アーム通信(海外会員インドだより)

国際子ども権利センターの元運営委員の成田由香子が、インドのデリーで滞在する暮らしの中で体験することを伝えます。

デリーのマーケット爆発

2005-10-30 09:14:12 | Weblog
みなさま

こんにちは。
日本のニュースでも報道されているようですが、
昨日の10月29日(土)の夕方ごろ、デリーで爆発テロ事件が起きました。

デリーの大きなマーケット3箇所で、午後6時頃ほぼ同じ時間に、爆発事件がありました。全部で約55人が亡くなり、約155人がケガをしたそうです。被害にあったのは、買い物をしていた女性が多く、子どもも数人含まれています。犯人と疑われている人が10人拘留されていますが、まだ原因は分かっていません。

この爆発のあった日は、ヒンドゥ教の大きな祭日ディワリ(11月1日)の3日前、イスラム教の祭日Eid-ul-Fitr(11月4日)の6日前でした。なので、いずれのマーケットも、祭日の準備のための買い物をする人たちで大変込み合っていた場所でした。

特に、こないだのDusshera(ダシャラ)が終わってからは、ヒンドゥ教徒にとっては新年のように一年で最も重要な祭日ディワリに向けて、ギフト、夜に飾るキャンドル、花火、食べ物などたくさんの買い物をするために、街にはいつもより多く出店が出ており、いつもにぎわっています。

私がこのニュースを聞いたのは、ヒンディ語のクラスにいた時で、職場の方数人から電話で知りました。他の日本人やインド人も、携帯電話で安否を確認しあっていました。被害にあったマーケットの一つサロジニ・ナガルは、私の通勤通路にあるとても大きくて常に込み合っているマーケットなので、とてもビックリしてしまいました。

今日(10月30日)は、ヒンドゥ教で、何か新しくモノを買うのが良いとされている日だそうですが、人ごみの多い場所に出ないようにと言われています。私はちょうど買い物をする予定でした・・。
それにしても、せっかくのお祭り気分で皆が楽しく過ごそうとしているときに、それをぶち壊して命まで簡単に脅かそうとするなんてひどいですね。同時にデリーの治安の悪さも改めて実感しました。

事件の詳細は、日本語なら↓
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20051030k0000m030093000c.html

より詳しくは、英語ですが、インドのタイムス・オブ・インディア紙↓をご覧下さい。
http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/msid-1279722,curpg-2.cms

DUSSHERA(ドゥシャラー)

2005-10-21 04:57:51 | Weblog
先日の10月12日は、DUSSHERA(ドゥシャラー)というヒンドゥ教の大きな祭日でした。今回は、ちょっと遅れてしまいましたが、この時期、多くのインド人にとってとても大事な行事DUSSHERAについてご紹介します。

◆DUSSHERA(ドゥシャラー)って?
DUSSHERAは、インド中でお祝いされるヒンドゥ教の大きなお祭りの一つで、ほとんどの学校やオフィスが休日になります。毎年、ヒンドゥ教の暦で日にちが決まりますが、暑い夏が終わり冬に入る前(日本では秋ですね)の時期に行われます。ですので、DUSSHERAが来ると、インドの人たちは「もうすぐ寒い季節がやってくるわ~。」という気持ちになるそうです。

DUSSHERAは、ラーマヤナーの物語に出てくる英雄ラーマが、悪魔の神様ラヴァーナを10日間かけて倒し、誘拐されていたラーマの妻シータを救った!というエピソードを祝うものです。つまり、善が悪に勝利したことを祝うのです。DUSSHERAという言葉の意味は、「10日目」です。その前の9日間は、ドゥルガーという神様を祈る「ドゥルガー・プジャー」がヒンドゥ寺院で行われ、人々は寺院や家で熱心にお祈りをします。

◆お祝いの仕方
巨大な悪魔ラヴァーナ神やその他の悪魔をかたどった像に火を放って退治する行事が行われ、クラッカーや太鼓などの音で外はにぎやかになります。特に、悪魔退治の演出方法は、どこも熱心に行われるそうです。また、人々はこの10日間、飲んだり、食べたり、踊ったり、歌ったりして楽しみます。10日目まで行われる儀式やお祝いの方法は、地域によって異なるようです。ある地域では10日目に断食をしたり、またある地域では夕方時から夜までずっと踊りを踊ったりするそうです。
私は、DUSSHERAの日、南インド出身のインド人家族と過ごしたので、南インド地方のお祝いを経験しました。

