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日々の出来事(グチ?)

その日に見聞きした事の感想、自分の趣味、不満に思う事を書いていきます。日記のような、そうでないような物です。

ドラマ

2005-10-13 02:02:56 | 見たこと・聞いたこと
先日放送のあったドラマを見た。外交官だった杉原千畝(ちゅうね)さんの話だ。

見ていない方もいらっしゃるかと思うので超簡単に説明すると、第二次世界大戦中、リトアニアに赴任していた杉原さんがユダヤ人に大量のビザを発行して命を救ったという話。

一言で言ってしまえば本当にそれだけの話なのだが、その当時、ユダヤ人を助ける事がどれだけのリスクを背負う事か。また自分や家族の身に何か起きるかもしれない。それなのに、何が彼をあそこまで突き動かしたのか。

私は原作も読んでいないし、このドラマを見ただけなので何処までがフィクションで何処からがノンフィクションなのかは分からない。
大体あの通りだとして、もし、自分が杉原さんの立場だったとしてあそこまでの事が出来るんだろうか?大戦中と言えば、もろ手を挙げて「大日本帝国万歳」だったはず。その本国にビザの発行を何度も打診しては断わられ、最終的には外務大臣直々に禁止命令が出されてしまった。にも関わらず独断でビザの発行を決断する。

ビザの発行を懇願され、領事館を取り囲まれ、何日も居座られ続けたらどうするか。その当時の「日本万歳」な洗脳を受けていたら、警察を呼んで追い返すか、始めから「出来ない」と断わるかしているだろう。現に、杉原さんの同僚は「すぐに追い払え」と言った。大体、戦中日本とドイツは仲間だったのだ。当時の外交官としての職務的には同僚の意見が正しいのだろう。
だが杉原さんは迷いに迷った挙げ句、「命より大切な物は無い」と言って発行を決断する。本当にその通りだ。世の中みんながこう考える人ばかりならいいのに。

結果、3000通近くのビザを発行、6000人以上ものユダヤ人を救った。当時のビザは1通1通手書き。しかもパスポートのチェック等もしなければならない。1日に書ける枚数には限度があるだろう。でも彼は寝食惜しまず書き続けた。途中ゴム印が出来たり、補佐が手伝ってくれたりもしたけれども、次々にやってくる人の多さに途中「やっぱりやらなきゃよかった」などと後悔することはなかったんだろうか。
あぁ、私なら、もしやったとしてもここで挫折してしまうだろう。それくらい次から次へと人がやってくるのだ。なぜなら、他の国の領事館では悉く断わられているから。

そう、ユダヤの人達も必死なのだ。その紙切れ1枚で生と死が別れるかもしれない。杉原さんだけが救いの綱なのだ。結局リトアニアはソ連軍の統治下になり、日本領事館は閉鎖。けれども彼はホテルでも書き続け、列車が発車するギリギリまで書き続けた。

そんな彼だが、戦後に外務省をクビになる。当然といえば当然だ。命令に背いたのだから。外務省内でも有る事無い事悪い噂が流れていた。それでも彼は腐る事は無かったらしい。彼の業績は約20年後、当時助けたユダヤ人との再会によって報われる事となる。更に約20年後、イスラエルより賞をもらう。彼はこの翌年、1986年に他界する。2000年になり、初めて外務省が彼を表彰する。

ドラマはここで終わった。物凄く良かった。何度も泣いた。私は普段からドラマでも映画でも細かい文句を言う方だけれど、一切無かった。あった気もするけれど、そんな事を忘れるくらい引き込まれた。

ドイツの軍人がユダヤの人を銃殺するシーンは正視出来なかった。あの軍人役の目つきが堪らなく嫌だった。手塚治虫の「アドルフに告ぐ」という漫画を思い出した。ああいうのはダメだ。人を人とも思わない態度。吐気がする。

ユダヤ人役の俳優さんも上手かった。生きる為に必死な様子が伝わってきて、ビザ発行の発表を聞いて喜ぶシーンや、駅で我先にと殺到するシーン、走っていく列車に「ありがとう」と叫ぶシーンは特に泣けた。
ビザを書いてもらえなかった人達はどうなったんだろう、その落胆は酷かっただろうと思ってまた泣けた。列車の中で杉原さんが泣くシーンがあったのだが、実際でもきっとそれを思って無念だったのだろう。

思っていた通り、反町さんの演技も良かった。ああいった一本筋が通った役は良く合うと思う。前はそれほど好きでは無かったけれど、段々演技が上手くなっているように思う。滑舌も良かったし。特に、年をとってからの姿勢などの細かい演技は秀逸だと思った。喋らなければ本当に老人に見えた。
ただ、こういった感じの役が続いているので、別の役でもそう思えるのかは疑問だけれども。

杉原さんの同僚役が勝村さんだったのだが、これがまた嫌な役で。本当に憎たらしくて、役と分かっていても「勝村ムカつく~!」とテレビにガン飛ばしてた(笑)。それくらい上手かったって事でしょう。

飯島直子さんも思った通りだったし、普通に可愛かった。ちょっと前の服装が良く似合うなぁと思う。

戦争物は胸が痛くなるので見る事は滅多に無いのだけれど、久々に見てみて、本当に良かったと思えるドラマでした。


最後に
>fujiminoさん、ご期待に添えましたでしょうか?あんなにプレッシャーかけるのは反則ですよ!(笑)

2 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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素晴らしい感想文 (fujimino)
2005-10-13 11:44:35
感想文を読んで感動しています。(笑)

本当に素晴らしいです。



彼がこの様な行動を行ったのは、彼の心が正直であり、暖かかったからには他なりませんが、もう一つ、満鉄の評価にしても、実際を正確に調査し、見定める彼の性質と、赴任した地域も関係あるのかも知れませんね。



当時、多くの外国を知る人達は勝てない戦争と思っていたようですが、一般の日本人達は、勝てると思っていたようです。



僕たちが色々な事を知ろうとするとき、知識人や書物を書いている人達、そしてメデアと言う媒体を通して物事を理解しています。

しかし、時としてそれは、実際を見て感じているのでなく、その媒体の考えを植え付けられているとも言えるのではと思っています。



人間とは、昔から、そして何処の国に置いても、その様な傾向がありますが、その点、彼は実際を見て物事を判断する事と、実際のものを見ることが出来る立場にいたと言うことが大きいのではと思っています。

要するに、素晴らしい本や、物語から何かを得るのでなく、実際に生きている実際に存在している人やものの本質を見て判断する。

素晴らしいことです。

彼の生き方は、この様な暖かい決断が出来る事と共に、ものの見方と言う点でも色々と学ぶところが多いですよね。
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あぁ ()
2005-10-13 12:18:06
fujiminoさんのコメントの方が的を得てますよ!(笑)

そうなんです。その通りです。ドラマを見終って直ぐに書き始めたので、まだ冷静じゃなかったんです。
“何か書き足りないなぁ”って思ってたんですけど、眠くて挫折しちゃいました(汗)。

fujiminoさんのコメントを代わりに載せたいくらいだわ(爆)。

でも、お誉めに預かって光栄です!肩の荷が下りました(爆)。
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