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ザリガニの鳴くところ

2022年11月19日 18時54分53秒 | 映画 さ行
評価★★★★【4点】(12)



出版本が徐々に増え店頭に飾られる幸福感。
あ、原作本じゃなくて映画の中の図鑑の話ね。



1969年、ノースカロライナ州の湿地帯。
ある日、裕福な家庭の青年チェイスの変死体が発見される。
事故と事件の両面から捜査を進める警察は、
やがて湿地帯に一人で暮らす若い娘カイアに疑いの目を向ける。
カイアは6歳の時に両親に捨てられ、以来学校にも行かずに
たった一人で自然を相手にたくましく生き抜いてきた。
それゆえ村では異質な存在として、人々から“湿地の女”と呼ばれて
蔑まれてきたカイアだったが…。
<allcinema>



集団が個人を攻め入る状況にどうしても
弱者に感情移入してしまうのは自然の摂理としてそうなるが
ましてや、両親に捨てられ愛情を受けたこともない少女だ。

一度は学校に通うも他の生徒から「湿地の娘」といじめられ
初日に学校から飛び出してしまう。

孤独な6歳児にして湿地帯で自然と共存する術を得て
近くの川でたまに行き会う少年が唯一の友人とくるから
もうほとんどヒロインの仙人生活に興味津々となってしまう。

数年後、唯一の友人だった少年と再会し彼から読み書きを教わる。
こうして彼女は少年に少しづつ心を通わせていく。

いいんですよ。これで終わってもね。

ただ映画は冒頭の変死体の容疑者として彼女にスポットを当て
法廷劇として只ならぬ緊張感を与えてくれるから面白い。
彼女を蔑む周りの目は概ね魔女裁判にでも参加しているよう。
それでも、唯一彼女の味方である黒人夫婦はもちろん
彼女を弁護する初老の男性の頼もしさに感涙する。

有罪か無罪か!
この判決を巡り、ラストでひっくり返る展開に息を呑む!

過去の負の時間を取りもどし余生を共にする伴侶がいて
あのまま余韻を残したままフェードアウトしてくれた方が
まだよかった気がする。
ラスト、本に隠されたネックレスで余韻が吹っ飛んでしまい
彼女のしたたかさだけが強烈に残るそんな映画でした。



【今週のツッコミ】

・大体、家庭内暴力というところから悲劇が始まるパターン多し。

・あの湿地帯の自然環境がパンドラに居るネイティリと被る。
 とにかく映像の雄大さと美しさは劇場で堪能するべき。

・交換日記ならぬ交換羽は今後流行りそう(←ホントか)

・自然界の生き物スケッチが後の収入源になるご褒美に胸熱。

・結婚しよう!「もうしてるじゃん」これ野生動物のノリ。

・読み書き、出版情報に協力したティトよ、目指せヘレン・ケラー。

・『君に読む物語』が頭にチラついた。

・あの貝殻のネックレスを見つけた瞬間、ショックを受けた夫。
 弁護人、陪審員らも気づかなかった。当然破棄でしたね。

・青年になったティトとチェイスがぱっと見似てて。。。

・テイラー・スィフトのテーマ曲がなかなか!
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監督:オリヴィア・ニューマン
脚本:ルーシー・アリバー
音楽:マイケル・ダナ
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、ハリス・ディキンソン

『ザリガニの鳴くところ』



 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (ここなつ)
2022-11-20 20:46:31
こんにちは。
私はこれ好きな作品でした。
絵もそれの元になる自然描写も綺麗だったし、人の偏見や差別などの醜い所も出ていたし、胸がすっとするかと思いきや、最後もやっというのも好みな感じでした。
しかし、確かに成年後の男子2人は顔は似ているよ…沼地の暗闇で見たらわからなくなっちゃうかも。ってことはヒロインが本当にしたかったことは!?ブルブル(冗談です)
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ここなつさんへ (ituka)
2022-11-20 22:13:51
CGじゃなく本物の自然が本当に美しかったです。
人って異質を排除する行動は体の細胞組織からそうなっているので致し方ない部分もありますが
にしても、いろんな面で彼女の超人的な会得術がすごいと思いました。
家族が出ていき自分と父親だけになった時、「コツをつかんだ」とか言ってましたもんね。
例の男子二人にサンドイッチされたかったのかも、俗にいう3●ってやつですかね~(←よせって)
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Unknown (margot2005)
2022-11-28 20:21:01
カイアがあの時間、あの場所にいることは不可能。
と、言いきった弁護士の言葉に陪審員は惑わされた?
自ら弁護を名乗り出た弁護士は、真実を知っていたような気もしました。
DVから始まった悲惨な人生に、きっちりリベンジしたカイアに拍手です。
本が売れたのもわかりますね。
カロライナの湿地帯の背景がドラマにピッタリ。
『君に読む物語』同感!
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margotさんへ (ituka)
2022-11-28 21:16:45
>自ら弁護を名乗り出た弁護士は、真実を知っていたような気もしました。
そういう見方もありますね!
ガッテン!です。もしそうだとしたらさらに深い話になりますしね。
あの閉廷直後にカイアと弁護士が目で会話した理由にもつながりますから。
湿地帯ってワニに引きずり込まれる怖いイメージしかなかったんですが、この作品で美しく落ち着く場所とイメージ変わりました。
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Unknown (zooey)
2022-12-08 21:48:27
面白かったです。
あのどんでん返しは彼女のしたたかさを表していたのかしら?
それにしてもあんまりでしたね。
彼女にしてみたら「自然の摂理」に従ったのかしら…
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zooey.さんへ (ituka)
2022-12-08 22:09:59
6歳という年齢で自然と共生する術を少しづつ身に付けていった逞しさが
ラストの結果に繋がっているようでしたね。
母へのDVがトラウマとなり暴君へのけじめを彼女なりに付けた感じです。
にしても一人で生きていくにはあまりにも過酷な湿地帯でしたが助けてくれた夫婦が最後までいい人でよかったです。
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