の技術がどれほどのものか、たっぷりと体験してこようと思います。
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