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12月4日 オールスターガラ「エチュード」は必見!

高嶋ちぐささんのファインダー・レポート第2弾は「エチュード」 



 “オールスター・ガラ“の演目にある「エチュード」は、クラシックバレエのレッスン光景を描いた作品。「白鳥の湖」などの踊りの素となる体の動きを一つずつ見せて行きます。

舞台に背景はなく、ダンサーは装飾のないシンプルな白と黒のチュチュ。日舞の素踊りに近いもので、動きにごまかしは通用しません。 マリインスキー・バレエの付属校と言えるワガノワバレエ学校で、基礎から一つ一つ段階を経て積みあげる正しい教育を受けて育ったダンサーたちの、鍛え上げられた美しい肉体は注目に値します。ロシア中から選ばれた美しい体型に加え、全員の脚の筋肉が高い位置に引き上げられ、ピンと張りつめた腱を持つことに、このバレエ団のレッスンの正確さと緊張感、各々のダンサーとしての自覚が感じられます。  前半はゆったりとしたテンポのプリエ(膝の屈伸)から始まり、バールと呼ばれる横棒を利用した片足ずつのエクササイズ、徐々にスピードアップして後半は舞台中央で様々な種類の回転やジャンプが展開されます。  彼らの動きは、そのまま教則本になるほど正確なポジションの中で行われていて、ほんの少しでもポジションを外れると観客に分からぬようにさっと矯正します。 それは教師に言われるからではなく、自分自身がポジションを外すことを許せないのです。これがバレエダンサーのプライドで、日々のレッスンの緊張感が客席にも伝わってきます。 音楽性や表現力には個々のダンサーの能力に負うところが多いものの、レッスンのクオリティはそのままバレエ団のクオリティに繋がります。マリインスキー・バレエとパリ・オペラ座が世界最高峰と言われる大きな要因も、レッスンの確かさにあります。 マリインスキー・バレエの「エチュード」は、バレエを学ぶ人、教える人の全てに観て欲しい作品です。 (Photo&TEXT by 高嶋ちぐさ フォトジャーナリスト) *Infomation エチュードの上演予定時刻は第3部の20:50です。

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