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「白鳥の湖」公演レポート

満場のお客様で千秋楽を迎えたマリインスキー・バレエの日本公演は有終の美を飾るに相応しく、ロパートキナとゼレンスキーによる気高い「白鳥の湖」の上演となりました。
最後には会場はスタンディング・オベーションに包まれ、何度も何度もカーテンコールが繰り返されました。



大活躍! アンドレイ・イワーノフ
「白鳥の湖」の12月8日、9日昼夜、10日昼夜と5連続公演で登場したのは 道化役のアンドレイ・イワーノフ。
道化になりきった演技力と確かな高い技術で会場を沸かせ、大喝采が送られました。



7日昨日と本日のレポート

昨日7日と8日はダンサーたちが取材を受けてくれました。舞台で美しいダンサーたち。ステージを降りても可愛らしく、そして何よりも謙虚なことに驚かされます。
昨日インタビューを受けてくれたテリョーシキナは「オールスター・ガラ」公演の後であるファンの方がとても喜んでくれて、「白鳥の湖」もまた来ます!とおっしゃってくださって…。その方そして公演にいらしてくださる方に感動していただけるようベストをつくします。と目を輝かせながら話してくれました。今回の来日公演でとても高い評価を得ている彼女。「海賊」公演の超絶技巧で大喝采を浴びたサラファーノフが王子様役。
まさにマリインスキーの未来を魅る公演なりますね!

そして昨日「海賊」公演でキュートなメドーラを踊ったソーモワ。プライベートもかわいらしい服を着ているので、どこで買うのか聞いて見ましたら、今日のスカートはサンクトペテルブルグ、トップスはオタワで購入したとのこと。残念ながら日本ではリハーサルと本番で、お買い物の時間はなかったそうです。またすぐ来日して、今度は少し観光もしたいわ!と話していました。








12月4日 オールスターガラ「エチュード」は必見!

高嶋ちぐささんのファインダー・レポート第2弾は「エチュード」 



 “オールスター・ガラ“の演目にある「エチュード」は、クラシックバレエのレッスン光景を描いた作品。「白鳥の湖」などの踊りの素となる体の動きを一つずつ見せて行きます。

舞台に背景はなく、ダンサーは装飾のないシンプルな白と黒のチュチュ。日舞の素踊りに近いもので、動きにごまかしは通用しません。 マリインスキー・バレエの付属校と言えるワガノワバレエ学校で、基礎から一つ一つ段階を経て積みあげる正しい教育を受けて育ったダンサーたちの、鍛え上げられた美しい肉体は注目に値します。ロシア中から選ばれた美しい体型に加え、全員の脚の筋肉が高い位置に引き上げられ、ピンと張りつめた腱を持つことに、このバレエ団のレッスンの正確さと緊張感、各々のダンサーとしての自覚が感じられます。  前半はゆったりとしたテンポのプリエ(膝の屈伸)から始まり、バールと呼ばれる横棒を利用した片足ずつのエクササイズ、徐々にスピードアップして後半は舞台中央で様々な種類の回転やジャンプが展開されます。  彼らの動きは、そのまま教則本になるほど正確なポジションの中で行われていて、ほんの少しでもポジションを外れると観客に分からぬようにさっと矯正します。 それは教師に言われるからではなく、自分自身がポジションを外すことを許せないのです。これがバレエダンサーのプライドで、日々のレッスンの緊張感が客席にも伝わってきます。 音楽性や表現力には個々のダンサーの能力に負うところが多いものの、レッスンのクオリティはそのままバレエ団のクオリティに繋がります。マリインスキー・バレエとパリ・オペラ座が世界最高峰と言われる大きな要因も、レッスンの確かさにあります。 マリインスキー・バレエの「エチュード」は、バレエを学ぶ人、教える人の全てに観て欲しい作品です。 (Photo&TEXT by 高嶋ちぐさ フォトジャーナリスト) *Infomation エチュードの上演予定時刻は第3部の20:50です。

クラシック・バレエの気品 ウリヤーナ・ロパートキナ

フォトジャーナリスト 高嶋ちぐささんのフォト・ファインダーからのレポートをご紹介します。

「クラシックバレエの気品―ウリアナ・ロパートキナ」
チュチュと呼ばれるスカートがまくれ上がるほどに高く上げる脚、自分の身長を上回る
高さの跳躍やウルトラ回転で新体操なみの妙技を見せるバレリーナが全盛の昨今ですが、そんな中でクラシックバレエの伝統を受け継ぐ気品あるダンサーを待ち望んでいたバレエファンも多いことと思います。
その期待に見事に応えてくれるのが、マリインスキー・バレエのプリマとして来日しているウリヤーナ・ロパートキナ。
しなやかでありながらも決してクラシックのフォルムを崩さず、指先一本の動きまでおろそかにしない細やかで気品ある表現―そこには彼女自身の豊かな才能とともに、バレエに対する尊敬心がひしひしと伝わってきます。
彼女はロシア の宮廷バレエとして発祥したマリインスキーの正当な後継者であり、これこそがクラシックバレエの真髄と言えるでしょう。
 デビュー当初は、その繊細さゆえに今ひとつ目立たないところがありましたが、
今回はプリマとしての輝きが加わり、彼女が舞台に登場した瞬間から会場全体が
緊張感に包まれます。
マリインスキーのみならず世 界の至宝と呼ばれるにふさわしい存在となりました。
ロパートキナはバレエファンのみならず、初めてバレエを観る方にも“これが本物のバレリーナ“とお薦めしたいダンサーです。 (TEXT by フォトジャーナリスト高嶋ちぐさ)

