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中国、日本のEEZ内でレアアースなど採取

2018-04-14 14:50:04 | 資源・技術・知的財産・開発研究

中国、日本のEEZ内でレアアースなど採取

2018年04月14日 09時09分   読売新聞
 

 【ジュネーブ】日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国が日本政府の同意を得ずに海底調査し、豊富な資源を含む

「海底熱水鉱床」やレアアース(希土類)、希少な深海生物などの海底資源類を採取していたことが明らかになった。


 中国の研究者が2007年以降、少なくとも30本の学術論文で調査内容に言及していた。


 中国の海洋調査船がEEZ内に進入し、日本の同意なしに調査を繰り返してきたことは海上保安庁などが確認していたが、

具体的な調査内容は明らかになっていなかった。中国側は調査内容を論文にすることで、学問上の優先権(先取権)を得ることや、

大陸棚に関する自国の主張を補強して海洋権益を拡大することを、狙っているとみられる。

 読売新聞は中国の研究者が国内外の学術誌に英語や中国語で発表した論文を学術論文の専用サイトで検索、専門家の助言も得て

検証した。


 検証の結果、07年8月から今年1月までに発表された30本の論文に、採取地点の緯度・経度、採取時期などについて、

03~14年にかけて沖縄周辺や沖ノ鳥島周辺のEEZで中国船が日本の同意を得ずに行った調査と一致する記述があった。


 このうち18本は、中国科学院の最新調査船「科学号」が14年4月に実施した調査と一致。海上保安庁は同月、

科学号が日本のEEZ内の沖縄県久米島の北約140~160キロの海上でワイヤを海中に垂らして調査を行っていたことを

確認していた。


 中国科学院海洋研究所のチームが国際学術誌「マイクロバイオロジカル・リサーチ」(15年8月号)に発表した論文によると、

14年4月、久米島の北約140~160キロの海底にある沖縄トラフ・伊平屋海嶺(いへやかいれい)の熱水噴出孔近くや

同海嶺北方の海底で、科学号が深さ1200~1600メートルの4地点からテレビカメラ付き採泥器など2種の機材を使って

採泥した。


 16年10月に発表された論文には、久米島の北約140キロの2地点で14年4月、科学号に搭載された遠隔操作の潜水機の

ロボットアームで熱水鉱床の堆積(たいせき)物を採取したことが記されている。


◆新種の深海生物も

 同海嶺周辺は世界有数の金銀含有量を誇る海底熱水鉱床で、18論文の内容を総合すると、採取した試料には、銀や銅、鉛などの

金属、ネオジム、イットリウムなど15種のレアアース、ゴカイ類の新種などの貴重な深海生物が含まれていた。