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吹楽オススメ&思い出の一曲 <『饗応夫人 太宰治作「饗応夫人」のための音楽』編>

2005-02-13 00:17:25 | 吹奏楽
今回はオススメの曲… というか、最近やたらと聴きまくっている「饗応婦人(田村文生作曲)」を紹介しようかなぁと思いますです。1994年度の吹奏楽コンクールの課題曲の一つです。


この曲と出会ったのは、中学の時に楽器庫の片隅に置かれていたスコアをチラッと見たときでした。その時は「饗応」を「きょうおう」と読むことすらも知らなかったですし、何よりスコアの内容が物凄いものだったので(はじめに記載されていた拍子がありえないものでした^^; 何分の何拍子だったかなぁ…)、とにかく「敷居の高い曲」であるという事しか分かりませんでした。


その後、高校で1994年度の課題曲参考演奏のCDを発見し、その中にこの曲が入っていたのできいてみました。すると… 当時の僕にはただ、不協和音が羅列され、デタラメ同然にパーカッションが鳴らされている位にしか理解できませんでした。しかし、僕は当時から不協和音炸裂な現代音楽が好きな人間だったので(汗)、不協和音に対する抵抗はほとんどありませんでした(おいっ)


そして最近。Sonyから出ている「吹奏楽コンクール課題曲集7」を買ったときに再び饗応夫人と遭遇。神奈川大学の息の合った演奏に聞き入ってからがもう最後。同小説でお客のもてなしにはまっていく奥さんの如く、自分もまたこの曲にのめり込んでいったのです(汗)… さすがに奥さんのように、血を吐くほどまでのめり込んではいませんが^^;


この曲、何が良いのかというと、一回聴いただけだと本当に不協和音の羅列にしか聴こえないものが、段々聴いていくうちにどんどん印象が変わっていくというところです。同小説とあわせて読んでみると(青空文庫版参照)、この曲に出てくるフレーズや音一つ一つがそれぞれどんな意味を持っているのかが分かってきたりするのも面白いところです。この曲の最後が腑に落ちないものになっている理由も見えてくるんじゃないかなぁと思います。


さてさて。僕はまだコンクール版の「饗応夫人」しか聞いた事が無いんですが、佼成出版社から出ている邦人作曲家シリーズの「飛天の舞」というCDに、この曲の改訂版が入っているようなので、今度はそっちのバージョンも聞いてみようかなぁと思っています。同小説もこの曲も、噛めば噛むほど良い味の出る作品の一つなのではないかなぁと思いますですよ♪