政府、アフガンに自衛隊機派遣を決定
2021/8/23 12:11 産経新聞
会見に臨む加藤勝信官房長官=23日午前、首相官邸(春名中撮影)
加藤勝信官房長官は23日午前の記者会見で、イスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガ
ニスタンに残る邦人らの国外退避に向け、自衛隊機を現地に派遣する方針を正式に発表した。加藤氏は
記者会見で「現地の邦人の安全確保を最優先としつつ、現地に残留する大使館、国際協力機構(JICA)
事務所の現地職員の方々の安全確保を重視していく」と述べた。
政府は23日午前に国家安全保障会議(NSC)を開き、派遣の方針を協議した。自衛隊のC130
輸送機が23日夕にも第一陣として出発。最終的にC130計2機とC2輸送機を派遣し、調整が整い
次第、輸送活動を開始する。輸送は自衛隊法の規定に基づき実施する。
自衛隊法は邦人輸送について「安全に実施できると認めるとき」との要件を課している。
加藤氏は、現地のカブール空港の情勢について「米軍が空港内や周辺の安全確保や周辺空域の航空管制を
行い、航空機の離着陸が正常に行われている。タリバンも妨害する動きはみられてない。輸送の安全は
確保されていると判断した」と述べた。
また、自衛隊の海外派遣に必要とされる相手国の同意については「運用上も国際法上も問題が生じない
よう、同意を得るための意思疎通を図っている」と説明。その上で「現在のアフガニスタンのような
例外的な状況において、緊急的な措置として、人道上の必要性から、安全が確保されている状況で、
自国民等の退避のために輸送を行うものだ。仮に明確な合意がとれてないとしても、国際法上の問題は
ない」と説明した。
アフガン 米が日本に自衛隊派遣協力要請。 米民間人の退避に向けて
2021年8月20日 金曜 午前6:04 FNN
混乱が続くアフガニスタンから、大使館職員や民間人の国外退避を進めているアメリカが、日本政府に
対して、自衛隊の派遣を含めた協力を要請していることがわかった。
外交筋によると、8月31日までに、すべての民間人の国外退避を目指しているアメリカ政府は、同盟国の
日本にも民間人を退避させるための協力を要請していて、自衛隊の派遣の可能性などについて協議して
いるという。
一方、混迷するアフガニスタン情勢に対応するため、G7(主要7カ国)外相会合がオンラインで開催され、
アフガニスタンから出国を希望するすべての人の退避を早急に行うことで一致した。
バイデン大統領は、「国外退避の対象者は、5万人以上になる」と述べている。