トランプ氏国連演説のイラン言及に仏大統領「合意尊重しないのは無責任」、イスラエル首相は「かつてない力強さ」
2017.9.20 09:08 産経新聞
【ニューヨーク】フランスのマクロン大統領は19日、国連総会の一般討論演説で、イラン核合意について「破棄することは深刻な過ちと
なり、尊重しないのは無責任だ」と述べた。同日の演説で合意の見直しを示唆したトランプ米大統領を牽制した。
また、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮については「対話の扉を閉じることはない」と述べ、外交的解決を求めていく考えを示した。
5月に就任したマクロン氏は、初めての一般討論演説に臨んだ。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は同日の一般討論演説で、「これまで数えられないほどの国連総会の演説を聞いてきたが、
トランプ氏ほど力強く、率直な演説をした人はいなかった」と述べ、イランを激しく非難したトランプ氏を歓迎した。
また、「イランは世界中を脅かす弾道ミサイルの開発を続けている」と指摘し、「変更せよ、もしくは中止せよ。修正せよ、もしくは断念
せよ」と強く迫った。
18日、ニューヨークのホテルでイスラエルのネタニヤフ首相(左)と会談するトランプ米大統領(ロイター)
18日、ニューヨークのホテルでフランスのマクロン大統領(左)と会談するトランプ米大統領(AP)
核合意破棄なら「高い代償」、イラン大統領が米に警告
2017.09.19 Tue posted at 13:06 JST CNN
(CNN) イランのロハニ大統領は18日、訪問先の米ニューヨークでCNNとの単独インタビューに応じた。この中でトランプ米大統領が
同国との核合意を破棄する可能性に言及し、「そんなことをすれば米国は高い代償を払うことになる」と警告した。
ロハニ氏は「米国民は自国にとって何の役にも立たないことに、それほどまで高い代償を払いたいとは思わないだろう」と語った。
米国が核合意を破棄すればそれは無益なだけでなく、国際社会からの信用を失う結果を招くとも指摘した。
同氏は今年5月の大統領選で再選を果たした。1期目の2015年、米英仏独中ロ6カ国との間で、対イラン経済制裁の解除と
引き換えに核開発の制限に応じるとの合意に達していた。
米政府は制裁解除の措置を延長するため、イランが合意を順守しているかどうかを90日ごとに米議会へ報告する義務がある。
トランプ政権はこれまでに2回、順守を確認したと報告してきた。イランが合意に違反していると判断された場合、議会は60日以内に
制裁措置の復活を審議することになっている。
トランプ氏はこの合意を「最悪の取引だ」と批判してきた。先週の記者会見では「米国にとって不公平な合意で、成立させるべきでは
なかった」「イランは多くの項目に違反している」と改めて主張。
次の節目を迎える10月には「明白」な行動を取ると述べ、合意破棄に踏み切る可能性を示唆した。
イランは合意を破棄された場合、核開発を再開するとの構えを示している。ロハニ氏はインタビューで、トランプ氏の行動は「予測不能」
だと述べる一方、「米国が緊張を高めるつもりならこちらも対応する」「1週間以内に対抗措置を取る」と強調した。
ロハニ氏はさらに、米国が合意を破棄すれば、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮に対して不都合な前例を示すことになると指摘。
「米国と何年も交渉して合意に達したところで、次の政権がそれを破棄してしまうと分かったら、北朝鮮は米国との交渉に時間を
浪費しようと思うだろうか」と問い掛けた。
両首脳がともに出席する今週の国連総会では、イラン核合意が主要な議題の一つとなる見通しだ。