◆インドのひな祭り
南インドのお祝いの仕方は、です日本のひな祭りのよう。段飾りには様々なヒンドゥ教の神様の人形が置かれ、花や電灯などで装飾されます。女性は、ご近所や友人や親戚の家を訪問し、ココナツ、バナナ、お菓子などをギフトとしてその家の女性からもらい、おでこに赤い粉(南インドでは「クンクン」と呼びます)をつけてもらいます。また逆に自分の家でも相手を招待してギフトを交換します。主に女性のための儀式ですが、子どもや男性も一緒に訪問して、おしゃべりをしたり、歌を歌ったりして時間を過ごします。10日目には、家にある段飾りの人形は横に倒されます。
また、よく勉強できるようにお祈りする儀式もあります。祭壇の前に教科書や本などを納めてお祈りするのです。そして10日目には、子どもは伝統的な踊りや音楽を披露して、学習を始める行事を行います。

写真は、私が訪問したお家にあった段飾りです。おもちゃみたいにかわいいヒンドゥ教の神様の人形が並んでいます。真ん中の段には、ガネーシャという象の顔をした神様がクリケットをしています。お茶目ですね。私がいただいたギフトには、スナック菓子、バナナチップ、葉に包んで入っていたビンロウなどの木の実、ポット、などです。ヒンドゥ教の寺院にも行きましたが、写真撮影は禁止でした。皆で歌も歌いました。私も日本語の歌で定番の「ふるさと」を歌いましたが、みな一生懸命耳を傾けて聞いてくれるので恥ずかしかったなー。また、歌を習っている友人のサンスクリット語の歌はとても美しく、目をつぶってしみじみ聞いていました。

それにしてもこの期間のインドのお母様たちは忙しいなあと思いました。祭壇に飾る花、ギフトや菓子を作る用意、家を掃除してお客さんが来る用意、そして自分のおしゃれもしなくてはならない。10日目には、友人のインド人家族のお母さんは「ふー、今日は疲れたよー。」なんてポロッと一言。とこのようなインドのお母さんたちの活躍あってこそ、みんなが楽しめるお祭りなのだ思いました。

はじめに

2005-10-18 04:04:57 | Weblog
皆さん、ナマステ!
「ナマステ」は、インドのあいさつの言葉です。始めて会った時でもそうでなくても、こんにちは、さようなら、どんなときにでも使えます。

◆「アームって何?」
このブログのタイトル「アーム通信」の「アーム:aam」は、ヒンディ語で「マンゴ」という意味です。

なぜマンゴ?それは、インドで一番好きな果物だから(単純な理由・・・)です。そして、マンゴは、インドが世界で最も多く生産していると同時に、インドのおとなにもこどもにも大人気の果物です。
インドでは、ちょうど暑~い夏の時期(4月~8月頃)、マンゴがとても美味しい季節です。暑さでちょっとげんなりしていても、マンゴを食べればみんな元気になれる!そんなマジカルな果物です。(残念ながらマンゴの季節は終わり、写真がなくてすいません。)

アーム通信を読んで、日本の皆さんが、少しでも元気になったリ、インドに興味と親しみをもってもらえたらなと思います。

◆国際子ども権利センターとの関係
私が国際子ども権利センターに出会ったのは、大学生のときにインドの教育や児童労働について勉強していたときでした。国際子ども権利センターが一緒に活動しているインドのNGOの活動にいたく感銘を受け、「子どもの権利というのがある!」というのを初めて知って腰を抜かしたのでした。権利センターには、その頃から活動に関わらせてもらっています。
また大学の後は、ムンバイの大学院に留学しインドの子どもや家族に関わるNGOなどの勉強をしました。日本に戻り仕事をしてしばらくして、再び縁あってインドに来ることになりました。今は、インドのNGOに関わる仕事でデリーで暮らしています。思えば、これも国際子ども権利センターが、インドに導いてくれたと言っても良いでしょう。

このアーム通信は、主にインドの子ども、生活・文化事情、開発、NGOなどの情報をお伝えします。中でも、国際子ども権利センターが行っているインドプロジェクトに関係する情報についてもお届けできたらと思います。

皆さんからのご意見・ご質問等いつでも気軽にお送り下さい。
どうぞよろしくお願いします!

◆ちょっと豆知識:インドとマンゴの関係
調べてみると、インドとマンゴのお付き合いは長くまた親しいようです。マンゴの原産地はインド北部。インドでは、紀元前200年以前から栽培されていて、今は約500種類の品種があるそうです。
また、インドでは、マンゴは、宗教、文学、美術、習慣、民族等、人々の日常生活と深く結びついていたとされています。例えば、お釈迦様がマンゴの樹の下で野宿したので、お釈迦様の果物と呼ばれていたそうです。またマンゴはヒンズー教徒にとっても聖なる木です。
うーん、インドとマンゴな関係って奥が深そうですね。