『ロパートキナのすべて』公演レポート

気品、優雅、華麗、洗練、成熟・・・どんなに言葉を並べても言い尽くせないウリヤーナ・ロパートキナの完成された舞台。一糸乱れぬ群舞を率い、オーケストラの豊かな音楽の中で舞う彼女は、まさしく「マリインスキー・バレエ(キーロフ・バレエ)の女王」
ロパートキナの舞台を観られることは、本当に一生の宝だと、しみじみ思いました。
舞台を観ながら、涙が流れ、全身が震える・・・そんなステージでした。

昨日のステージこそ、言葉にすることは無粋、というか言葉にはできません。
12月2日朝日新聞の夕刊に、彼女のインタビューを掲載した広告が掲載されますので、そちらも併せてご覧ください。

東京公演初日

昨日は、まさに「ヴィシニョーワのすべて」・・・。
皆さまも堪能してくださったことと思います。

終演後、バレエ団から祝福を受け、
とても幸せそうにサイン会へ。
お客様が「キレイ・・・」と声をかけてくださるのが判って、
ニコニコと微笑んでいましたね。

その後、大好きなお鮨屋さんへ招かれ、ものすごーい勢いで注文していたそうです。
同行したスタッフは、その勢いと可愛らしさに写真を撮ることをすっかり忘れてしまったそう・・・。ごめんなさい。

そして今日は「ロパートキナのすべて」です。
ぜひ会場でお目にかかりましょう!


♪当日券17:15から発売
・S席、A席、B席: あり
・C席、学生席: 若干あり



昨日会場でお配りしたキャスト表に訂正と追加です。

♪ダンサー名の訂正
クブィシカ(シンデレラの義姉)ヴィクトリア・テリョーシキナ

♪役名の訂正
妖精→ダンス教師 エカテリーナ・オスモールキナ
シンデレラの父→ダンス教師 イスロム・バイムラードフ

♪追加
『シンデレラ』第2幕
<四季の精> 
春 フェードル・ムラーショフ
夏 アントン・ピーモノフ
秋 マキシム・ジュージン
冬 ドミートリー・プィハチョーフ

東京公演前日レポート

明日から始まるマリインスキー・バレエ東京公演。
「ヴィシニョーワのすべて」公演のゲネプロを見学に行きました。

私が見学したのは「バヤデルカ」。
「金の奴隷」を踊るシクリャローフ(彼はゲルギエフの口から絶賛の言葉とともに紹介されたダンサーです)、ソロルを踊るサラファーノフ、ガムザッティを踊るテリョーシキナ・・・。ガラ公演にふさわしい、マリインスキー・バレエ総力を尽くしたステージになる予感がもうただよっています。

そしてニキヤを踊るヴィシニョーワ。
第三幕ではなくて、第二幕を踊りたいと強く希望したヴィシニョーワの踊りが、目線が・・・とにかく凄かったです。
休憩中に、チェンチコワ先生とヴィシニョーワが最後のリハーサルをしている姿、「髪につけたベールが顔にかかるの・・・」と言うヴィシニョーワに、「ここをしっかり止めるといいわよ」とアドバイスしていた先生の姿を目撃しました!!


♪当日券17:15から発売
・S席、A席、B席: あり
・C席、学生席: 若干あり

びわ湖公演レポート!

マリインスキー・バレエ「海賊」公演 びわ湖から出航!!

びわ湖ホールでは、26日の公演に先立ち、前日25日に公開リハーサルが行われ、バレエを習っている子どもさんたち60人くらいが来場してくれました。
白熱したステージリハーサルを熱心に見学。帰り際「私、バレリーナを目指します!」と力強く宣言していった子も。
今は、世界で活躍するスターダンサーも、初めてのレッスンはあったはずですし、初めて
トーシューズをはいた日もあったはず。「がんばって!」と思うと同時に、いつの日か、公演会場で「マリインスキー・バレエを観てバレリーナになったんです」という人に会えたら・・・、そんなふうに夢が広がりました。

さて、今日(26日)11:00ごろ会場に着くと、ダンサーたちがぞくぞくと到着。ファジェーエフはトレーナーの帽子をかぶって会場入りしたので、誰だか判らず「???」なんでも、風邪をひかないように気をつけているとのこと。サラファーノフは、いつもどおり元気です。

さて、幕が開いてまず感動したのは、その本格的な舞台設備。海賊船が波に揺られ、レーザー光線が雷を表現し・・・「海賊船」難破!でいきなり舞台にひきこまれます。心なしか、7月サンクトペテルブルグで観た舞台よりパワーアップした気が。。。

