ねこのばば
畠中 恵 著 新潮文庫 / 2006.12
お江戸長崎屋の離れでは、若だんな一太郎が昼ごはん。
寝込んでばかりのぼっちゃんが、えっ、今日はお代わり食べるって?
すべてが絶好調の長崎屋に来たのは福の神か、それとも……(「茶巾たまご」)、
世の中には取り返せないものがある(「ねこのばば」)、
コワモテ佐助の真実の心(「産土」)ほか全五篇。
若だんなと妖怪たちの不思議な人情推理帖。シリーズ第三弾の、始まり始まり!
うん、これは面白かったです。
ちょっとしたミステリーって感じでした~。
『茶巾たまご』は、読み手の気持ちをうま~~くくすぐる一太郎の兄・松之助がメインのお話なのですが、読んでいると「あれ?」って思わせるところが出てくるんですよ~。
妖って、一太郎にしか見えないはずなのに、どうしてこの人が??っていうところ!!
最後に「いや~ん、そうだったんだぁ~?」と思わず笑っちゃうようなミステリー(?)が待っています。
『花かんざし』は、一太郎の両親がなんとも微笑ましいし、於りんちゃんにガッシリと掴まれた鳴家(やなり)が可愛いし。全体的にほんわかとした優しいお話です。
『ねこのばば』は、お話としてはちょっとどうなの??っていう浅い印象を持ちますが、妖退治の僧・寛朝さんが妖である仁吉と佐助の正体を見抜いてしまうんです。両者の会話が面白いし、それを聞いているヒヤヒヤの若だんなもまた面白い!
『産土(うぶすな)』は、佐助の昔話なのですが、ちょっとドキドキです(ラストのどんでん返し前に察しがついちゃうのが甘いとこだけど)。
『たまやたまや』は、ちょっとウルッときましたね~。
親友の妹の縁談話の調査に放蕩を決め込む若だんな。お侍に頭を殴られる若だんな。土蔵に閉じ込められる若だんな。
いつもと違う冒険三昧の若だんなが微笑ましくてたまりません。
そして最後には、若だんなの優しさが身にしみて、思わずウルッとね。
次が読みたいところだけど、この『ねこのばば』の文庫は年末に出たばかりだし、ってことは、次の文庫化はまだまだ先なんだろうな~。
続けざまにこの人の本を読むなんて、これは気に入ったのね。
内容もおもしろそうではありませんか。
私もちょっと気になってしまったのでとりあえず、『しゃばけ』を購入してみました。
読んだら感想を書きます。
うふふふ~、ちょっとハマっちゃいましたね~。
といっても、単行本を買う程ではないんですけどね。
気楽に読めるし、なんと言っても、それぞれのキャラがいいですよ~~~。
おお~、『しゃばけ』購入しましたか!!
ぜひぜひ読んでみて下さいね~。
感想、お待ちしています!
でも妖たちの少しずれた考え方や鳴家のかわいらしさにも相変わらずほのぼのできました。
ホントですよね~、今回はちょっと本格(?)でしたよね!
妖も鳴家も大好きです♪
記憶が薄れてきたところなのでまた読み返してみたいところですが、他に読みたい本がいっぱいで大変です(笑)。