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2017年 ノーベル賞 受賞者

2017-10-10 21:08:25 | 国際社会・受賞

 ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由

「心理学」の要素を入れ、現実の政策にも影響

2017年10月10日   東洋経済
 
 
2017年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授(写真:ロイター)
 
 

2017年のノーベル経済学賞(正式名称はノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)は、米シカゴ大のリチャード・セイラー

(Richard H. Thaler)教授の受賞となった。セイラーは行動経済学の権威で、経済学の意思決定の分析に心理学に基づく現実的な

仮定を組み込んだことで知られる。行動経済学者の受賞としては、2002年のダニエル・カーネマンに続くものだが、2013年の

ロバート・シラーも受賞理由は「資産価格の実証分析に関する功績」であるものの、研究活動の柱は行動経済学だった。


標準的な経済学は、精緻な数学的モデルを築くために大胆な仮定を多数置いている。その代表例が、経済主体は財やサービスの

効用などについてすべての情報を知っているという「情報の完全性」と、経済主体は常に自己利益を合理的に最大化させて意思決定

するという「合理的経済人」だ。


「合理的経済人」の仮定に異議を唱える

このような大胆な仮定の下では、アダム・スミスの「神の見えざる手」のごとく、市場にすべてを任せれば、市場が解決してくれるという

経済学の結論にたどり着く。ただ現実には、こうした仮定が成り立たない領域は少なくない。昨今のノーベル経済学賞では、非現実的

な仮定を現実的なものに置き換えたときに、どんなことが言えるかを研究したものが受賞するケースが多い。


昨年の受賞者であるオリバー・ハートは、当事者同士が将来のことがわからない状況下(情報の不完全性)では、「契約」はどのような

落とし穴に陥るのか、そしてそのための処方箋は何かを明らかにした。1996年受賞のジェームズ・マーリーズとウィリアム・ヴィック

リー、2001年受賞のジョージ・アカロフ、マイケル・スペンス、ジョセフ・スティグリッツも情報の不完全性の下での市場分析が受賞

理由だ。


これに対して、カーネマンやセイラーに代表される行動経済学は「人はみな自己利益のために完全に合理的に意思決定する」という

合理的経済人の仮定そのものに異議を唱えたものだ。


セイラーは、経済的意思決定に体系的に影響を与える、以下の3つの心理的特性を明らかにしたと、スウェーデン王立科学

アカデミーはその功績をたたえた。それは限定合理性、社会的選好、自制心の欠如だ。


「限定合理性」という概念は、ハーバート・サイモン(1978年ノーベル経済学賞受賞)が生み出したもので、人間は認知能力の

限界から完全に合理的であることはできないというものだ。セイラーはその例として、金銭に関する意思決定で人間が無意識に行う

心理的な操作を「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」として理論化した。


それによると、人々は心の中で家計費や娯楽費といった具合に勘定項目を設定することにより金銭に関する意思決定を単純化する。

合理的に全体の資産の中での効果を考えるのではなく、狭い勘定項目の中でのやりくりで判断する。たとえば、資産形成の勘定科目

から、短期的に必要な支出におカネを回すことは敬遠されるため、全体の資産には余裕があっても余計な金利コストを払ってローンを

組んでで支出することがあるという。


数学モデルよりも「現実」を分析するものに

「社会的選好」は標準的経済学が仮定するように、人々は自己利益だけを考えて意思決定するのではなく、公平性や他者の利益も

考えて選好することを指す。セイラーは、被験者を使った大規模なゲーム実験で、人々は匿名性の下でも他者に対して公平に

振る舞い、他者に不公平に振る舞った人に処罰を与えるためには自分のコストを払うこともいとわない傾向があることを明らかにした。

社会的選好は、労働市場での賃金設定にも影響を与えていると言われる。


3つめの「自制心の欠如」は、新年の決意はなぜ維持するのが難しいのかという問題を扱う。今年こそはタバコをやめて健康な体を

手に入れると決意したが、目先のタバコについつい手が出てしまうというような経験は誰にでもあるだろう。経済学はこのような問題を

異時点間の選択と言い、割引率を使って計算するが、セイラーは心理学を基としたゲーム実験を行い、現実的な割引率の構造を

明らかにした。


行動経済学の世界には、「ナッジ(nudge)」(ひじで軽くつつくという意)という概念がある。心理的特性をテコにして人々によい行動を

取らせるという意味だが、セイラーがその発案者だ。実際、行動経済学の知見を基に労働者の貯蓄行動を改善させることに成功し、

現実の政策にも大きな影響を与えた。


もともと経済学はアダム・スミスの時代から、心理的特性を重視した人間の研究という側面が強かった。それが戦後、自然科学の

ような「ハードな科学」の地位を目指して高度な数学モデルの世界に移行してしまった。複雑な人間心理を含め、理論の仮定を

現実的なものに置き換えていく研究は今後も重要度を増しそうだ。



ノーベル平和賞、反核団体「ICAN」に

2017年10月6日 18:47 発信地:オスロ/ノルウェー   AFP

【10月6日 AFP】(写真追加)ノルウェー・ノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)は6日、