今日の公演は、若手注目株のテリョーシキナがメドーラ、ロブーヒンがコンラッド、人気のサラファーノフがアリ、日本でもおなじみのランケデムがファジェーエフ、ギュルナーレがオスモールキナでした。
若手中心のキャスティングでしたが、スピード感あふれる舞台、ひとりひとりのテクニックが高く、会場は第一幕から盛り上がります。最高潮は、やはり第二幕のパ・ド・トロワ。「ぶらーぼー」の声が飛び、その盛り上がりに応えるかのように、次から次へと難しいジャンプが披露されます。
特に、ファジェーエフのナナメ45度に決めるポーズ(言葉ではうまく表現できないのですが、とても難しいジャンプだと評論家の方に聞きました)、サラファーノフのひねりのきいたジャンプには「うゎー」という声があがっていました。あんなにシェイプされた身体につまっているスゴイ技!
それだけではなく、テリョーシキナの美しいポーズ、細く長い脚の動きにも魅せられました。オスモールキナも丁寧な踊りで、となりの人が「キレイね~」と公演中につぶやいたほど。

とにかく楽しいアドベンチャー物語。見終わった後の“ハッピーさ”は、他の演目を寄せつけません。
公演のスゴさは、やはり言葉では表せません!
今回も満席のお客様の拍手が鳴りやまず、感動のうちに公演が終わったことをご報告します。


サイン会の時、「ブログ見てますよ」とおっしゃってくださったファンの方がいらして、とても嬉しかったです!(はげみになりました。ありがとうございます。)

初日、名古屋公演レポート!

マリインスキー・バレエ日本ツアー スタートしました!

23日14:00ごろ会場に着くとステージでは、サラファーノフが「海賊」アリのレッスン中。舞踊監督のワジーエフが、サラファーノフの動きに鋭い目を光らせ、腕を上げる角度、ジャンプとジャンプとの間の動きなどを指導していました。
非常に高いジャンプ、キレのある回転、溌剌とした動き、本番さながらの踊りを見せてくれていても、サラファーノフ自身もワジーエフも、「まだまだ・・・」という顔。マリインスキーのレベルの高さを強く感じました。
1時間の練習を終えたサラファーノフ。
「回転ばかりしていたから、目が回る・・・」と笑いながら「ステージでレッスンができてよかった。今日もとても有益なアドバイスを受けることができたよ。本番は最高のものを見せるよ」と言ってくれました。

ステージの脇では、ファジェーエフがジョギングしてカラダをあたためていたり、次にリハーサルをする予定のソーモワが先生と話したり、マッサージをしてくれるトレーナーがダンサーひとりひとりと言葉をかわして体調を聞いたり。バレエ団全体が今回のツアーを成功させるために、自分のやるべきことに全力でとりくんでいる、1時間くらいのバックステージ見学でしたが、そんな熱いものを感じました。

さて、今日の主役ヴィシニョーワとコールプも到着。前日十分なリハーサルを行い、当日の朝はクラスレッスンに参加した二人。衣装とメイクをつけ、少しづつ緊迫感が漂い始めます。
劇場にも、開場の1時間前からお客様が並び始め、満席のお客様を迎え、客席も盛り上がり華やかな雰囲気に包まれます。
マリインスキー劇場管弦楽団がチャイコフスキーの音楽を奏ではじめ、幕が上がると客席には早くも感嘆の声があがりました。

白鳥たちが登場しただけでステージ全体に漂う、静謐で、はかなく、崇高な美しさ・・・観客に与えられる大きな感動とインスピレーション。
公演を言葉でレポートすることは、あまりにも無粋。
会場を、満員のお客様の鳴り止まない拍手と歓声が包んだことだけ、ご報告します。


次は、びわ湖で行われる「海賊」公演をレポートします。お楽しみに。

8月17日ヴィシニョーワ&マラーホフの「ジゼル」公演に行ってきました。

ヴィシニョーワとマラーホフが踊る「ジゼル」・・・タイトルを書くだけで震えてきてしまうくらい、素晴らしかったです。感動しました。ヴィシニョーワ=ジゼルの村娘の踊りの愛らしいこと。ベンチに座っていると、マラーホフ=アルブレヒトが隣りにさっと座ってきて、少しづつ身を寄せてくっついてくるところの恥じらい、一緒にいて嬉しくて嬉しくてたまらなくて踊ってしまうところなど、何だか自分自身の淡い青春時代(?)にオーバーラップしてしまいました。そして、気がふれていく狂乱の場面では、その愛らしさが逆に悲痛度を増す、というか、じーっと奥歯をかみしめてしまった私。

ウィリーになったジゼルの懸命な愛、慈愛。最後は女神のようなオーラまで感じさせるヴィシニョーワの名演に、ただただ浸ってしまいました。

ガラの公演は華やかで、宝物箱のようでステキ。
それ以上に、全幕物の公演は、はダンサーの素晴らしさに導かれ、奥深い世界に連れて行ってくれる魔法のじゅうたんのようですね。時も場所もすべてを超えた永遠の場所に連れて行ってくれる
ダンサーやバレエの本領、真髄にふれた1日でした。

その日の夜はもちろん、次の日まで「心はジゼル」でした。
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