旧植民地の市民を中国から守って! 香港民主派が英総領事館前で訴え
旧宗主国の英国政府に対し、香港の自由が低下していく中、中国政府に圧力をかけて旧植民地の市民を
守ってほしいと訴えた。
香港島の英総領事館前に集まった人々は、英国旗や英植民地時代の香港旗を振りながら、
英国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」や愛国歌「ルール・ブリタニア
(Rule Britannia)」を歌った。
参加者らが手にしたプラカードは、高度の自治が認められている香港への締め付けを強める
中国政府への対処が不十分だと、英国を非難するものが多い。中には、中国と英国が香港返還で
合意した1984年の共同宣言に香港人が全く関与できなかったことから、「中英共同宣言(Sino-British
Joint Declaration)は無効だ」と書かれたものもある。
大学を卒業したばかりだという男性参加者は、「英国が香港の人々を少しも支援してくれないことに
失望している」とAFPに語った。
また、参加者らは香港からの移住を望む市民が英国または英連邦(Commonwealth)加盟国の
市民権を取得できるようにしてほしいと訴えた。
香港市民の中には、1997年の香港返還前に交付された「英国海外市民(BNO)旅券」を保有する
人も多い。BNO旅券では英国での労働や永住は認められていないが、デモ参加者の一人は「少なくとも
完全な市民権によって、香港の人々を中国政府から守ることができる」とAFPに説明した。
数日前には英議員約130人が、英国と英連邦政府に対し、移住を希望する香港市民のために
定住保証政策をとるよう求める共同書簡に署名している。
香港で、英国旗や英植民地時代の香港旗を手に英総領事館前に集結した民主派の市民ら(2019年9月15日撮影)
香港の英総領事館前で、民主派の集団の中を横切ろうとして警察官に誘導される親中派の女性(2019年9月15日撮影)