野党、国会審議拒否「麻生氏辞任要求」与党「審議進める」対決強まる
2018年4月20日 12時12分 NHKニュース
財務省をめぐる問題が相次いでいることを受けて、立憲民主党など野党6党は、麻生副総理兼財務大臣の辞任などを求め、
20日の国会審議に応じていません。これに対し、与党側は、野党側の出席が得られなくても、審議を進める方針で、
与野党の対決姿勢が強まっています。
財務省の福田事務次官が女性記者にセクハラ発言をしたとされる問題や、決裁文書の改ざん問題などを受けて、立憲民主党など
野党6党は、麻生副総理兼財務大臣の辞任を求めていますが、政府が受け入れないことに反発し、20日の国会審議に
応じていません。
このため、衆議院の内閣委員会と厚生労働委員会では、午前中、自民・公明両党と、日本維新の会だけで、
法案の審議が行われました。
野党6党は、国会内で集会を開き、政府・与党は、麻生大臣の辞任や、「加計学園」をめぐる問題の真相解明のため、
柳瀬元総理大臣秘書官らの証人喚問を受け入れ国会を正常化させるべきだと訴えました。
また、集会に出席したほとんどの女性議員は、黒い服を身につけ、福田次官をめぐる問題に抗議の意思を示しました。
これに対し、自民・公明両党は、野党側の出席が得られなくても、国会審議を進めていく方針で与野党の対決姿勢が強まっています。
菅官房長官「丁寧に説明する努力尽くす」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「国会運営は国会で決めることだが、正常化のための努力が続けられる中で、
政府としては、国会の求めには真摯(しんし)に対応し丁寧に説明する努力を尽くしていきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が、「野党側からの麻生副総理兼財務大臣の辞任要求には応じない方針に変わりはないか」と
質問したのに対し、「変わりはない。麻生大臣には財務省に国民の厳しい視線が注がれていることを重く受け止めて、
陣頭に立って信頼回復に努めてもらいたい」と述べました。
立民 「進退判断する時期」
立憲民主党の福山幹事長は、党の参議院議員総会で、「財務省の事務次官も国税庁長官も不在で、セクハラ問題の対処にも厳しい
批判が出ており、麻生副総理兼財務大臣の責任は極めて重く、進退を判断する時期だ。国会審議に入れる状況ではなく
『国会や国民をばかにするな』と言いたい。国会の異常事態を整えるのは、政府・与党の責任であり、猛省して野党の要求に
しっかり応えてほしい」と述べました。
公明 「審議参加働きかける」
公明党の井上幹事長は、記者会見で、「要求が通らなければ審議を拒否するというのは、いかがなものか。国会は、さまざまな
問題の解明に取り組むことも必要だが、それと同時に、国民生活に必要な法案をしっかり審議することが本来ではないかと思うので、
粘り強く、野党側に審議への参加を働きかけていきたい」と述べました。
また、井上氏は、柳瀬元総理大臣秘書官の国会招致について、「記憶が本当に正しかったのかどうかも含めて本人が明確にする
必要がある。一方で、参考人招致であっても全会一致か、それに近い形で決めるのが慣例になっており、与野党が合意したうえで、
招致するのが基本だ」と述べました。
維新 「議論し真相究明を」
日本維新の会の遠藤国会対策委員長は、記者会見で、「野党6党の審議拒否という立場や覚悟もわかるが、審議をしないで、
ただ単に辞めろというのでは議論は深まらず、真相究明にはつながらない。行政や政治がゆがめられたと思われている点について、
議論しなければ、国会が真相究明に前向きでないということが露呈されるのではないかと懸念している」と述べました。