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ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

卒業生には向かない真実 / ホリー・ジャクソン 服部京子 訳

2023-08-28 | 本 海外作家
卒業生には向かない真実 / ホリー・ジャクソン
服部京子 訳
東京創元社(2023.7)


大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる出来事が起きていた。無言電話に匿名のメール。敷地内に置かれた、首を切られたハト…。それらの行為が、6年前の連続殺人の被害者に起きたことと似ていると気づいたピップは、調査に乗りだす。この真実を、誰が予想できただろう?『自由研究には向かない殺人』から始まる、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結編!




残念な真実でした。
正義が欲しかったです。

そもそも、ラヴィの兄の冤罪から始まる警察の無能さ、何人もの女の子の飲み物に薬を入れ眠らせレイプした犯人が陪審員による無罪、司法を信用できなくなるのも当然だろうとは思います。
なので、自分が訴えても信用してもらえないと思い込み、間違ったことをしてしまったピップの気持ちもそうなんだろうとは思います。
でも、刑務所に入らずとも、愛する家族やラヴィ、家族のような友人達と一切の連絡を絶つ苦しみで償えるものでもないはずです。
しかも、そのレイプ魔に殺人の罪を着せるなんて、いくらなんでもやり過ぎでした。
どんなに犯罪知識や勇気があろうとも、やっぱり若者は未熟としか思えませんでした。

更にはそれを正当化するかのようなラスト。
結局、レイプ魔は殺人で有罪になり、晴れてピップは自由ってことですよね?
これでは、どこにも正義がなくて、全てが間違ったまま終わってしまっています。
ピップには同情できませんし、ピップに協力した友人達の人生にも影響が大きいだろうと思います。

せっかくの三部作も、ピップの間違いによって残念なものとなりました。
どんなに犯罪知識や勇気があろうとも、やっぱり若者は未熟だなと思ったら…、司法への不信感や憎しみの強さは著者自身のものだったようです。
ピップを利用したようでちょっと不快に思いました。
とにかく残念です。
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