自然豊かな田舎で2人暮らしの仲睦まじい夫婦ジェフとケイトは、週末の土曜日に結婚45周年の記念パーティーを控えていた。しかし月曜日、ジェフ宛にかつての恋人の遺体が氷河の中から見つかったという手紙が届いたことで、彼らの土曜日までの6日間は、45年の関係を大きく揺るがしていく。夫は過去の想いに酔いしれ、妻の心は感情の揺さぶりにより、やがて夫へのぬぐいきれない不信感へと肥大していくのだった。
さざなみ 2015年/イギリス/アンドリュー・ヘイ
いやー、これはなんて言っていいのか…。
ラストが、あー、ラストが悩ましい…。
結婚45周年のパーティで、ジェフが心からの感謝と愛していますの言葉を伝え、その感動のスピーチの後、45年前、結婚式で踊った思い出の曲でダンス…。
感動に浸れないケイトは、素直になれなかったことを後悔しているのか、それとも、未だにわだかまっているのか…、どちらなんでしょうか。
45年間、山あり谷ありであっても幸せに暮らしたのだろうから、ジェフにスイスに行って来てとか、一緒に行きましょうか?とか、とにかく、ジェフをスイスに行かせてあげたいって思わないのかなーと思いました。
ケイトがモヤモヤしているから、ジェフもモヤモヤするのであって、そんなこと45年も一緒にいたら気付かないかなーとケイトに対してイラっとしました。
カチャはジェフが結婚前に付き合っていた女性であり、しかも、もう亡くなっているのであって、ましてや、人生の終盤に差し掛かり…と、夫婦の関係を超えた間柄なのだから、どうして、素直にジェフの気持ちになってあげられないのかなーと思いました。
更に、カチャが妊娠していたことを知りながら、つまりはジェフの子供も一緒に眠っているのだから、迷うことなく、すぐにでもスイスに行かせようと思わないのかなーと…。
確かに、カチャが死ななかったらカチャと結婚していた…とハッキリ言われてしまった時はショックだったと思いますが、それでも、この45年が幸せだったのなら、黙ってジェフの気持ちに寄り添うべきだと思いました。
ケイトは、気さくでサバサバとした性格ではあるけれど、若干、横柄なところがあり、気が強く厳しい女性だということが序盤(パーティ会場の下見)で伝わってきます。
なので、そういうケイトだからこそのストーリー展開なのはとても納得できるものがありました。
それぞれ性格なのでどうしようもないですし、ケイトの性格も気持ちも解るけど、それでも、ジェフの気持ちも解ってあげてほしいと思いました。
老いてしまえば、お互いしか助け合う存在はいないわけで、45年という年月を鑑み…。
あー、そっかー、ジェフのスピーチ(ジェフの出した答え)に戸惑ったのかな…、いやいや、だとしたら、ジェフの手を振り払うことはしないか…。
やっぱりジェフが許せないのか?
私にはケイトの気持ちが伝わってこず、謎のラストとなりました。
ぜひぜひ、観てみてください!
まさに、さざなみ…でございます。