じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

八掛を考えてみる・・・共色・濃い・薄い・効き色・柄もの・・・

2011-09-07 16:57:09 | 元町じざいや日記

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こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 秋になって単衣を出す季節になれば
 袷の着物の準備もすぐです。
 袷(胴抜き)の着物には 八掛が必需品、というか
 八卦が付いて 初めて袷(胴抜き)になります。

 八卦は裾廻し、とも言いますが 要は着物の裏地です。
 色無地では共八卦、と言って 
  表と同時に八卦分も染めてしまうことがありますし
 訪問着や留袖などでは裾裏にも柄を描き入れてあったりします。
 でも 洒落着では 歩く時、また後ろから見た時
 動きに合わせてチラチラと見える八卦は
 意外と目立って重要な役割をしてくれたりします。

 
 八掛は本人よりも
 歩く後姿の裾や袖口、座った時などに
 他人の目に付く部分です。
 同じ着物でも 八掛によって
 粋に見えたり 優しく見えたり。
 無地っぽい着物に
 はっとするような八掛を付ける、という演出もあります。
 八掛をわざと多めに出るように仕立てて
 フキのような効果を見せる仕立方もあります。

 昔は 今よりも着物を洗張りに出すことが多く
 仕立て直しも普通のことで
 1枚の着物が 着る方の年齢と共に
 八掛だけ変えて仕立直されたり
 手持ちの布を八掛替りに付けたりも当たり前でした。
 若い子は赤、おばさんは金茶、と
 あまり考えずに 付けられていたように思います。
 しかし 現在の着物では
 一度付けた八掛は そうそう替えませんので
 楽しく悩んで決めてください。

 しかし あまり八掛にこだわると
 帯合わせで悩む原因ともなりますので
 お手持ちの帯との相性も考えなくてはなりません。
 例えば 泥の大島紬。
 臙脂や辛子、深緑、などの八掛でしたら
 大抵の帯とは喧嘩することもなく
 八掛が主張し過ぎることもありません。
 紫や明るい紺、鶯色などや
 着物の柄に合わせたり 季節に関係のある柄八掛は
 着る方の個性を際立たせますが
 帯の選択を狭めてしまいます。

 けれども 青海波や鱗の八掛に 魚柄の帯など
 八掛と帯を関連づけて
 物語性を持たせることは
 とても楽しい きもの遊びです。
 着まわしに余裕のある方は ぜひ楽しんでもらいたいですね。
 
 八掛を決める時は
 反物を持って行って反端に八掛を合わせて見てください。
 反物(着物)の裏に八掛を1ミリほど出るように当てて
 遠目のバランスを見、
 八掛ごと反物を一部裏返して
 座った時などに八掛が大きく見える時の
 イメージを確認します。

 
 薄い紫に二筋格子の士乎路紬です。
 無難な共色の八掛。
 面白みはありませんが 着方を制限されないのは
 共色か 共色より少し濃いか薄い同系色の八掛です。

 
 柄の中から一色 もって来るのも落ち着きのある八掛になります。
 これは柄も地色の濃い色なので 共濃いに近いですね。
 足元に濃い色が来ると締まった感じになります。

 
 ちょっと個性を。
 画像では 赤味が濃くなってしまったようですが
 お嬢ちゃん色ではなく 落ち着いて女っぽい熟柿色。
 ピンクに転ぶと 若くなりますが
 足元、襦袢の赤は 色気を感じさせます。

 
 柄八掛。
 細かい市松の中に猫がいます。
 柄八掛を使う場合は 表の面積が広い色の同系色だと
 帯合わせを考えるにも使い勝手が良いものです。
 表の柄と関連付けたり 格子に花柄など形のコントラストも考えます。
 
 アップで見るとなかなかお洒落。
 これ、八掛ではなく 襦袢地なんですけどね
 薄手の襦袢なら 八掛にしても面白いです(厚いと表との沿いが悪くなる)
 八掛分だけ使ったら 残りは二部式の襦袢にしたり
 羽裏にしたりするのも楽しいです。

 八卦の生地にも種類があり
 大まかに チェニー、パレス、紬。
 チェニーは 経に撚り糸を使い、緯には平糸です。
 パレスは経緯ともに撚り糸。
 紬は紬糸で織られています。
 表地の性質に合わせて選びますが
 チェニー、パレスは撚り糸を使っているだけに
 湿気で縮むことがあります。
 丁寧な仕立て屋さんだと蒸気を当てて 縮み具合を確認しながら
 仕立ててくれるので余り問題はありませんが
 雑な仕立をされると 後から八卦のたるみなどになりますので
 ご注意ください。

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど~~~ (シマ)
2011-09-08 16:02:26
いろいろ勉強になります。無知なもので・・・
八卦の色で、着物の表情がとても変るのですね。
いつか下襦袢で羽織を作っていただきましたが、やはりちょっと私センス無かったです!!
あれは、やはり襦袢が一番ですね。

能や伝統芸能やら
なにかしらないと
和服を着る機会がないなあ・・・と
いつも着る習慣にすればいですが。なかなか・・
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Unknown (さくらこ)
2011-09-08 16:55:34
シマ様

 ようこそいらっしゃいませ。
 あの猫襦袢の羽織は
 生地のドレープ感が綺麗だと思います。
 羽裏の方を見せたいですけどね^^

 18日には能の会がございます。
 お時間ご都合つくようでしたら
 ぜひお運びください。
 猫話もいたしましょう~~
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