ただの映画好き日記

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写楽 閉じた国の幻 / 島田荘司

2020-07-03 | 映画 ア行
写楽 閉じた国の幻 上・下巻 / 島田 荘司 著     新潮文庫/2013.2


上)世界三大肖像画家、写楽。彼は江戸時代を生きた。たった10ヵ月だけ。その前も、その後も、彼が何者だったのか、誰も知らない。歴史すら、覚えていない。残ったのは、謎、謎、謎。発見された肉筆画。埋もれていた日記。そして、浮かび上がる「真犯人」。元大学講師が突き止めた写楽の正体とは…。構想20年、美術史上最大の「迷宮事件」を解決へと導く、究極のミステリー小説。

下)謎の浮世絵師・写楽の正体を追う佐藤貞三は、ある仮説にたどり着く。それは「写楽探し」の常識を根底から覆すものだった…。田沼意次の開放政策と喜多川歌麿の激怒。オランダ人の墓石。東洲斎写楽という号の意味。すべての欠片が揃うとき、世界を、歴史を騙した「天才画家」の真実が白日の下に晒される。推理と論理によって現実を超克した、空前絶後の小説。写楽、証明終了。



面白かったです!
これは本当に面白かったー!
私としては、写楽が誰でもいいんですが、っていうか、写楽は写楽でいいのですが、でも、なるほどーの展開で、グイグイ惹きこまれました。

オープニングの、回転ドアの事故死は、佐藤と教授の出会いに必要なだけだったとしたら、子供を殺すのはどうなんだろう?と、それは最後まで疑問に感じました。
肉筆画も結局、なんなの?とか、何より、教授と佐藤の間にあるもの、教授の闇みたいなものがあるのだろうと思い込んでしまって、何もないことにちょっとガッカリでした。

ですが、江戸編がとにかく面白くて、蔦屋重三郎、最高でした!
本当に、実際に、蔦重はオランダ商館の“おラスさん”を歌舞伎に招待しただろうなと感じられました。
その描写がとてもリアルで、そのリアルは、蔦重が生き生きしていたからかなと思いました。

島田荘司さん、1番好きな作家さんですが、とは言っても、御手洗潔ものが大好きなわけで、他の作品はあまり読まない自分を反省しました。
島田さん、本当に凄いなーとゾクゾクものでした。
でもって、せっかくゾクゾクしたのに、ぶち壊したのが『解説』。
本当にムカつくくらいのぶち壊しでした。
最後の最後に、原発を持ってくるって何なんでしょうか?思想は自分の著作なり何なりで訴えなさいよ!!!


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