2017年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を、反核団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に授与すると発表した。


 ノーベル文学賞、カズオ・イシグロ氏 日系イギリス人

梅沢富美男かと思いました。

ことしのノーベル文学賞に、日系イギリス人で世界的なベストセラー作家のカズオ・イシグロ氏が選ばれました。


スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の午後8時すぎ、ことしのノーベル文学賞の受賞者に

カズオ・イシグロ氏を選んだと発表しました。

イシグロ氏は62歳。1954年に長崎で生まれ、5歳の時、日本人の両親とともにイギリスに渡り、その後、イギリス国籍を

取得しました。

1989年に出版された「日の名残り」は、第2次世界大戦後のイギリスの田園地帯にある邸宅を舞台にした作品で、そこで働く

執事の回想を通して失われつつある伝統を描いています。

また、2005年に出版された「わたしを離さないで」は、臓器移植の提供者となるために育てられた若者たちが、運命を受け入れ

ながらも生き続けたいと願うさまを繊細に描いたフィクションで、その後、映画化され、日本でも公開されました。



ノーベル化学賞、欧米の研究者3人に クライオ電子顕微鏡法の開発で

2017年10月4日 20:21 発信地:ストックホルム/スウェーデン   AFP

 

【10月4日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は4日、

2017年のノーベル化学賞(Nobel Prize in Chemistry)を、ジャック・デュボシェット(Jacques Dubochet、スイス)、

ヨアヒム・フランク(Joachim Frank、米国)、リチャード・ヘンダーソン(Richard Henderson、英国)の3氏に授与すると発表した。

授賞理由は生体分子の画像化を単純化し改善したクライオ電子顕微鏡法の開発。

 
 

 スウェーデン王立科学アカデミーは声明で、3氏の発見により「日常的に生体分子の3次元構造を構築することが可能となった」と

評価するとともに、「脳に障害のある新生児がブラジルで多く誕生した原因がジカウイルスにあると疑われ始めた際、科学者たちは

クライオ電子顕微鏡法を頼りにジカウイルスを視覚化した」と述べた。

 

 3氏には賞金として900万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)が贈られる予定。


ノーベル物理学賞 重力波観測の米3氏に物理学賞

2017.10.3 18:58   産経新聞

 スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、世界で初めて重力波の検出に成功した米国の3氏に

授与すると発表した。物理学の重大問題だった重力波の存在を実証し、新たな天文学に道を開いた功績が評価された。


 重力波は重い天体などが移動するときに、その重力の影響で生じた空間のゆがみが、さざ波のように周囲へ伝わっていく現象。

アインシュタインが相対性理論で百年前にその存在を予言したが、直接観測されていなかった。


 米国にある観測施設「LIGO(ライゴ)」の国際チームは昨年2月、重力波を初めて検出したと発表し、世界的な大発見となった。

13億年前のブラックホール同士の衝突で生じた重力波を米国の2カ所にある観測施設で2015年9月に捉えた。


 重力波の検出は相対性理論の正しさを改めて裏付けたほか、目に見えないブラックホールを捉える新たな天文学を切り開いた。

 

授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)が贈られる。

 



ノーベル医学生理学賞 日本人の受賞ならず。「時計遺伝子」の米3氏=生体にリズム、

2017-10-02 19:21   時事通信社

スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2017年のノーベル医学生理学賞を、生体時計をコントロールする「時計遺伝子」を

発見した米国の3氏に贈ると発表した。

受賞が決まったのは、ジェフリー・ホール米ブランダイス大名誉教授(72)、マイケル・ロスバッシュ同大教授(72)、マイケル・ヤング米

ロックフェラー大教授(68)の3氏。


生体時計は、植物や動物、人間が体内に持っている時計機能で、地球の自転に対応し、ほぼ24時間周期で生体のリズムを

つかさどっている。


1970年代に生体時計が遺伝子によってコントロールされていることが分かり、時計遺伝子の探索競争が開始。84年にホール氏と

ロスバッシュ氏、ヤング氏の研究チームがそれぞれ、ショウジョウバエの時計遺伝子の発見を報告した。


医学生理学賞は15年に大村智・北里大特別栄誉教授、16年に大隅良典・東京工業大栄誉教授が受賞したが、日本の3年連続受賞

はならなかった。物理学賞は3日、化学賞は4日に発表される。