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護衛艦「いずも」空母化…離島防衛の拠点に

2017-12-26 16:03:10 | 防衛・安全保障・インテリジェンス

護衛艦「いずも」空母化…離島防衛の拠点に

2017年12月26日 07時06分   読売新聞

 政府は、海上自衛隊最大級の護衛艦「いずも」を、戦闘機の離着艦が可能となる空母に改修する方向で検討に入った。

 自衛隊初の空母保有となり、2020年代初頭の運用開始を目指す。「攻撃型空母」は保有できないとする政府見解は維持し、

離島防衛用の補給拠点など防御目的で活用する。米軍のF35B戦闘機の運用を想定しており、日米連携を強化することで北朝鮮や

中国の脅威に備える狙いがある。


 複数の政府関係者が明らかにした。いずもは、広い甲板を持つ空母に似た形状の護衛艦で、全長248メートル、満載排水量

約2万6000トン。ヘリコプター14機を搭載可能とされる。空母化すれば、F35Bを約10機搭載できる見通しだ。

 改修では、F35Bのジェットエンジンが発する熱に耐えられるように甲板の耐熱性を上げる。


 甲板の傾斜を利用して艦載機が発艦するスキージャンプ台方式とするかなど、改修の方法については今後検討する。

防衛省は19年度予算案への調査費計上を目指している。


 政府は、航空自衛隊へのF35B導入も検討している。ただ、F35Bを空母に搭載すれば敵基地攻撃能力に直結するだけに、

18年末の防衛大綱見直しに向けた議論を踏まえて判断する。


 空母保有の目的は、空母での米軍機への補給を通じて日米の一体運用を進めることだ。16年3月施行の安全保障関連法や

17年4月発効の新たな日米物品役務相互提供協定(ACSA)により、平時の訓練や有事での戦闘準備など幅広い場面で米軍機への

給油が可能になった。

 米軍による日本の空母活用は、離島防衛や海自艦隊の防衛力強化につながる。敵が離島や海自艦隊を攻撃する際、米軍の戦闘機が

敵と適切な距離に位置する空母に着艦して燃料を補給できれば、対処能力は向上する。有事で在日米軍基地が破壊された際には、

代替滑走路の役割も担う。


 実際、北朝鮮は弾道ミサイルによる在日米軍基地攻撃に言及しており、朝鮮半島有事では基地の滑走路が使用不能になる事態も

想定される。また、中国は海洋進出を強めており、離島防衛力の強化は喫緊の課題だ。


 政府は憲法9条2項で保持を禁じられている戦力の一つとして、「攻撃型空母」を例示してきたが、防衛省幹部は「防御目的で

活用すれば、『攻撃型空母』にはあたらない」としている。


 ◆空母=航空母艦の略称。戦闘機などの運搬・運用を主な任務とし、船体に備えた広い甲板に航空機が離着艦する。米国、英国、

フランス、ロシア、中国、インド、イタリアなどが保有している。動力源を原子炉とするものは原子力空母、その他は通常型空母と

称される。規模によって大型空母、軽空母などと分類されることもある。軽空母は満載排水量約2万トン以下とされ、いずもはこれを

上回る約2万6000トン。


 ◆F35B戦闘機=米英など9か国が共同開発した最新鋭ステルス戦闘機で、短距離の滑走による離陸と垂直着陸が可能。

十分な長さの滑走路を確保できない最前線での任務などを想定している。米海兵隊が運用し、2017年1月から米軍岩国基地

(山口県岩国市)に配備された。通常の滑走路に離着陸するタイプのF35Aと比べると航続距離が短い。

F35Aは17年度から航空自衛隊が計42機を順次導入する予定だ。