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タリバン、抵抗勢力の拠点で民間人を殺害。 BBCが証拠入手

2021-09-14 11:34:02 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

タリバン、抵抗勢力の拠点で民間人を殺害。BBCが証拠入手

2021年9月14日  BBC

https://www.bbc.com/japanese/58553915


タリバンに殺害されたとされる商店主の男性

アフガニスタンで権力を握ったタリバンと、抵抗勢力の戦闘が続くパンジシール渓谷で、民間人20人以上

が殺害されたことが、BBCの取材で分かった。一帯では通信が断絶し取材が困難だが、タリバンが暴力行為

の抑制を約束しながら殺害に及んだ証拠を、BBCが入手した。

 

パンジシール州の土ぼこりが舞う道端から撮影された映像では、武装した男性1人がタリバン戦闘員に囲まれ

ている。銃声が響き、男性は地面に崩れ落ちた。

殺された男性が軍人なのかは不明だ。戦闘服を着ていたが、この地域では多くの人が身に着けている。

映像ではそばにいた人が、男性は民間人だと主張した。

BBCは、こうした死者が、パンジシール州で少なくとも20人に上っていることを確認した。

 

現地の情報提供者らによると、この男性はタリバンが進攻してきた時、「私はただの貧しい商店主で、

戦争とは無関係だ」と言って、避難しなかったという。

ところが男性は、抵抗勢力の兵士たちに携帯電話のSIMカードを売ったとして拘束され、罪に問われた。

数日後に、男性の遺体がその自宅近くに置き去りにされた。遺体を見た人たちによると、拷問を受けた

形跡が残っていたという。


赤丸内の男性はこの後まもなく射殺された

 

タリバンは先月、国内で権力を掌握。パンジシール渓谷がある地域だけが、抵抗を続けた。

同渓谷は長年、アフガニスタンにおける抵抗勢力の中心地となっている。北部連盟の故アフマド・

シャー・マスード司令官が殺害される前には、この地域を拠点とした勢力が旧ソヴィエト連邦やタリバン

を撃退した。山々が渓谷を囲む地形が、陥落を難しくしている。

 

今年8月にタリバンが再び権力を握ると、マスード氏の息子アフマド氏が抵抗勢力を率いた。

しかしタリバンは先週、勝利を宣言。パンジシールでタリバンの旗を掲揚する映像を公開した。

ただ、抵抗勢力は戦闘を続けると表明している。アフマド・マスード氏は、タリバンに対する「全国的な

反乱」を呼びかけている。

パンジシール渓谷(Panjshir valley)は首都カブール(Kabul)の北東に位置する

タリバンが復権したことで、パンジシール州やその他の地域で、何が起こるのかに注目が集まっている。

タリバンはパンジシール渓谷に入った際、住民に対し、普段どおりの生活を続けるよう呼びかけた。

広報担当のマラヴィ・アブダラ・ラハマニ氏は、「みんな外に出て、日々の活動をしたらいい」と話した。

「商店主は自分の店に行っていい。農家は自分の農場に行っていい。私たちの役割は、皆とその生活、

家族を守ることだ」

こうした呼びかけにもかかわらず、かつてはにぎわっていた市場に人の姿がなくなっていることが、

現地の映像から見て取れる。人々は避難へと動いており、岩だらけの山々の足もとを通る道路には、長い

車列ができている。

食料と医薬品の不足も心配されている。



パンジシール州知事庁舎前でタリバンの旗を掲げるタリバン戦闘員

 

タリバンは民間人は標的にしていないと主張している。しかしこれまでにも、少数派ハザラに対する集団

殺害や、警察官殺害などが報じられている。今回のパンジシール渓谷における殺害は、タリバンの約束が

現実には守られていないことを、新たに示している。

「こうした報道は、私たちがアフガニスタン全域で確認しているパターンと合致しそうだ」と、国際人権

団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのパトリシア・グロスマン氏は話した。

「7月から8月にかけてタリバンがカブールに進攻した時、似たような報告があった。私たちは、元治安

組織職員や元政府スタッフ、民間人らが、報復のため即決処刑で殺された事案を複数確認した。今回の

ケースもかなり同じパターンと思える」

 

(英語記事 Taliban kill civilians in resistance stronghold 

 


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