イランと6か国 核合意維持

米ニューヨークの国連本部で、国連総会にあわせてイランと米欧露など関係6か国の外相会談が行われた。
ロシアのラブロフ外相、イランのザリフ外相、米国のティラーソン国務長官が参加した。
会談の議長はEU(欧州連合)のモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表が務めた。
モゲリーニ氏は、「合意は機能しており、核兵器の拡散防止というその目標に従っている」「全当事国が行動計画に基づき自らの
義務を完全に履行している、との認識で我々は一致した」と語った。
会談はトランプ米大統領が、イランとの核合意に米国が将来も参加するかどうかについて「決めた」と発言した中で行われた。
ただトランプ氏はこの発言で詳細を一切明らかにしていない。
一方イランのロウハニ大統領は国連総会で20日、「イランは核合意に違反する最初の国にはならないが、他の当事国による違反に
対しては断固として対応する」と演説している。
また、「米国が核合意から離脱した場合、米国は自らに対する信頼を失墜させるだろう」「もし政治の世界に入ったばかりの
『ごろつき者』がこの合意を破壊するなら、それはとても残念なことだ」とも述べた。
イラン大統領、トランプ氏演説に懸念。 安倍首相と会談、核合意「イランから破棄ない」
2017.9.20 08:45 産経新聞
会談を前にイランのロウハニ大統領(右)と握手する安倍首相=19日、ニューヨーク
【ニューヨーク】米ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相は19日午前(日本時間20日未明)、イランのロウハニ大統領と会談し、
イランが米欧など6カ国と結んだ核合意の順守を求めた。
ロウハニ師は核合意を「一方的で最悪な合意だ」と批判したトランプ米大統領の演説に懸念を表明した上で「核合意をイランから
破棄することはない」と語った。
首相は会談で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への制裁措置に同調するよう求めた。これに対し、ロウハニ師は「核戦争や
核兵器開発、核兵器を用いた脅迫に反対しており、北朝鮮にも伝えている」と述べた。
ロウハニ師は安倍首相のイラン訪問を改めて求め、首相は「機会を捉えて訪問を実現したい」と答えた。
首相はグテレス国連事務総長とも会談し、国連安全保障理事会の対北制裁決議の完全履行の重要性で一致した。
首相は日本の安保理常任理事国入りを念頭に「安保理改革なしに国連改革は完結しない」と訴え、グテレス氏は安保理を含む
国連改革に意欲を示した。