イラン「韓国政府は凍結資金解除の意志見せるべき」
12日、韓国タンカー拿捕問題でイランを訪問し、イランのヘクマトニア法務次官に会った崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外交部第1次官(左)。 [イラン政府ホームページ キャプチャー]
イラン中央銀行(CBI)総裁が韓国で凍結されている70億ドル(約7260億円)のイラン資金
問題に関連し、「韓国が政治的解決の意志を見せるべき」と要求した。
ヘンマティーCBI総裁は19日(現地時間)、ブルームバーグ通信の書面インタビューで、
「韓国当局は凍結資金を解除するために可能なすべてのことをすると約束したが、彼らがこうした
約束をしたのは今回が初めてでない」とし、このように主張した。
韓国の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外交部第1次官は今月10日から12日までイランを訪問した。
崔次官は3日間の訪問日程で韓国タンカー拿捕とイランに拘束された韓国人5人の解放問題を解決
しようとしたが、イランは資金凍結問題の解決を強調するなど立場の違いを埋められず帰国した。
ヘンマティー総裁は韓国代表団の訪問に関連し、「韓国タンカー拿捕問題とイラン資金凍結問題は
関係があるのか」という質問に対し、「そうではない」とだけ答えた。
しかし資金凍結問題に言及しながら批判を強めた。ヘンマティー総裁は「韓国代表団はこの問題を
解決するための政治的意志があると話したが、問題は彼らが米国の政策と規制にも従おうとすることだ。
韓国銀行(韓銀)はイランに対する米国の最大限の圧力政策に全面的に協力、屈服し、他国とは違って
イランとの協力を拒否している」とし「韓銀の資金凍結措置は国際法を違反する。過去2年間に
イランに生じた被害は韓銀が負担すべきだ」と主張した。
イランは凍結資金をめぐり、最近は新型コロナウイルス感染症診断キットなど人道主義的な物品を
購入するのに使う方法を韓国政府に問い合わせしてきた。医薬品など人道的物品を取引する場合、
制裁の例外が認められる可能性があるからだ。
これに関しヘンマティー総裁は「凍結資金で人道主義的物品を輸入する方法を考慮したが、韓国政府が
信頼できるチャンネルを提案しなかった」と伝えた。
また、米国の制裁を避ける案として、欧州とイランの貿易を担当するために設立された特殊目的法人
INSTEXを通じて資産を送金する方法についても「特に効果がなかった。欧州に意志がないため」
と答えた。
さらにINSTEXのような方法論は「2番目の問題」であり、「まず重要なのは韓国政府の意志だが、
今はそれが見えない」と主張した。
韓国とイランは米国の対イラン金融制裁が始まった2010年以降、う回通路を用意した。イランが
CBI名義で韓国の企業銀行とウリィ銀行に韓国ウォン口座を開設し、原油輸出代金をこの口座で
受ける方式だ。しかし2018年に米国がイラン金融制裁を拡大し、CBIも制裁対象に指定して以降、
韓国にあるCBI名義の資金70億ドルが凍結した。
イランの凍結資金問題は、今月4日にイスラム革命防衛隊が韓国タンカーを拿捕したことで再浮上した。
イスラム革命防衛隊がガルフ海域で「韓国ケミ号」を拿捕した後、韓国人5人を拘束した事件だ。
イスラム革命防衛隊は拿捕の理由に海洋汚染を挙げたが、まだ証拠を提示していない。
事件翌日の5日、イラン政府のラビエイ報道官は記者会見を開き、「人質劇が存在するとすれば、
それは我々の資金70億ドルを韓国政府が根拠なく凍結させたことだ」と主張した。